幸田文のレビュー一覧

  • 崩れ
    私の勉強不足や、題材への興味が
    少なく、少し読みずらかった。

    ただ、胸打たれる言葉や
    ハッとするような表現も相変わらず
    多くあり、さすが。

    なにより驚きは、
    これを書いたのが、70過ぎだという事。
  • 崩れ
    72歳で各地の「崩れ」の現場を見て歩く、なんて無謀すぎます。おそろしい執念。「幸田文」って、生活を大事に暮らす賢い女性のイメージだけれど、そして多分、本当にそうなんだろうけど、その裏側に、こんなクレージーな一面があったなんて…。ギャップが大きいだけに、驚かされました。
    その一本筋の通ったところは、白...続きを読む
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    「父」菅野の記 は胸にせまるものがあった。また、全体に折り目正しく生きるということが繰り返し描かれており、今の自分の生活が恥ずかしくなった。幸田露伴と娘 文の関係が、まだ私にはピンとこない。恋愛のようにも…思えてしまったり。ぜひ他の本も読んでみたい。青木玉も含めて。
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    幸田文さんが、父・露伴さんの思い出を綴った本。露伴晩年の闘病生活の看病と看取りは気持ちが生々しく、祖母を看取ったときのことを思い出しました。それにしても、幸田文さんの文章って、心のなかそのままで、面白いです。
  • きもの(新潮文庫)
    きものに詳しくないけど、きものの質感が伝わる文章。
    戦前の家庭ってこんなふうだったのね。
    おばあさんの頼もしいこと。
    人付き合いの仕方、きものの着方、ものの使い方から
    男女のことまでなんでも指南してくれる。

    未完なのか、そっか。
    キリのいいところで終ってるけど、るつ子の結婚後の話も
    続く予定だった...続きを読む
  • 雀の手帖(新潮文庫)
    青島幸男の「意地悪ばあさん」はこの人をモデルにしたのではないだろうか。愛すべきだが傍に居て欲しくない幸田文。所詮、金持ちの御嬢さんだ
  • おとうと(新潮文庫)
    肩身の狭さ。
    家族のあれこれによる肩身の狭さと、理不尽さが、げんを押し潰し続ける前半だった。うってかわって後半は、献身的に弟を看護するげん。そのコントラストが、げんの姿をいきいきと見せてくれた気がした。

    *言い掛かり、赤い花、縁談、結核
  • 黒い裾
     幸田露伴も読んだことないのに、初めて読みました。読めない漢字を多くて往生しました。面白い表現がたくさんありました。
     ただ、庭でかってるレグホンが一年に300個卵を産む、とあったのはちょっとどうかと。現在のゲージで完全管理下での飼育でやっと300個なので、放し飼いで300個は無理だと思います。ま、...続きを読む
  • 崩れ
    70歳を過ぎた老婆の冒険物語。日本の崩れ探訪。このバイタリティーには拍手。家事手伝いと化した私も見習わらなければとチトあせる。名を成し功を遂げた人だからここまで周りが協力してくれたのも老婆の力。
    文中に「心がしかむ」との表現があるが、沖縄の方言にも「しかむ」との同義の語がある。しかんだ!「台所のおと...続きを読む
  • おとうと(新潮文庫)
    最初は独特な文体に戸惑ったものの、すいすい読み進めることができ、すぐに読み終わった。ただ、ところどころに日本語の破綻がみられる上に、最後の締め方がやや強引だったので素直に素晴らしいとは言い難い。しかし文章はきれいだし、女性らしい細やかな感性が感じられてよかった。主人公のげんは作者と重ね合わせて描かれ...続きを読む
  • 番茶菓子 現代日本のエッセイ
    短編エッセイ集
    ひとつひとつの情景があざやかで目に残る。重めの本を読んでいるときの息抜きに良いかも。
    ふとした時にある一瞬がよみがえりそうで、いつまでもささやかに記憶に残りそう。あとがきを読んで長編を読んでみたくなった。
  • おとうと(新潮文庫)
    私、この方が書く本が大好きです。

    家族同士の距離って、やっぱり近い様で遠いし
    遠い様で近いなぁ。
  • おとうと(新潮文庫)
    冒頭の文章がすごくきれいで
    一気に引き込まれた.
    著者の実体験を基にした内容だが,
    いろいろな描写がリアルで当時の生活を
    感じることができた.

    最後に弟は結核で亡くなってしまうが
    最後まであたたかい目で弟を看病し続け―自分も感染するかもしれないのに

    ただの兄弟愛ではないと思った.
  • おとうと(新潮文庫)
    自伝的要素を多く含んだ作品。

    「おとうと」は意気がるのが好きだが悩みやすく、
    今の境遇に不満はあるけど戦う力はない、
    どこの町にも何人もいそうな青年。

    母親は実の親ではなく、子供の接し方が分からず、
    父親はあまり表に出てこない。

    珍しくはない家庭だが、弟が結核を発病したことで、
    姉である主人公...続きを読む
  • 季節のかたみ
    季節感や、自戒することや、若いうちは自分もそうだったとか、職人さんは大抵嫁も職人だとか。感銘うけまくり。
  • 父・こんなこと(新潮文庫)
    幸田文が、父・幸田露伴にまつわる思い出を綴った本。一風変わった露伴に対する娘としての反抗、愛情にジンとなる。
  • 雀の手帖(新潮文庫)
    短い随筆の薄い本なので
    出かけるとき持って出る本が思いつかないときに
    これを選ぶことが多い。
    すっきりとした日本語で、日常のことを
    さらさらと書いてある。
  • 崩れ
    砂防の映画をきっかけに見る。この映画も相当面白かった。(A見さんありがとう。)
    恥ずかしながら幸田文を始めて読んだが、すごい。
    野望ともいえる望みを飾らない文体でユーモアも忘れず。
    20080214
  • おとうと(新潮文庫)
    間近に同じ年頃(中学生)の男の子を見ているもので、次第に「不良」になっていく碧郎の姿に、切ないものを感じた。現代でもそうかもしれないが、そういう道に追い込まれてしまうのは、少なからず周りにいる大人たちに責任がある気がした。
    にしても、わずか3つ上なのに、母親のように弟を見守る(後半では、看守るといえ...続きを読む
  • 雀の手帖(新潮文庫)
    昭和34年1月26日〜5月5日まで100回、西日本新聞に連載された。途中、美智子皇后陛下のご成婚があり「美智子様へ」「よきご出発」「お行列」を書いている。日常の出来事を鋭い視線でしかし愛情をもって見つめている。