小笠原弘幸のレビュー一覧

  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    全編にわたり面白かった。第3章までは世界史の教科書では空白地帯になっていることも多く、毎日1ページごとに参照メモをとりながら読み進めた。
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    巨大なイスラム文明の象徴とも言えたオスマン帝国の繁栄と衰亡の600年を日本で初めて詳細にまとめあげた上で、一般の読者にも分かるよう配慮されている貴重な一冊。カリフとスルタンと近代的立憲民主制のせめぎ合いの中で、巨大な帝国が翻弄されて滅亡していく様は、ひとときの夢のようだったモンゴル帝国のそれとは重み...続きを読む
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    600年にわたって一つの王朝が続いたオスマン帝国――その継続の理由が本書を読めばわかるだろう。また、多くの君侯国の中からオスマン朝が覇者となった理由も――オスマン帝国の政治史がわかりやすくまとめられている。各時代のオスマン帝国の体制の変遷や諸国との関係についての叙述、さらには現代史への言及もある。ど...続きを読む
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    やっぱり集権的帝国の時代の冷徹な歴史が一番おもしろかった。権力をどう握ってどう維持するか、権力の集中と分散それぞれの長所と短所。イスラム教という宗教と現在の中東問題。同じ地域にあったペルシャ帝国についても見たくなった。
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    オスマン帝国に全く触れたことのない私にも、わかりやすく楽しく読める新書でした。でもたった300ページで600年を語るため、1ページごとの圧がすごくてもう2,3回は読まないと色々覚えられそうにないです笑。
    噂には聞いてたけど本当に兄弟殺しまくっててウワーッと思った、でも君主崩御後の跡目争いとどっちがい...続きを読む
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    本書の区分で言うところの「集権的帝国の次代」以外の知識はほぼ持ち合わせていなかったので、非常に興味深く読めた。特に近代化の時代は現在のトルコ共和国に通ずる点も多くあり示唆に富む内容だった。長い歴史が君主を軸に叙述され、権力構造がどのように変遷していくかもよく分かる良書。
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    複雑な歴史だった。
    キリスト教圏ではない、イスラム教圏の入口として読むには、一本の道としての理解が出来る良本。

    フランス史も複雑で、いつからが本当の国なのか、色んな書籍を読んでもし難いんですけど、それと同じく、中東の大国としてあるにも関わらず、統一国家という意味でなかなか理解がしづらく、頭の整理が...続きを読む
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    今までは塩野七生の描くキリスト教社会から見たイスラム社会としてしか認識していなかったオスマン帝国の実像を初めて知ることができた貴重なオスマン通史。どうもイスラムというと中世的で原理主義的に思ってしまうが、実のところはキリスト教社会も中世は極めて原理主義的かつ非人間的であるところがあり、むしろオスマン...続きを読む
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
     なぜオスマン帝国は長く、600年もの命脈を保ったのかを説明したのが本書。

     目についたのは2点。
     一つは、奴隷の活用。
     一方は、権力分立。

     奴隷の活用という点では、これほど徹底している帝国もあるまい。次代の母后から大宰相まで、余すところなく奴隷なのだから。確かにこれでは強大な外戚も発生す...続きを読む
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    最近はオスマントルコとは言わんとか、あとは塩野小説の敵役としてくらいしか知らんかったのでいろいろおもしろかった。約600年続いて親子兄弟甥っ子以上に離れた王位継承がないってすごいよね。兄弟殺ししかり鳥籠しかり現代から見ると人権的にどうよ、ってのはさておき王家の存続のためには優れてるし、重臣を奴隷から...続きを読む
  • ハレム―女官と宦官たちの世界―(新潮選書)
    いわゆる、あの「ハーレム」です。
    女性が男性を取り巻いているようなアルファオスの象徴というか、破廉恥な文脈でもありそうな、あの現象?について。その語源を歴史を紐解き真面目に解説したもの。

    ハレムは、オスマン帝国のスルタン(君主)がトプカプ宮殿に構えたもの。アッカド語のハラムが語源。シュメール語には...続きを読む
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    13世紀に生まれ、中世、近世、近代を乗り越えてわずか100年前に消滅したオスマン帝国。本書はその歴史を大まかに3つ、
    ①集権的帝国の時代
    ②分権的帝国の時代
    ③近代化の時代
    に分類してテンポよく記述し、600年以上続いた帝国の飛躍、安定、衰亡を新書一冊で上手く纏めてくれている。
    通史なのでスレイマン...続きを読む
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    トルコもオスマン帝国もほとんど知らないよ〜な完全初心者が読んでみた。
    いやぁ、面白い!
    同名の人物が出てくるのに最初は苦戦したけど、地図や家系図、索引も活用して読み進めていけば全体的に優しく解説してあるので、難しくはなかった。

    はしがきに「時代ごとに違う国家があったよう」とある通り、区分通りの4つ...続きを読む
  • ケマル・アタテュルク オスマン帝国の英雄、トルコ建国の父
    オスマン・トルコの英雄というか救世主。かつ近代化のために帝国に引導を渡し、トルコ共和国を建国。
    帝国主義に対応するために国のあり方を変えるしかなかったところは、日本の明治維新っぽい。直接的なヨーロッパ列強に対抗する様がよく分かる。
    オスマンの歴史を持ちながら政教分離に踏み切ったのは凄い。でもやっぱり...続きを読む
  • ケマル・アタテュルク オスマン帝国の英雄、トルコ建国の父
    もともと興味のあった決まる。アタテュルクの生涯について書かれた本。
    外国人だけではなく、内部にも敵がいる中、政権を勝ち取ったことが新たにわかった。
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    トルコドラマ「オスマン帝国外伝」「キョセム」を見て、オスマン帝国自体に興味を持ちこの本を読みました。
    帝位につかなかった兄弟は皆殺しという制度に驚いた、なんて非情な。自分が后だったら男の子は産みたくない、産んでも一人だけ、後は女の子がいい。

  • ハレム―女官と宦官たちの世界―(新潮選書)
    オスマン帝国の君主がトプカプ宮殿に構えた、ハレム。
    それは帝国の国政と文化を担った場所であり、組織だった。
    第一章 ハレム前史―古代よりオスマン帝国初期まで
    第二章 ハレムという空間の生形―トプカプ宮殿の四00年
    第三章 女官たち  第四章 王族たち  第五章 宦官たち
    第六章 内廷の住人たち  第...続きを読む
  • ハレム―女官と宦官たちの世界―(新潮選書)
    様々な角度からハレムが考察されていてとても興味深かったです。
    以下簡単な内容メモ。

    ・ハレムは構造が果たす役割が大きい
    ・王子はスルタンになるまで鳥籠の間で暮らす→ほぼ幽閉(至高の存在に至近するものでありながら、制限されている)
    ・王子は即位の機会がなければハレムにずっと軟禁される
    ・兄弟殺しが通...続きを読む
  • オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史
    【読書】600年の歴史を一冊に纏めてたわりには分かりやすく、面白かった。ヨーロッパ相手にボコってたのか、いつの間にやらコテンパンにノされてる姿は時代の流れを感じますわ。栄枯盛衰は必ずあるんだろうけど、スレイマンまでの拡大期とそれからの緩やかな衰退は何か単位が600年ともなると凄いなあとしみじみ。こう...続きを読む
  • オスマン帝国 英傑列伝 600年の歴史を支えたスルタン、芸術家、そして女性たち
    帝国600年の歴史の中から選ばれた十人の列伝。通史的な中ではあまり取り上げられない女性や芸術家たちが多く取り上げられていて興味深かった。最新の研究成果を踏まえつつ、現代における各々の位置付けまで言及されていて面白い。