デヴィッド・グレーバーのレビュー一覧
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いい本なんだけど、どこからどこまでがグレーバーのアイデアで、どこからがウェングロウのアイデアなのかがあまりはっきりしていない印象があった。斬新な価値観、西洋中心主義への揺さぶりは、グレーバーが提唱せずとも西洋の文献には存在する。グレーバーがそのことを知らなかったはずはない。本当はもっと別の内容を、グ...続きを読むPosted by ブクログ
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考古学者と人類学者の共著のビッグヒストリー系なんだけど、ハラリやダイアモンドが前提としていることを否定する。
ビッグヒストリーを書いてきた思想家はルソーとホッブズとの考えの間を行ったり来たりしてきたが、どちらも真実ではない。古代の人や未開の人は我々が思っているような未熟な人ではなく我々と同様に思索す...続きを読むPosted by ブクログ -
暗黒時代とは、進化論の視点から現在を中心として歴史を観 察したときに現れる異分子を指している。本書は発展段階の 秩序空間に存在しえず、エラーとして意義付けされたすべて の可能性を肯定的に読み返す。すると、そこに現れるのは進 化の奴隷から開放された遊戯の人類史であった。
個人的に、千のプラトーの直後...続きを読むPosted by ブクログ -
本文だけで二段組約600頁の大著、しかもその内容が帯によれば、「考古学、人類学の画期的研究成果に基づく新・真・世界史!」というのだから凄い。
人類史20万年で分かっていることはごくわずか。しかし現実にはルソーの『人間不平等起源論』かホッブスの『リヴァイアサン』で示された発想の二者択一で、それをア...続きを読むPosted by ブクログ -
斎藤幸平の『人新世の資本論』でこの本を知り、手に取った。はじめはブルシット・ジョブとは誰の役にも立たない仕事や資本主義を成立させるために作られた(例えば広告代理店のような)仕事のことかと思っていたが、そうではない。役に立たないとわかっているのになぜかなくならない仕事のことだった。
私の周りではブラッ...続きを読むPosted by ブクログ -
この本以降「ブルシット・ジョブ」という言葉が流行語のように数々の著作で引用され、動画でも用いられてきた。この語感の意味をその定義以上の文化的な課題への警鐘を含め、しっかり前後の文脈まで把握する事が重要。二次的な浅い理解ではなく、原典を読めて良かった。本著は少し冗長で口説く感じるが、平易で分かりやすい...続きを読むPosted by ブクログ
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大野和基 / ポール・クルーグマン / トーマス・フリードマン / デヴィッド・グレーバー / トーマス・セドラチェク / タイラー・コーエン / ルトガー・ブレグマン / ビクター・マイヤー=ショーンベルガー最悪のシステムの中の最善のシステムである、資本主義について、情報技術によってますます加速し、変容をしていく先に何が待っているのか。2019年の断面で7名の経済学者が未来を予測した書
キーワードは以下です。
米中の対立
資本主義の修正と変容
富の再配分
人工知能の発達と普及、そして雇用への影響
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やらなくても誰も困らない仕事(何も寄与しない仕事)って確かにあると思います。
労働自体が目的となっていないか❓
そんな事を考えさせられる一冊です。
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ブルシットジョブとは。
被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用形態である。しかし、その雇用条件の一環として本人は、そうではないと取り繕わなければならない。
高給であればあるほどブルシット化してしまう現状。その無意味さに本人が気付いているか...続きを読むPosted by ブクログ -
世界中どこにでも仲間がいる、クソ仕事が溢れ続けることそれ自体によって、資本主義が終わる未来が見える、そんな一冊。Posted by ブクログ
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デビッド・グレーバーは、2013年の「ブルシット・ジョブ現象について」と題された小論で、どうでもいい無益な仕事「ブルシット・ジョブ」が世の中に満ち溢れているのではないかという刺激的な仮説を世に問うた。この小論は各国語に翻訳され(例に挙げられた14か国語の中になぜか日本語が入っていない。ラトビア語や韓...続きを読むPosted by ブクログ
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この本を読んで、はっとしたこと。
その1
奴隷じゃあるまいし、人間の時間を買えると思うのはおかしい。
なるほど!!
いつのまにか買われる奴隷根性が染み付いてました。
拘束時間中は雇い主のいうなりになるべき、という発想からは、ダラダラと働く結果しか生まれない。
(さっさと済ませても、同じ対価で追...続きを読むPosted by ブクログ -
『「誰かの労働」が重なり合って織りなす人間社会』を、時にズームアウトして遠くから概観し、そしてまたズームインして近くから観察して丁寧に論じている。
承認欲求に駆られた人々が権威や名誉などどんなに情緒的に飾り立てても、グレーバーさんが巧みに抽象化してブルシット・ジョブに分類していく。その流れが実に見...続きを読むPosted by ブクログ -
ブルシットジョブ、確かにあるよなと納得してしまう。これまで、このような視点で仕事の意味について考えた事は無かったし、仕事の有無は問題になってきたが、主観的な仕事の価値が問題となった事はたぶん無かった。
ブルシットでない仕事が生活できな程低賃金で、ブルシットなペーパーワークが高給な事は事実で、何でこん...続きを読むPosted by ブクログ -
読みづらくて大変だった。本書による定義では、ブルシットジョブとは、
「被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態。とはいえ、雇用条件の一環として、本人は、そうでないと取り繕わなければならないように感じている。」とされている。既にしんどい。...続きを読むPosted by ブクログ -
自分の仕事は世の中の役に立っているんだっけと自問してしまう。管理する仕事とか金融とかやっている人は心の中どうなんだろうとか。
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「ブルシット・ジョブが増え続けている!」というポイントに絞ってほしかった。枝葉の議論が多すぎるように感じた。Posted by ブクログ
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話自体は非常に面白かった。
ただ"""日本語訳"""って感じの文章が読みづらすぎて読むのが辛かった。
かまいたちの、「もし俺が謝ってこられてきてたとしたら絶対に認められてたと思うか」、みたいな感じ。
※P.263の見出し「現代社会に生きるほとんどの人びとは、たとえそれがなんなのか明確にすることが...続きを読むPosted by ブクログ -
言い回しの回りくどさや、似たような事例の列挙が気になるが、主張自体はとても納得できた。
社会や人のためにならない仕事の方が高給で、必要不可欠な仕事の方が薄給という自己肯定感と金銭のトレードオフは、社会の断裂を生み出す。
ブルシットジョブという会社と社員の封建的な構図は、王様と家来の時代から変わってい...続きを読むPosted by ブクログ -
自分でも気づかなかった悩み・もやもやがすっきりした。ブルシットジョブもいくつかカテゴライズしていて、この研究おもしろと思った。Posted by ブクログ