ソン・ウォンピョンのレビュー一覧

  • アーモンド
    最初は韓国ってそんなに治安悪いのかということにショックを受けて読み進めれなかったけど、2人が仲良くなり始めてから一気に読み終わった。

    戦争のニュースを見ながら笑いかけてくるシム博士に驚いていたユンジェの視点が新鮮だったがそうなのかもしれない。"共感の喪失"がテーマとして挙げられていたけど自身を守る...続きを読む
  • アーモンド
    感情がわからない少年が人との交流によって成長してゆく話。
    人と心を通わせるということを考えさせられる本だった。

    人を理解することって難しい。
    本当の気持ちを隠していることも多いし、ひとつの表現でもたくさんの意味をもつ。表情の変化や口調を読み取るのだって難しい。

    でも、だから諦めるのかというと、...続きを読む
  • アーモンド
    ユンジェは確かに感情を持たないけれど、決して冷たい人ではない。
    荒れた母親の頬と手の甲にそっとローションを塗ってあげる慈しみを持っているから。

    それにしても、ゴニのまっすぐな不器用さが苦しくて愛おしい。
  • アーモンド
    紹介されている本はみんな外れのない、読んでよかったと思えるSNSの方が「誰が読んでも間違いなく面白いおすすめ小説100選」で紹介していた本。

    感情のない主人公の物語は気づけば手が止まらず、1日で読みきってしまいました。不思議な読後感とあたたかさの残る本でした。
  • 他人の家
    非常に良かった。
    「正確な文章を書きたいんです。辞書的な意味ではなく、あくまでも主観的な正確性という意味での。独創的でありながらぴたりと合うような。」
    『アリアドネの庭園』は未来の日本を見ているようで怖かった。
  • アーモンド
    本屋さんでたまたま手に取って軽く読んで興味が湧いたので購入した『アーモンド』、読み始めたら止まらなくて2日間で読み終わった。

    感情を感じることもできず他人の感情も読み取れないユンジェがゴニとの関わりの中で成長・変化していく様子がとても自然に描かれていて読みやすく、次々とページをめくってしまった。
    ...続きを読む
  • プリズム
    かかえた過去
    すれ違い
    プライド
    素直になれない
    そんな20代30代4人の男女の恋の物語。
    とてももどかしくなるけれど、4人の思いや心情が順番につづられ、それぞれの思いに共感してしまう。

    ソン・ウォンピョンさんの透明感のあるすっきりした文章がとても素敵で、好きです。
  • アーモンド
    ネットでおすすめされていて手に取った。人の感情が理解できないという主人公、という設定が、その前に読んだ、「コンビニ人間」と少し似ている。でもこちらはいわば青春小説で、主人公は成長の途中にある。
    韓国語の翻訳なので、作者本人の文体とはまた少し違うんだろうけど、本当にものすごく読みやすい。ぐっとくる表現...続きを読む
  • 三十の反撃
    変えたいけど変わらない、動きたいのに動けない。
    こんなモヤモヤを抱えた現代人に読んでほしい。
    ソン・ウォンピョンからのささやかな反撃。

    著者は名門、韓国映画アカデミーに入って、のちに小説家になっている。華々しいキャリアを積んでるように見えるけど、それだけじゃなかったのだな。役者の後書きを読んで納得...続きを読む
  • アーモンド
    久しぶりに小説を読んだ。
    そして、久しぶりに感じたこの気持ち。
    私の表現したい気持ちをこの本は文章として表現してくれている。読んでよかった。

    内容は、
    人の頭の中にアーモンドみたいな形をした扁桃体と呼ばれるものが、耳の裏側から頭の奥深くにかけて埋め込まれている。
    外部から刺激を受けるとアーモンドが...続きを読む
  • アーモンド
    愛について。
    感情や共感について。

    読んで本当に良かった。

    感情(特に恐怖)を司る扁桃体(アーモンド)が小さく、普通の人の「感情」が分からない。だけど誰よりも感情について敏感で、興味を持っている少年。

    感情を「怒り」という方法でしか吐き出せない。自分の感情をうまくコントロールできない。
    けれど...続きを読む
  • アーモンド
    以前読み始めた時はなかなか前に進まなくて途中で止まっていたところ、2年ぶりくらいに読み始めたら面白くて、読むのが止まりませんでした…。
    感情がないユンジェが、お母さんとおばあちゃんから自分の知らないうちにたくさん愛をもらい、みんなが見えない本質を気づかないうちに感じていたところに胸がギュっとなった。...続きを読む
  • 三十の反撃
    とても面白かったです

    ネームドキャラ誰も彼もに葛藤というか人生があって、それは読者の私にとっても通じるものがありました
    仕方ないことばかりに取り巻かれてなお、生きていく姿に見てられるというか

    書かれてらっしゃる著者の方がしっかりと社会を生きていかれてるのが、本から伝わってきました
    国内の著名な作...続きを読む
  • アーモンド
    もっと早く読むべきだった、と思うくらい良かった。
    “感情”が分からないユンジェと激しい感情を持つゴニ。
    水と油のような二人が互いに影響し合って徐々に変わっていく。
    微笑ましい過程のはずなのに、どこか切ない気持ちにさせる。
    ユンジェ目線で語られる文章には一切の無駄がない。
    感情を排した分だけ読みやすく...続きを読む
  • アーモンド
    とても気になっていた作品。

    本に関する描写でとても素敵な箇所がたくさんあった。主人公の母が開いた、夢の古本屋、そこで出会ったたくさんの物語、違う人生。
    本の魅力、心から共感。映画やドラマ、漫画とは違って、自分が読みたい速度で、その世界に入りたい時に、好きな分量だけ入ることができる世界。自分の生きて...続きを読む
  • アーモンド
    涙とともに読み終え、私にはしっかり感情があるんだ、あって良かったと思った。

    アーモンドのような扁桃体が生まれつき小さく、感情を持たず、相手がなにを感じてるかもわからない主人公。

    目の前でお母さんとおばあちゃんが殺されても無表情だった。

    そんな主人公が人との出会い、成長によって変化していくお話。...続きを読む
  • 三十の反撃
    ソン・ウォンピョンさん3冊目。
    初稿の時点では「普通の人」というタイトルだったそう。
    主人公ジへと自分が重なる部分が多かった。
    だからこそギュオクがジへをかわいくて素直で好きだと言った時、嬉しかった。救われたような気持ちになった。

    「アーモンド」も素晴らしかったけど、私はこっちの方が好き。
  • 三十の反撃
    「アーモンド」に続く第二作。ようやく読む。
    生きづらい世の中の、泳ぎ方。
    変わることを押し付ける世の中で、簡単に変われないけどそれなりの生き方はある、と言ってもらっているような。それも人生だし楽しいかはわかんないけどなんとかなる、というか。
    いい話。こんな物語を描いてみたい。
  • 他人の家
    ソン•ウォンピョンさん3冊目。毛色の違う短編たちで、どれも面白かった。「zip」「箱の中の男」「他人の家」「アリアドネの庭園」が好み。「zip」は自分の話かと思うくらい共感。「箱の中の男」はユンジェが出てきて嬉しかった。話の内容も、考えさせられるものだった。韓国って、日本と似たところが沢山あり、でも...続きを読む
  • プリズム
    【この恋が永遠では無いからこそ、出逢いと別れを繰り返せ】

    ソウルで暮らす四人の男女の一年間の出逢いと別れを、四者四様の愛の形の物語。

    愛は始まるのと同時に終わりをじっと見つめなければならない。
    偶然、始まった出逢いからの恋愛は、その刹那さ故に思いがけぬきっかけで脆く壊れてしまう。
    その結果、残る...続きを読む