内澤旬子のレビュー一覧
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世界各国の屠畜事情、どのような動物をどのような事情でつぶして食肉に仕立てるか、屠畜に関わる職業とそれらへの差別はどうなっているのか、などに取材した内容。
著者の「差別とはなにか」「『動物をつぶす』ことが『残酷』とはどういうことか」という疑問への真摯な姿勢と、屠畜という職業への愛が伝わってくる本だ...続きを読むPosted by ブクログ -
正確には私が読んだのは岩波書店の単行本版である。
これは最高におもしろい本だ。
内澤旬子さんは『着せる女』でこんなおもしろい人がいるのだなと認知。
この本は出版当初に評判になったものの読んでおらず、たまたま手に取ったら内澤旬子さんだった。
ロシアが開発したイエバエを使った「ズーコンポスト」という...続きを読むPosted by ブクログ -
初、中澤旬子氏です。はじめはグロテスクなイメージで、おそるおそるといった感じでページをめくっていましたが、途中からは目が離さなくなりました。3匹のブタたちがどのように成長していくか、どんな苦労と工夫があるのか、そして中澤さんがどんな気持ちになっていくのか。次の展開が気になって、読み終わった後も、もう...続きを読むPosted by ブクログ
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ーー屠畜という仕事のおもしろさをイラスト入りで視覚に訴えるように伝えることで、多くの人が持つ忌避感を少しでも軽減したかった。(p.461 あとがきより)
2007年初版、2011年に文庫化されて以来、すでに14版。筆者の目的は十分に達せられているように思える。何せ、面白い。そして、職人さんへのリス...続きを読むPosted by ブクログ -
Cocco「My dear pig」を思い出す内容。
「思いついたらなんでもやってみよう!」という筆者のパワーとエネルギーが素敵。
そういえばうちでも昔、鶏飼って食べてたな。ヤギもいた。私の乳用だったらしいけど、しょっちゅう私をどつくから売り払ったとは母の話。でも、食用動物に名前はつけてなかったぞ。...続きを読むPosted by ブクログ -
肉を食べるということは、命を奪うことであるの当然ことである。それを知って肉を食べて生きているわけで、
屠畜(または屠殺)に焦点をしぼって、
日本を含めた世界各国の屠畜のやり方や、
屠畜に対する意識を読めておもしろかった。
もともとは「部落解放」という本に連載されていたそうで、
日本での「穢れ」という...続きを読むPosted by ブクログ -
食べるために動物の命を奪い解体する。人が生きるために必要な行為が時と場所により差別される。世界の屠畜を取材、豊富なイラストで解説した作品。
詳細なイラストと装丁が何より魅力の一冊。あまりに細かく老眼には少々厳しい。
臭いもあれば血もある現場、通訳ガイドかみ怯んでも筆者は全く平気である。
日本か...続きを読むPosted by ブクログ -
おそらく著者が述べたいことは、それぞれの段階でもっと多くあるように思えますが、
読み手がストーリーとして追えるようにさすがに上手に描かれていると感じました。 -
世界の”屠畜”模様のレポート。
元は、被差別部落の職業差別レポートだったはずだけど、
いつの間にやら、屠畜レポートに。
家畜を食品にする、難しくてありがたい職業だけど、
宗教、文化、食生活、政治で、いろんな立場に。
とにかく、お肉食べる時は「いただきます」を
ちゃんと言いましょう。Posted by ブクログ -
ひー
角川書店で本を出してゐる作家のブログで、編集の人から変なもの、 「盲点」や「黒人」へ
「これまずくないですか?」
と言はれたとか言ふのがあったが、なんかこの本は出とるな。
屠畜をあからさまに蔑視する朝鮮人、その態度を「清々しい」といふ著者、外圧に負ける食犬文化と抵抗する犬鍋業者、屠畜を犯...続きを読むPosted by ブクログ -
内容(「BOOK」データベースより)
「食べるために動物を殺すことをかわいそうと思ったり、屠畜に従事する人を残酷と感じるのは、日本だけなの?他の国は違うなら、彼らと私たちでは何がどう違うの?」アメリカ、インド、エジプト、チェコ、モンゴル、バリ、韓国、東京、沖縄。世界の屠畜現場を徹底取材!いつも「肉」...続きを読むPosted by ブクログ -
屠畜が「残酷」と隠されていることを問題視し、それなら見てもらおう、と世界の屠畜とその国の屠畜に対する意識や差別感情なども一緒に紹介した本。生と死が隠されていることについては考えたことがあったけど、ここにもあった、隠されているもの。私も屠畜見てみたい!となった。こういうものを見ながら生きる方が、絶対に...続きを読むPosted by ブクログ
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この世にふたつとない、イラストルポ。屠畜を通して、食べること、生きることを考える。じつになまなましい。素晴らしい。Posted by ブクログ
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家の畑が獣害に会い、狩猟免許を取得し自然と屠畜にも興味が出て紹介された本。
いろんな国の屠畜事情が紹介されており、旅行記としても優秀だった。
屠畜は食べるため、生きるためある種当たり前だと考えていたのにそれに差別が存在していたということを目の当たりにし、驚いてしまった。
また、日本もクジラを食べるこ...続きを読むPosted by ブクログ -
すごい本だ。
日本は言うに及ばず、韓国、エジプト、チェコ、モンゴル、アメリカと、世界の屠畜の現場を巡ったレポート。
大規模な工場のようなところから、家庭での屠畜まで、その「現場」も多様。
特にモンゴルの、一滴も血を外にこぼすことなく羊をつぶす方法などは、実際的であるだけでなく、洗練された方法で、感心...続きを読むPosted by ブクログ -
著者のバイタリティと好奇心に、ただただ敬服。
以前読んだ「ドキュメント屠場」でも思ったけど、屠畜は本当に職人の世界であり、それは世界どこでも変わらないんだなと思った。
屠畜に携わる人への差別の有無もテーマだったため、著者は各地でそれを尋ねるのだけど、屠畜の技術やルポに絞ってもよかったんじゃないか...続きを読むPosted by ブクログ -
前に読んだ本の著者、小早川さんが出てきた。
被害者のやるせなさが苦しい。
なんでこんな弁護士に依頼したのかと思うが、信頼できる弁護士を探す気力もなかったのだと思う。
味方であるはずの人が守ってくれないのは辛い。Posted by ブクログ -
本を開いたとき、文字の大きさや行間から、さっくり読めそうな気がしましたが、結構時間がかかりました。
というのも、ストーカーが気持ち悪いんですよ、読んでいて。
直接暴力を振るわれたりしなくても、行動を監視され、一方的に「見ている」ことをアピールされ、何なら個人の秘密を不特定多数の人に公表されたりする...続きを読むPosted by ブクログ -
生き物がどう殺されていくのか知りたくて読んだ。
主題としては「なぜ日本では屠殺業を営む人が差別されているのか、他の国でもそうなのか」というルポ。
私自身は「人間に殺されて可哀想だな、でも私も肉好きだしな…」という想いはあり、ただ屠殺業に従事する人に対して残酷だとか感じたことは一度もない。本書が書かれ...続きを読むPosted by ブクログ