赤神諒のレビュー一覧

  • 太陽の門
    カサブランカの前日譚としてのスペイン内戦を描いた日経新聞の連載小説の加筆修正版。元が新聞小説なだけあって文体は読みやすい。キザだけで形作られた登場人物たちが小気味良く話を進めてくれる。エンタメ小説とはいえ、歴史的事実に基づいており、このご時世、歴史は繰り返しがちであることや、歴史から学ぶことの重要性...続きを読む
  • 立花三将伝
    主君への義、友人との信。
    どちらも貫かれるが、信が美しい。
    三将の最後の会話で涙腺決壊。

    赤神先生、今回も素晴らしい作品ありがとうございました。

    ※評価はすべて3にしています
  • はぐれ鴉

    はぐれ鴉

    江戸初期の時代設定は珍面白く読みました。作者の今後の活躍を楽しみにしています。
  • 仁王の本願
    愚直な武将を描くことが多い印象の作者さんですが、この作品の主人公である本願寺一向一揆の坊官、仁王こと杉浦玄任も、まぁこれ一途なこと一途なこと。私を捨て、愚直に加賀の一向衆徒の民の世を守ろうとするものの、内部からも外部からも敵がわらわら湧いてきて、というわけですが、ただでさえわかりづらい一向一揆の人間...続きを読む
  • 読んで旅する鎌倉時代
    大河ドラマと合わせて読みました。
    歴史は勝者が作るとはよく聞く話ですが、正史はそうなのだろうなとつくづく思います。そして、それだけではなく、歴史とは解釈なのだなと深く思います。特に歴史小説を読んだ後には。そして、このようなアンソロジーを読むと、一編ごとに少しずつ変わっていく(あるいは観点を変えていく...続きを読む
  • 太陽の門
    日経新聞の新聞小説です。
    第二次世界大戦前夜、スペイン内戦(1936~39年)が舞台の物語。。

    歴史の流れもよく知らなかったし、映画「カサブランカ」の前日譚との設定だそうだけど、そのカサブランカも観たことがなかったので、著者の意図する読み方は出来なかったけれど、悲惨で不毛な戦争の悲劇はしっかり受け...続きを読む
  • 酔象の流儀 朝倉盛衰記
    先々月、山形の天童に行った際に将棋記念館で将棋の歴史を知り、中将棋に出てくる酔象を知った直後、本作に出会ったので非常に興奮した状況で物語に入った。『麒麟がくる』でも少ししか出てこないが魅力的だった山崎吉家が主人公とあって非常に期待は高かった。

    感想は小説としての完成度が高いのは分かるがあまり楽しめ...続きを読む
  • 大友二階崩れ
    「義」と「愛」で乱世を乗り越えることはできるのか?

    大友二階崩れという九州の雄・大友家の内紛を題材に本テーマを描く。最後の吉弘家の改易沙汰にクライマックスを迎えるものの、物語自体に起伏はなく、鑑理と鑑広の人となりの描写がほとんどを占める。義を重んじる武士は大好きだが、鑑理の義は少しずれており、泣き...続きを読む
  • 大友落月記
    大分豊後の戦国大名、大友宗麟の元、他紋衆である小原鑑之と同紋衆の実力者である田原宗亀の争いを吉弘賀兵衛(鎮信)の目から描く歴史小説
  • 決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍
    さくっと読める決戦シリーズの設楽原編。武田家滅亡のきっかけとなった織田・徳川連合軍との設楽原の闘いを7人の作家がそれぞれの時点で描いています。私的に気に入ったのは、赤神諒氏の真田昌輝を描いた「表裏比興の者たち」。
  • 決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍
    決戦シリーズ第7弾。今回の舞台は「長篠の戦い」。
    主戦場が設楽原だったということでタイトルになってます。鉄砲三段撃ちで有名なあの戦いです。

    武田側は信玄ありきだったのだなぁ、と改めて感じました。偉大な先代の影響から、勝頼も宿老たちも逃げられなかったのだなぁ、と。信玄の遺産で勝ち続け、この戦いで使い...続きを読む
  • 大友二階崩れ
    九州は豊後の大友家家臣、吉弘鑑理が、大友家内の内紛、二階崩れの変をきっかけに、義を貫く忠臣でありながら、権謀術数に絡め取られて、凋落の一途を辿るなかでの物語。正直、前半は面白い。だけど後半は、頑なに主家への義を貫こうとする鑑理が、周りが何をいおうが、義、義、義って、バカのひとつおぼえのようにいうだけ...続きを読む
  • 神遊の城

    前作までは面白かったんだがなあ

    半ばほどで読み進めるのが苦痛になってしまいました。このサカリのついた忍者たちはなんなの。非情な忍びの世界にあって、命を賭したお役目の最中でさえ愛だの恋だの緊迫感のかけらもありません。バックグラウンドとして挟まる史実パートが唯一の救いです。こっから面白くなるのかなあ。

    読了後
    ちょっと思い違い...続きを読む