深刻さの度合いが増しゆく事態の中、扉絵は本当に癒やし要素になりましたよ…
というか、最終話が近づくエピソードでも扉絵におフザケ要素入れられるって凄いな
ルカが語るダンから受けた希望と絶望。あまりに身勝手なそれはレネにも絶望を齎すものになる
なら、別の誰かが彼女に希望を齎してやらないといけないわけ
...続きを読むで
アルベールがその役を担うのは納得の展開だし、その道行きを呪いを単純に忌むべきものと捉えない者達が手助けする情景は良いね
それでこそ、呪いに絶望していたルカを変える武器を手にしていくのだと判る
生まれが呪いに満ちていて様々な苦難を味わってきた二人はそれでも呪いと共に生きてきた
だから呪いによる苦しさや痛みを感じても、互いが互いを支え合う事で乗り越えられるんだよね
でも、それだけじゃこれまでの繰り返しだから。一歩進んでレネへの「好き」を明言してみせたアルベールは男を見せたね
呪いが有っても希望を得られた二人だからこそ、呪いに囚われたままのルカでさえも希望を齎してやりたいと思う
レネとアルベールが力強く語る「呪いと共に在る人生」、それを証明するかのように呪いに関わった者達がグロワール国の救援に来る展開は呪いが一面的なものでないと証明しているようなもの
だからレネの死を前にしても、まだアルベールは希望を抱き直す余地が有る。この時、呪いの原点でありながら同時に希望の原点である親の幻想が二人の背を押す展開は良いなぁ
それどころか、レネは自分が此処に居られるのはルカが居たからだと言えてしまうのか
レネはルカによって間違いなく家族を奪われた。でもルカがダンに呪いを与えなければレネの存在が今に至る事はなかった
それはきっと呪いに希望なんて見出だせなかったルカにとって盲点のような希望だったんだろうなぁ……
そうして呪いとの向き合い方を人々が定められたなら、残る問題はレネとアルベールの恋物語だけど、それだって既に答えは出ているわけで
ここで数年後に時間が飛んでアルベールが青年になっていたのはちょっと驚きの展開
確かにアルベールがレネの恋愛対象にすぐにはならなかったのって見た目の年齢差とか大きかっただろうからなぁ…
あのアルベールがレネの背を追い越してるって色々と衝撃的
心の有り様だけでなく、隣り合うに相応しい姿形になった二人
明確に結婚する描写はなかったものの、あのアルベールがレネを大いに照れさせた様子が後日談で描かれた。それだけで二人は結ばれたのだと判る大変満足できるエピローグでしたよ!