檜垣立哉のレビュー一覧

  • 食べることの哲学
    生きるために、生きるものを食べること。
    生きつづけることは、この矛盾をのみこむことである。
    ただ、そののみこみ方はさまざまだ。

    自分が動物の肉を食べないようになってから、
    『食べること』について考える事が多かったので、
    多方面からの『食』についての考察が本当に面白かった。ただ、哲学というだけあって...続きを読む
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    イメージの力に溢れた本。力強さも繊細さも、概念的厳密さも批判的な視点も、横溢している。ベルグソンという源。デリダという対照。フーコーとの共鳴。簡単ではないが難解でもない。個体という概念の魅力と射程の深さ。三つの時間も興味深い。

    現代における切実さと切れの良さではこのシリーズ最高作。
  • 生と権力の哲学
    権力と主体をめぐって、フーコー、ドゥルーズ、ネグリ、アガンベンとその思考をたどっていく。問題設定が切実に感じられたために、記述の抽象性にもかかわらず、ぐいぐいと読み込むことができた。社会的存在としての私をどういう戦略で生きていくか、幾度も考えさせられた。
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    あまり哲学に詳しくない人がドゥルーズを知りたいと思ったらまずこれ。
    高校で倫理をやっていた程度の知識量しかない私でも、なんとか読み進めることができた。
    過去の哲学者の思想をカットしないで丁寧に説明しており、また、哲学用語(たとえば、脱構築など)にも丁寧な注釈が入る。
    これを機にがんばって哲学を学んで...続きを読む
  • 生と権力の哲学
    後期フーコーの生権力論の核心をこれほど明快に浮かび上がらせた論考は初めてである。ドゥルーズの生の形而上学にもとづく管理社会論との対質も興味深く、アガンベンの剥き出しの生や証言をめぐる議論や、ネグリの帝国論も示唆的である。むろん、生権力に対する抵抗の可能性を中心に、今一歩踏み込んだ議論を望む向きもあろ...続きを読む
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    ・何に対してであれ反対する書物は、いかなるものも重要ではない。何か新しいものに〈賛成する〉書物だけが大切である。それが新しいものを生みだすことができる。(「構造主義はなぜそう呼ばれるのか」)

    ・デリダの戦略とは、記号や言語、あるいはそれらを媒介とした解釈という仕方で世界に切り込むときに、結局は踏み...続きを読む
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    本文100ページくらいのドゥルーズの入門書。

    入門書と言っても、100ページなので、ある視点を設定して、切り込んでいく形になる。この本では、ベルクソンの批判的後継者という観点でのドゥルーズ解釈がなされている。

    で、その視点は、すごく説得力がありし、ナラティヴ・セラピー的なものを理論的な親和性が高...続きを読む
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    何年も前に書店で、青い表紙とタイトルに一目惚れした本。満を持して(うそ)、ひもといてみた。周辺哲学の知識に乏しく、書かれた内容の多くは理解できてないが、潜在的な多様体(p28)という「卵(ラン)」の概念に、ワクワクが止まらない、、!
  • 食べることの哲学
    われわれは何かを殺して食べているというフレーズに惹かれて読んだ

    カニバリズムからアンパンマンにつながって、臓器移植の話に続くところが面白かった

    ザ・コーヴは観たことがなくニュースで見たことがあるくらいだったけど、オリバーの悲しみのくだりは興味深かった(食べることとは直接関係のないような気もするが...続きを読む
  • 子供の哲学 産まれるものとしての身体
    久しぶりに哲学書に手を出してみた。(笑)

    最近長女の性格、発言、容姿などが私に似ていると旦那含めあちこちで言われるようになったが、
    なんだかそうたびたび言われることに対して心の中でふつふつと苛立つものがあった。

    「長女は長女であって一人の人間で、私は私という人間である」
    と自分自身は思っているも...続きを読む
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    ドゥルーズの思想の根っこの部分に焦点を当て、その一点を何とか伝えようとする入門書。ニーチェの「力への意志」とは結局何なのか。それをどれだけ厳密に、雲を掴むような話でなく語れるか。ドゥルーズの取り組んだことはそういうことだ、と理解したが、これでいいのだろうか。
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    僕が数年前から言いたかったこと以上のことをドゥルーズがすでに語ってくれていることだけは理解した。個人の中の多様性を積極的に発現させようとするのは、ある程度狂気を含まざるをえないことなのかもしれない。
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    そのもの自体を知ることができないという事態に対して、
    その時点の存在ではなく、
    生成変化するプロセスを中心にすえて考察、理解しようとする
    変化、流れ自体がリアルと考える。

    オートポエイシスの考え方につながっている?

    そのもの自体が分からないという事態に対する
    デリタとの戦略、方向性の対比が分かり...続きを読む
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    [ 内容 ]
    いま必要な哲学とは何か。
    「問いが解けない」という事態をどうとらえるか。
    生命科学の時代に対応するドゥルーズ哲学の核心をクリアに描く。

    [ 目次 ]
    1 はじめに―解けない問いがあらわになってくること(哲学とは何か;ドゥルーズと哲学;いまという時代 ほか)
    2 世界とは解けない問いで...続きを読む
  • ドゥルーズ入門
    ミシェルフーコーが原型をつくり
    それをドゥルーズとガタリが地球規模にまで拡大したポストモダニズム、ポスト構造主義は

    地球市民学的見地からみても非常におもしろいですううう

    ちょっとPHPで出てる「ポスト構造主義はなんだったのか」
    ってのを読みなおしてみたい
  • 食べることの哲学
    タイトル通りに食べることに関する哲学が繰り広げられる。全体的に論点は提示するし著者の主張も記載はあるものの議論はそれほど深まっていないか。わりと話が前後し、議論の軸が定まらない印象を受ける。豚のPちゃんの章は読み応えがあるかな。
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    哲学書を読んだことがなかったのでサブタイトルに惹かれ読んでみたが、メインタイトル通りドゥルーズという人のことを紹介した本だった。

    論理学的な言い回しに大学の教科書を読んでいるようで、内容は全然分からなかったけど面白かった。
  • ドゥルーズ入門
    ドゥルーズがいかにベルクソンに影響を受けたかが丁寧に整理されている。一方で新書ながらも用語が多く、入門書とはいえない。ドゥルーズを改めて別の本で読み直して再度挑戦したい。新書にする意味はあるのかしらと思いました。
  • 食べることの哲学
    食べることは本質的に自己の中に他者を取り入れる汚染である、という観点は今まで自分の中になかったので面白く感じた。Pちゃんの話、イルカ漁の話などニュースでは見つつもあまり詳しく知らなかったことについての詳細な解説もあり全体としてわかりやすかった。ただ、拒食と絶食に関してはピンと来ない部分があった。
  • ドゥルーズ 解けない問いを生きる
    たいへんかっこいい。こういうのをバリバリやれるのもいいななど思った。小伝に具体的な伝記的な話が全くないのだが、いまは浩瀚な伝記も出ていてちょっとみてみようかと思う。文庫化されるとのことだが、15年以上昔の本なんだ。お写真もだいぶお若い。