石川明人のレビュー一覧

  • キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理
    科学を世界の証拠とする社会に産まれた者として、信者の内面には何か、非科学を説明する理論を持っているのではと考え、キリスト教と戦争という一見矛盾を孕むタイトルからその理論への糸口を見つけたように感じた。
    結果として、やはりキリスト教の中にはそのようなものは無かった(良し悪しは置いといて)。
    共感より納...続きを読む
  • 私たち、戦争人間について 愛と平和主義の限界に関する考察
    ウクライナとロシアの戦争が始まってから、戦争のことを考えることが多くなった。
    戦争は悪い。戦争は人を不幸にする。それを皆わかっている。学校でも加害についてはともかく原爆や空襲などの被害については教えられてきた。戦争は良くないという本(それこそ絵本も含め)、映像などはたくさんある。
    しかし、結局それで...続きを読む
  • キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理
    「正しい人はいない。一人もいない。」(ローマ信徒への手紙3:10)

    「キリスト教こそ、戦争や異端審問や植民地支配で人を史上最も多く殺した最大のカルトである」
    「イエスの教えとキリスト教は無関係」
    「ザビエルは、先祖は地獄に落ちるのだったらなぜ、そんな有難い神様がもっと早く来なかったのか、との日本...続きを読む
  • キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理
    キリスト教なんて平和言いながら戦争しまっくてるやろ!と思っていたところに見かけたので買ってみた本。実際、キリスト教が戦争を肯定しているように読める部分もあれば、やむなく戦争した後にどう精神ケアをするのかに着目した教えもある。しかし最後まで読めば、キリスト教がどうこうなのではなく、この世を生きる人間に...続きを読む
  • キリスト教と日本人 ──宣教史から信仰の本質を問う
     戦国時代のキリスト教伝来から、禁教時代を経て明治に入って再び布教に訪れた宣教師たちの様子や、彼らから見たキリスト教に対する日本人の様子、そして実際に日本内外でキリスト教に触れた人々の教えへの姿勢を通し、「信仰とは一体何か?」を探る。
     キリスト教から見た日本史が解説されているほか、一般的にキリスト...続きを読む
  • キリスト教と日本人 ──宣教史から信仰の本質を問う
    プロテスタント系クリスチャンです。
    とても良かった。こういう本が読みたかった。

    母方がクリスチャンで父方は一般的な日本人家庭、キリスト教と一般的な日本の文化のミックスの中で育ってきた。キリスト教は宗教ではあるが、私の中では宗教というより文化。自分はキリスト教と日本文化のハーフだという感覚だ。世間で...続きを読む
  • キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理
    平和を訴えながらも、なぜ、戦争という究極の暴力をするのか?
    キリスト教の理念と現実の「矛盾」。信仰と軍事の親和性についての指摘を多くの事例、参考文献から解説する。

    時代、状況、地域、立場によって解釈も違い、「自分こそが正しい」と思って行動する、つまり「信仰」よりも「人間の本性」に行き着いてしまうの...続きを読む
  • キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理
    アーミッシュの元は再洗礼派
    原爆を投下する部隊に対して祈った従軍チャプレンもいた。
    カトリック教会は、建前としては、良心的兵役拒否は代替奉仕がある場合のみ可能という立場。
    システィナ礼拝堂にミケランジェロに絵を描かせたユリウス2世は、自ら剣を帯びて戦地へ向かう「軍人教皇」だった。
    プロテスタントも、...続きを読む
  • キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理
    キリスト教と聞くと「隣人を愛せよ」「誰かがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」と言った言葉、「赦し」などを思い浮かべ、絶対平和主義的な考え方の上に成り立っている様に思える。旧約聖書にも十戒には「殺してはならない」とある。だが実際のキリスト教とは戦争も行うし、旧約聖書の中では殺戮するシーン...続きを読む
  • 宗教を「信じる」とはどういうことか
    典型的な日本人である私は神社にも行くし、寺にも行く。だがそれは儀礼的なものだ。私にとって神は存在しても、していなくともどちらでも良い。信仰心の厚い人との会話の中で違和感を感じる事は、この世の全てを『神の采配』『神の思し召し』『神が与えた試練』といった具合に現状の起源を神に収束させる発言である。これと...続きを読む
  • キリスト教と日本人 ──宣教史から信仰の本質を問う
    膨大な資料をベースにキリスト教を核に宗教、信仰などについて、日本での成り立ちや現状の把握等、一見取りつきにくい問題を、ある程度明快に解き明かした好著だ.ザビエル、トーレス、カブラル、ヴァリニャーノと続く宣教師の行動を克明に辿っているのがよい.キリスト教弾圧の時代でも貿易に活路を見出す大名たちがいたこ...続きを読む
  • キリスト教と日本人 ──宣教史から信仰の本質を問う
    『宣教史から信仰の本質を問う』と副題にある通り、歴史の本です。ザビエルから明治までの、日本におけるキリスト教の歴史が、分かりやすく書かれています。

    「日本人を助けてくれる温かな一面を持っていたのは確かであるが、その一方で、時にはかなり面倒でやっかいな存在であったのも事実だと言わざるをえない。」
    ...続きを読む
  • 宗教と生命 激動する世界と宗教
    第一巻は未読なのですが読後感から言うと第二巻の方が面白かったですね。

    この巻はテーマに突っ込み切れていないというか議論が深まらないまま時間切れになった感じがありました。
    ただ、考えるきっかけとしては論者の方々がみんなバラバラの意見というか立ち位置なので(バラバラ過ぎる?)いろんな角度から読者もまた...続きを読む
  • 宗教と暴力 激動する世界と宗教
    アイデンティティがどこにどれだけ存在するのか、どのスタンスからそれを考えるのか、によって捉え方はそれこそ人の数だけ細分化されてしまうのではないか…というとりとめなさを感じました。
    本書を読むことによって「宗教と暴力」について自分なりの考えがまとまる?どう考えるべきか?自分の意見が持てる?と思っていま...続きを読む
  • 宗教と暴力 激動する世界と宗教
    シンポジウムをまとめる形式の対話型の本。
    なんか評価低いけど、宗教に対するいろんな視点があっておもしろかったけどなー。


    「北朝鮮だからしょうがない」「〇〇だからしょうがない」は思考停止であり分析ではない。

    「殺しあう人数が足りないから紛争が止まらないかもしれない」という分析。第三者の介入ではな...続きを読む
  • キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理
    表題の通り、最終章まではキリスト教と戦争との関係性を創立した紀元前から現代に至るまで簡易にまとめており、初学者にも分かりやすい内容となっている。
    最終章は著者の意見となっているわけだが、それがあたかも人間性への諦念のような終わり方であり、人によっては物足りなさを感じるかもしれない。

    だが、現代にお...続きを読む
  • キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理
    新書だけれどずっしりと重い。半世紀前から、聖書は読んできたつもりだった...けれど、キリスト教教徒である著者とはずいぶん読み方が違い、驚きました。日本では0.8%しかいないキリスト教徒も、世界では23億、ピュー・リサーチ・センターの予想では、2050年には29億、イスラム教徒が28億と接近し、207...続きを読む
  • 宗教を「信じる」とはどういうことか
    宗教という営みのわからなさに欧米の思想やキリスト者の言葉を通じて気づく、みたいな本。
    折角第一章で神道は宗教と言えない論についてちらほら紹介されるのに、その後は全く言及がなくなるので肩透かしを食らった気分。宗教は人間に規格を定め、その社会の構成員を標準化するための仕組みかも?って話が面白かった。神義...続きを読む
  • 宗教を「信じる」とはどういうことか
    う〜〜〜ん
    なかなか難しいというか
    書いてあることは理解できているつもりだけれど...
    この本のタイトルを見て、この本の中に答えがあるような気がして読んで見たが...
    謎が深まるというか...

    ただ思ったのは
    「信じる」事は能動的な事で、受け身なことではないと思っている。
    宗教...を信じる......続きを読む
  • 宗教を「信じる」とはどういうことか
    読んでスッキリする本ではない。
    人類の営み自体が愚かで右往左往しているからだ。
    が、以前からスゴ本ブログで教えてもらった、ハロルド・クシュナー「なぜ私だけが苦しむのか」についてしっかり書かれていて、ますます興味を持った。
    また、中島らも「今夜、すべてのバーで」で知った例の祈りのラインホルド・ニーバー...続きを読む