ブランコ・ミラノヴィッチのレビュー一覧

  • 資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
    資本主義と社会主義が想定と違いどういう形で進んだかなど、この50年の結果が素晴らしく冷静に分析、整理されている。手元に置いておきたい本。
  • 資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
    中国などの権威主義と言われる国々は、社会主義を経て資本主義化したこともあり、亜流の資本主義国家と見なされることが多い。そのため、民主主義化しない中国経済は(純粋な資本主義ではないため)早晩行き詰まるという主張があったが、鈍化しない中国経済を受けて、この主張も信憑性が疑われ始めてきた。そのような背景も...続きを読む
  • 資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
    中国を政治的資本主義と説明してこの部分がメインとして長く書かれている。植民地から共産主義から資本主義となっていった第三国が説明されているが、日本についての記述は驚くほど少ない。
     また、対処法としては、1 中間層の金融資産と住宅資産を優遇税措置をして、富裕層の相続税の増税、2公教育の予算の増額、3軽...続きを読む
  • 資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
    中国が共産主義国家なのか社会主義国家なのか資本主義国家なのか。よく考えてみたら、中国がどう、と言う前に、それぞれの定義も曖昧なままこれまで過ごしてきていた。
    それぞれの定義をある程度分かったとして、中国はどうなのか、と思ったとき、多分10年前ならまだ、それを西欧と比較して、どう、と分析したものは、そ...続きを読む
  • 大不平等――エレファントカーブが予測する未来
    クズネッツ仮説というものがある。所得水準と所得格差の関係を示したもので、所得格差、すなわち、不平等は、所得が十分に高まったあとは縮小に向かい、低い水準に留まるとしている。
    縦軸に格差/不平等の程度(ジニ係数という数値で表されることが多い)、横軸に所得水準をとり、上記の考え方に沿ってグラフを描けば、逆...続きを読む
  • 大不平等――エレファントカーブが予測する未来
    経済学の本なのだが、最終章では政治や社会の問題にも踏み込んでいる。移民、金権選挙、パワーカップル、虚偽意識…
  • 未来を語る人(インターナショナル新書)
    未来の資本主義についての識者の見解を集めた書籍。資本主義の問題点、特に格差にについてはいろいろと指摘をされているが、これだけの人たちを集めてもその解決に決定打がないということは、現況を受け入れるしかないのか。
  • 未来を語る人(インターナショナル新書)
    資本主義に対して各識者が色々な主張をしているが、中には反対するような論説もありそれぞれが論理だっているので難しい問題なのだと再認識。脱物質化で環境問題にも対応できると言っているアンドリューマカフィー氏の章だけハテナがたくさんあった。人類が利用している資源量は近年になって減ってきているという主張だが、...続きを読む
  • 資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
    俯瞰的なものの見方や、共通性とはどんなものかを実例を持ってていねいに解説してくれる。大学生のときにこのような本があったらぜひ読みたかった。もっと経済に興味を持ったことだろう。
    本書では移民についての考え方と「政治的資本主義」が興味深い。
  • 資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
    タイトルからすると資本主義礼賛本に見えるが、目次で惹きつけら得て手に取ってみた。読みにくい箇所はあるが、得るものは多かった。いまの資本主義を批判的に考察しつつ、代替がないなかで現実的な展望を示してくれる後半は読み応えあり。

    前半のアメリカ型のリベラル能力資本主義と、中国型の政治的資本主義の分類はわ...続きを読む
  • 資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
    ブランコ・ミラノヴィッチ(1953年~)は、ベオグラード生まれ、ベオグラード大学博士課程修了、世界銀行調査部主席エコノミスト、カーネギー国際平和基金シニア・アソシエイト等を経て、ルクセンブルク所得研究センター上級研究員、ニューヨーク市立大学大学院センター客員大学院教授。
    本書は、2019年発表の『C...続きを読む
  • 資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
    21世紀の現在,名目上は共産主義国家も残っているとはいえ,実質的には資本主義しか残っていない。本書では,どんな資本主義体制があるか,そしてそれぞれがどんな特長と問題点を内在しているのか,今現在どうなっているのか,を明らかにしている。学術書の翻訳本ということで読むのは非常に疲れますが,読む価値はあると...続きを読む
  • 未来を語る人(インターナショナル新書)
    <目次>
    はじめに
    第1章ジャレド・ダイアモンドいま人類が直面する危機
    第2章ブランコ・ミラノビッチ2つの資本主義が世界を覆う
    第3章ケイト・レオワース世界中の人をドーナツの中に入れる
    第4章トーマス・セドラチェック倫理と経済、どちらが先か
    第5章レバッカ・ヘンダーソン資本主義を...続きを読む
  • 資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
    人種、生い立ち、信念や動機が異なっても、
    お金や利益の話となれば、すんなりと理解する。

    リベラルな能力主義的資本主義:欧米
    政治的(権威主義的)資本主義:中国

    リベラル資本主義
     人的資本の高い労働金持ち=資本金持ち
      同類婚が不平等を強化
      アメリカの裕福な10%が金融資産の90%を保有
    ...続きを読む
  • 大不平等――エレファントカーブが予測する未来
    グローバル化によって世界的な不平等は縮小して来たが、国内の不平等は拡大している。
    日本はまだ再分配が機能しているが、労働分配率の改善が必要だと思う。
    世界的な不平等の動向が明確に示され、問題提起としてはいい本だ。