ボストンテランのレビュー一覧

  • 音もなく少女は
    原題はWOMAN
    邦題がいまひとつなのはよくあることだけど、これはなぁ。

    でもでも肝心の小説は素晴らしかったです。
  • その犬の歩むところ
    戦争や貧困で傷ついたアメリカ人の再生の物語なので、アメリカ人の愛国心や反骨精神は興味深く読めたけど、復活のアイテムに犬を使わないで欲しい。
    最後には犬がヒーローみたいな感じでハッピーエンドにしても、犬はそんなもの求めてないと思う。

    と、辛口で評価しても面白かったことは否めない。ミステリーと言うほど...続きを読む
  • その犬の歩むところ
    原題「Giv: The Story of a Dog and America」が示すとおり、ある犬-Givが人から人へと旅するのを追うことでアメリカという国、そこで起こった悲劇の歴史、そこに住む人々の魂を描いたロードムービーのような物語です。
    プロローグに「この物語は伝統的なやり方では語られない」と...続きを読む
  • 神は銃弾
    異常な暴力性と猟奇性を持つカルト教団に拉致された娘を救い出すべく、デスクワーク組の警察官の父親と、元教団の麻薬中毒者の女がタッグを組み、彼等の足取りを追い、復讐を挑む。
    プロットはシンプルながら、文体が簡潔かつ切れ味良く、独特の魅力がある。強烈な暴力・性描写の洪水で、その点パルプ小説的ではあるが、前...続きを読む
  • ひとり旅立つ少年よ
    「視線を交わしたその燃え上がるような一瞬、ふたりは一生分の思いを語り合った」
    「その犬の歩むところ」に続き二冊目のボストン・テラン。奴隷制度に立ち向かう内容それ自体も感動的なのですが、それを表現する著者(と訳者)の文章が深く心に入り込んできます。要所要所で出会う心打たれる文章を二度読みして味わいなが...続きを読む
  • 神は銃弾
    ドラッグ、暴力、SEX。
    欲望のすべてが、この穏やかな表現の下にうごめいている。

    欲望をつかさどる神はなんだ?
    伝統の神と、新参のカルト教祖が交錯する中、すべてをコントロールするのは銃弾だ。
     表現は静かで、映像的。暴力を表出させながら、深い愛を書いている。

     暴力が支配するカルトから更生を目指...続きを読む
  • その犬の歩むところ

    重厚

    重厚なスリルと感動。
    かわいそうで顔をしかめてしまう箇所もあった。
    犬の善良さがひしひしと伝わる。
    残酷だけど下品さがない。
    素晴らしい本を読んだ。
  • 音もなく少女は
    「女、姉妹、友達、母」
    イヴという名前。

    毎回手のひらから滑り落ちていく幸せを、最後にようやく掴み取るのか…と思っていたら、そうくるか。
  • その犬の歩むところ
    初読の作家さん。2018年のこのミスの8位だったのですが、ミステリ要素はあまりなかった。
    ギヴという犬をめぐってのストーリーだが、擬人化されておらず、犬目線でもなく、それがかえってギヴの存在を際立たせていたように思う。。特に犬好きではないけれど犬の存在が人類にとって素晴らしいものだと思えてくる。
    ...続きを読む
  • ひとり旅立つ少年よ
    ミステリーでは無いかもしれないが、少年の結末がどうなるのか 一気読み。
    面白かった。この時代が今に繋がっているのかと思うと現在のアメリカの悩みは深刻やなー。
    ボストン・テラン読もう。
  • ひとり旅立つ少年よ
     南北戦争前、詐欺師の父がだまし取った金を、騙した名目の通り届けようとする少年の話。

     タイトル通り「ひとり旅立つ少年」なんだけど、ゆく先々で助けられる。というか、少年というのはあまりにもか弱い。子供である以上、どうしても庇護が必要なのだ。
     そのあたりが、切ない。
     容赦なく、周りに振り回され、...続きを読む
  • ひとり旅立つ少年よ
    19世紀半ば、人種差別が横行するアメリカ。父親の負の遺産を継ぎ、贖罪の旅を歩み出した少年の物語。
    出会いと別れが少年の血肉となる。冒険小説としての躍動と、虚構と言い切れない問題意識。
    読んで良かった。
  • ひとり旅立つ少年よ
    19世紀アメリカ。12歳の少年が殺された父親の罪を償うためひとり旅に出る。奴隷運動や黒人差別が強くあるなかで様々な人たちと出会い、別れを繰り返していく。優しさに触れ、これまでにしてきたことを悔いる。そして今の自分を肯定してくれる人たち。危険な目に遭いながらも強くあろうとする少年の心がとても印象に残る...続きを読む
  • その犬の歩むところ
    ギヴ(GIV)という名の犬を巡る奇跡のような物語。テロ、戦争、災害等で疲弊したアメリカで、語り手である青年が気付く小さな、でもとても素敵なこと。数奇な運命に翻弄されながらも、誇り高く生きるギヴ。彼らを取り巻くやさしい人達。途中、何度も目頭が熱くなった。今は猫を3匹飼っているが、もともとぼくは犬派だっ...続きを読む
  • 音もなく少女は
    ナチのホロコースト、人種差別、聾学校の様子、手話でのやりとり。著者、自身がもしかして聴こえないんじゃないかと感じました。
  • その犬の歩むところ
    犬の物語。ではない。
    犬のギブと運命を共にした人たちの物語。

    彼ら彼女らの人生は様々。ギブと歩みながら、時に傷つき、癒され、助け合う。悲惨で過酷。困難が待ち受けている。

    奇跡の物語である。ラストは涙が溢れてくる。犬の純粋さ。不屈の意志。そして愛。
    ギブは素直に行動する。読者はその姿に胸を打つ。
    ...続きを読む
  • 音もなく少女は
    耳の聞こえない少女イヴと母親クラリッサ、イヴの保護者となるフランの壮絶な物語。
    希望と絶望の間を揺れ動くエピソードの積み重ねで物語が進み、女達が懸命に闘う姿に胸を打たれる。
    重苦しい話の中でも美しいタイトルと文章、そしてイヴの撮る写真が光のように感じられる。
  • 音もなく少女は
    大戦後のブロンクス、最悪な混沌とした街を物体に生まれついての不幸な運命に弄ばれる女性たちの話。家族とは、友情とは彼女たちに取って男とは何か?
    胸に深く突き刺さる小説だ。
  • その犬の歩むところ
    ギブという名のワンコのお話…
    題名買いというか、ジャケ買いしたものの積読にしてたのを読んじゃいました。
    ワンコが傍にいる生活が恋しいよ~(´Д⊂ヽ
  • その犬の歩むところ
    深い愛情を根底にした、爽やかな物語。
    ギブが引き寄せた人々が見事に絡み合い、紡がれる。犬と人間の不思議な出会いは大きな運命、目に見えない力から放たれた糸のよう。