青羽悠のレビュー一覧

  • 22歳の扉
    京都の大学に入学した田辺朔を主人公にした青春小説。いわゆる“Z世代”の話だが、旧文学部地下棟にあるバー「ディアハンツ」に集う面々はかなり時代錯誤な印象だ。
    そもそも大学の敷地内でサークルとしてバーをやるってありなのか? 20歳未満の学生が堂々と酒を飲みタバコを吸っているのだが? まあ、そういう世界な...続きを読む
  • 凪に溺れる
    一つの音楽によって様々な人の心を動かし交わり合っていく話。音楽は違う存在と思いながらもどこか照らし憧れ、共感している。
    何かに感動する気持ち、無性に心が動かされるものに助けられては縛られるような感覚を覚えたのがあったと思い出した。成長にするにつれ過去となっていくが原動力の一つだったと思った。
  • 青く滲んだ月の行方
    すらすらと読める割に入り込めない…のは、何でだったのだろう。

    各パートごとに主人公はつながっているけれど、大学に行ったことのない私は想像でしか大学生を知らない。だからこそ丁寧に描写してほしかったと、個人的願い。

    つながっているけど、読み終わったあと印象に残ったかと言われたら、大学生のサークルって...続きを読む
  • 青く滲んだ月の行方
    短編集のようで、なんとなくそれぞれの登場人物がつながっているお話。なにか事件が起きるわけでもなく、ただ淡々と過ぎていく日常。「普通の生活」を見ている感覚。いずれのストーリーも煮え切らないわけでもなく、ああ、こういうところで切れるのが人生というストーリーだよな、と感じる作品だった。
    対となる「茜さす日...続きを読む
  • 幾千年の声を聞く
    表紙デザインが鮮やかで綺麗だと思い手に取りました。
    架空の世界で、ある宗教が時代を越えて形を変えながら、人々のくらしあるいは政治に関わり存在する様子が描かれていると思います。
    ファンタジーの世界観を楽しむことができました。
    個人的に第四章からは世界観が自分の趣味でなくなり、途中で読むのをやめてしまっ...続きを読む
  • 幾千年の声を聞く
    時が流れる中で変わらない存在と、存在が消えても確かにそこに居た証。
    何を伝えんとするか分かりにくいけれど、「存在」の意味を考えさせられる壮大なストーリー。
  • 青く滲んだ月の行方
    惰性的な日々、という感じ。
    為す術なく、いつの間にか大切なものを手放してしまっていた。
    、、みたいな、自分自身を正当化するための無駄に高いプライドを持っている主人公をタコ殴りにしたいくらいイライラしてしまった。笑( -'д-)y-~
  • 幾千年の声を聞く
    個人的に難しい本だった。
    数年前に『星に願いを、そして手を。』で知った若い才能で、『凪に溺れる』でグッと心掴まれた著者の、初めての青春小説以外の作品。
    元から全般的に共感しやすいわけではなく、どこか超然とした思考や真意があり、それらを掴むまでには時間がかかる印象だったけど、今作はその感じが顕著だった...続きを読む
  • 青く滲んだ月の行方
    何者にもなれない、どう生きたら良いのかわからない、何をしても満ち足りない。"大人未満"の青年たちが悩み、もがき、時には絶望しながら生きていく物語。

    20代前半の著者が描く若者は美しく、繊細で、生々しい。著者の今後の作品が楽しみになった。
  • 凪に溺れる
    十太の心の中の暗い「凪」から、美しい音楽が生まれ、出会った人たちを巻き込んでいく。
    十太の望んだものは一体何だったんだろう。
    夢を追い続ける人の目はキラキラ輝いているものだと思っていたが、視線の先に何を見ていたのだろう。

    十太の息子には、違った生き方をして欲しい。

    尾崎豊の歌が遠くから聞こえてく...続きを読む
  • 幾千年の声を聞く
    古来に突然現れた謎の巨大な木。地球上には存在し得ない構造、一体何によって何のために生まれたものなのか、、?
    舞台となる時代が異なる5つの短編集になっていて、人々と木の関係性や生き方の変化に注目です。
    1つ目は原始的な世界で、木を中心とした信仰の中で生き、祈りを捧げる少女の話
    2つ目は木の上に建つ天文...続きを読む
  • 星に願いを、そして手を。
    幼なじみの薫、理奈、春樹、祐人は、町の科学館で多くの時間を過ごした。
    館長や奥さんの乃々さんと過ごした高校時代は、唯一無二の大切な時間だった。しかし、理奈と祐人の破局をきっかけに何となく疎遠になってしまった四人が、館長の死をきっかけに再会する。

    とてもフレッシュな作品だった。
    作者が16歳だという...続きを読む
  • 幾千年の声を聞く
    ひとつの「木」を中心に5つの時代を歩む
    完結しているようで中盤繋がりが現れる
    時が進むにつれ明かされる「木」のことや、各章の展開は面白い
    SFへの移行でついにきたか!と思ったのだけどな
  • 星に願いを、そして手を。
    古本屋でたまたま目にして気になったから購入。

    著者が16歳の時に書いた作品で、16歳でこのような作品を書ける事にはただただ脱帽。

    恐らく、ネットの世界にはもっと色々な作品が溢れていて日の目を見るのを待っているのかもしれない。

    今作は、タイトルにもあるように星が重要なテーマになっている。

    閉館...続きを読む
  • 青く滲んだ月の行方
    それぞれに悩みを抱える4人の男子高校生・大学生の物語。著者の前作『凪に溺れる』が刺さったので、本書も楽しみに読んだのだが、小説らしさは高まっていて、若い頃特有のどこか満たされない感じがよく描けているとは思ったけれども、もう一つ響かなかったかもしれない。
    「どうやったら友達ってできるんだろうね」「相手...続きを読む
  • 凪に溺れる
    十太の音楽によってつながっていく人たちの物語。凄まじい力のある音楽だったのだろう。しかし人が死ぬ話はあまり好きでは無い。
  • 青く滲んだ月の行方
    な、なんじゃこりゃあ(。•́︿•̀。)。青羽悠さんの新作というだけで期待して読み始めたのだが、内容がいまいち理解できなかった。
    5話で構成された連作短篇集で、各話の扉裏には青羽さん作の歌詞が掲載されている。歌唱・作曲とあるから動画も上がっているんだろうと検索すると、確かにヒットした。さらに真下みこと...続きを読む
  • 青く滲んだ月の行方
    「茜さす」を先に読んだので登場人物がわかり、読みやすかった。
    若者の心の葛藤。
    世の中の色々なことでモヤモヤしていて辛い。
    音楽も聴いた。
    作るの大変だったろうなぁと思う。
    企画は面白いけど、ストーリーが弱いかも。
    淡々としていて共感しにくい。
  • 青く滲んだ月の行方
    『茜さす日に嘘を隠して』と登場人物が繋がっていてそれぞれ女性目線、男性目線で作者も書かれています、、、が、まぁ『茜さす』の方は世代は違うけど同じ女性の目線で読めたし面白かった。
    こちらの『青く』はとにかく男性陣みんな固いし暗いし、ちょっと読むのしんどかったな。
    完全にジャケ買いだったけど、作者が別で...続きを読む
  • 青く滲んだ月の行方
    『茜さす日に嘘を隠して』(真下みこと)とつながる作品だとわかっていたので、2冊をならべ交互に読んでみました。この読み方、おすすめです!登場する若い年代の男性たちがどんなことを思い、日々すごしているのかを知ることができた作品だったなぁ…と思います。ラスト、大地くんはどうしているのか…気になりました。