中町信のレビュー一覧

  • 模倣の殺意
    初読みの作家さん。えらい昔の設定だなと思ったら、昭和42年に書かれたものだそうで、ほんとに昔の作品だった。確かに今や手垢のついたような叙述トリックだけど、この時代に既に生まれていたのかと思うとすごい気がする。つーか、この人がもっと有名になっててもいいんじゃないか。まぁ私が知らなかっただけかもだけど。
  • 模倣の殺意
    どう考えても自殺にしか思えない死に方をした男性が
    何故なのか、を調べていく。

    双方、調べる理由が別々ですが、最後の最後に
    ええ?! という状態でした。
    確かに言われてみれば変な感じではありましたが
    なるほどな、と。
    きちんと殺された動機も分かりましたし
    納得な状態ではありましたが、なるほど、でした...続きを読む
  • 模倣の殺意
    ずっと自分の中で、坂井正夫の人物像が明確にならないのは、こういうことかと妙に納得した。
    中田明子が好きな正夫は、犯されてる女性を助けず陰から見るか?とずっと疑問に思っていたので、腑に落ちた。

    中田明子が節約している描写が多いので金銭が関係してくるかと思ったけど見当違い!笑

    ただ、「探偵が犯人」を...続きを読む
  • 模倣の殺意
    叙述トリックのおすすめ小説を探すと、大抵紹介されている作品なので読んでみました。時代背景が昭和で、携帯電話が普及している今は書けない話だよなあと思っていたのですが、この小説自体が1972年初出しと、大分古いのですね。津久見と秋子の対面を楽しみにしていたので、最後、突然終わってしまったのが残念でした。
  • 三幕の殺意
    雪に閉ざされた山小屋が舞台だが、連続殺人ではなく、容疑者限定のためのクローズドサークル。けれど所謂フーダニットとは少し毛色が違う。容疑者たちのアリバイが次々と崩されていくのだが、それが真犯人には繋がらないという展開。個々のアリバイトリックそのものは小粒なので、短編連作のような味わい。「最後の三行」も...続きを読む
  • 空白の殺意
    最大の仕掛け(トリックとも違うのよ)がラストに来るので、そこまでは、端正なフーダニットなんて、少しらしくないかなと思いながら読んでいた。普通のミステリ読者なら、ここに絶対何かあるぞと考えるだろうディテールが、最後できれいに回収されるのが快感。作者さんのお気に入りだけのことはあります。
  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#2 告発(accusation) 十和田湖・夏の日の悲劇
    ● 感想
     非常に複雑で、様々な要素が絡みあった作品。冒頭で、鹿角容子という人物が死亡した事実が告げられる。事故とも見えるが、他殺とも思われる。容子の夫であり、刑事である鹿角圀唯が捜査をする。
     容子が死ぬ前に、容子のもと恋人で、過去に容子をひどい目に遭わせていた松口秀明が溺死していた。その溺死する...続きを読む
  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#2 告発(accusation) 十和田湖・夏の日の悲劇
    プロローグで展開されるスリリングなシーンを、そのままに受け取っちゃいけないんだろうなあ、と裏を読みながら読むのはやはり楽しい。あちこちに播かれた、違和感のあるエピソードの意味が終盤一気に解き明かされていく快感は、これこそミステリという気がする。とはいえ、何かに気付いた登場人物がそれを伝えることなく死...続きを読む
  • 模倣の殺意
    わからなかったわぁ…
    そんなに古い感じがしなかったのだが、結構前の作品でびっくり。でも、ちょっと納得。

    2人の人間が、作家、坂井正夫の死を追いかけ、調べていく。でも実は…

    よく読めば人物像でわかったかもしれないのに、残念。
    でも、やっぱり1年のズレは気づかなかったかな。
    解説を読んで、二回改訂さ...続きを読む
  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#1 追憶(recollection) 田沢湖からの手紙
     大学教授で脳外科医である堂上富士夫の妻、堂上美保が突然、同窓会に向かったホテルの側の田沢湖で、死体で見つかる。同上の妻はミステリ作家でもあり、15年前に起こった事件について調べている様子だった。
     15年前に学校で起こった殺人事件。名城貞吉という元教師が、殺害される。容疑者だった和久井俊一は、自殺...続きを読む
  • 追憶の殺意
    使い回しのトリックを一ひねりした密室に見えない密室殺人と、大ネタにプラスして、短編が一つ書けそうなアイデアを二つもおまけしたアリバイトリック。呆れるほど丁寧に張り巡らされた伏線などミステリとしては極めて高品質。一方、読み物としては読みやすい文体くらいしか褒めるところを思い付かない。発表の1980年と...続きを読む
  • 模倣の殺意
    星2.8

    叙述トリックの元祖ということで

    【良い点】
    読みやすい、一文一文の区切りが短いためとても読みやすかった

    叙述トリックにはきちんと騙された
    叙述トリックものだと知ってはいたが、騙されたいと思いながら読む派なのでちゃんと驚けて満足

    子供の死の場面、父親の葛藤を含めて、描写に涙が出そうに...続きを読む
  • 模倣の殺意
    叙述トリックとして評価が高かったので以前から気になっており、ようやく読みました。

    “7月7日午後7時の死”という作品を書いた推理小説家がそのタイトル通りの日時に服毒死。
    警察は自殺と断定するも、その死に疑問を抱いた2人の人物がそれぞれの視点から彼の死を追求していく・・・

    という内容。
    昭和47年...続きを読む
  • 模倣の殺意
    久方ぶりに本格的な推理ものを読んだ。

    40年前の作品のためか、所々違和感を感じるが内容は今でも通用するものだった。
  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#1 追憶(recollection) 田沢湖からの手紙
    書き割りじみた情景描写を背景に、個性の感じられないキャラクターが、トリックやプロットの都合で、さしたる感慨もなくパタパタと殺されていく、血も涙もない(褒め言葉)正統派パズラー。パズルに無関係なものを思いきりよく切り捨てたような作風で、今の作家さんなら大山誠一郎氏辺りを思わせる。何度も底が抜ける多重解...続きを読む
  • 偶然の殺意
    浅草リアリズム版「犬神家の一族」とでも言おうか。金持ちの祖父が残した、子孫をいがみ合わせたいかのような遺産を巡って、相続人たちが殺されていく。細かいところに神経の行き届いた、端正なミステリだけれども、作者の再評価につながった長編のような大仕掛けはなく、かなり地味。どこか書き割りじみたキャラクターも魅...続きを読む
  • 三幕の殺意
    なかなかに登場人物が多くて、関係性を把握するのが少々難しかった。誰もが怪しくかんじるけど、逆に怪しすぎる人こそ犯人じゃないんじゃないかと考えてしまうよね。

    電報をトリックに使うの、正直電報自体がよく分かってないのだけど、そういう時代だったんぁなぁと思う。

    尾瀬の水芭蕉は見てみたいです。
  • 追憶の殺意
    自動車教習所で起こる殺人事件。人間関係が曲者。密室とお馴染みの時刻表トリックと、なかなか読み応えあり。
  • 空白の殺意
    「〜の殺意」シリーズ、なんで「空白?」と思いつつ…
    高校野球にまつわる不祥事絡みの殺人事件。なんとなーくで犯人を想像できてしまう感はあるのだけど、すごく読みやすい!
    でもこういう理由の殺人って、なかなか実際には起こしづらいよなぁと思ったり…
  • 天啓の殺意
    叙述トリックは叙述トリックだと明言することがネタバレだったりするが、さすがにこれはもういいかな、と。帯とかでも散々煽ってるし。さすがに古い作品なので、今の読者の多くは仕掛けに気づくんじゃないかと思いますけどね。それより気になるのは謎のリーダビリティ。普通、この手の(見の蓋もなく言えば)トリックだけの...続きを読む