中町信のレビュー一覧

  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#2 告発(accusation) 十和田湖・夏の日の悲劇
     徳間文庫による故・中町信氏の復刊企画、「死の湖畔三部作」の第2弾が刊行された。第1弾に当たる『田沢湖殺人事件』の復刊から約1年が経過。今回は『十和田湖殺人事件』だそうです。もっと早く出るものだと思っていたが、早速読んでみる。

     騙しの派手さという点では『田沢湖殺人事件』が上かもしれないが、本作も...続きを読む
  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#1 追憶(recollection) 田沢湖からの手紙
    昔ながらの旅情トラベル本格ミステリー復刊。現在と15年前の事件が交錯していき… #死の湖畔 #追憶

    ■あらすじ
    脳外科医である主人公は、田沢湖で妻が亡くなったとの連絡を受ける。同窓会に出席していた妻だったが、どうやら学生時代の殺人事件の真相を追っていたようだ。過去と現在の事件が重なり合っていくうち...続きを読む
  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#1 追憶(recollection) 田沢湖からの手紙
    後期作品と初期の復刊作品読んでいるからこそ言えますが、やっぱり人がバタバタ死にすぎ。
    とはいえ、この作品はミステリの面白さを十分味わわせてくれています。
    最初の死の意味あいを考えながら展開の二転三転はめちゃくちゃいい。
  • 死の湖畔 Murder by The Lake 三部作#1 追憶(recollection) 田沢湖からの手紙
     故・中町信氏は、多数の著作を残したものの、現在ほとんどが絶版である。一部作品が、改題の上創元推理文庫から復刊され、ミステリ好きの間ではちょっとした話題となったが、徳間文庫からも復刊が進んでいるらしい。

     本作は1983年に『田沢湖殺人事件』として刊行され、今年1月に改題の上徳間文庫から復刊された...続きを読む
  • 追憶の殺意
    自動車教習所で起きる連続殺人。とくに、鍵のかかった教習棟で起きた殺人は、時間的にもアリバイがある人ばかり。アリバイトリックとしてかなり精密に作り込まれた作品。時代的な古さは感じるものの、最後の解決編は読みごたえがありました。
  • 三幕の殺意
    昭和40年の12月、雪に降り籠められた尾瀬沼の湖畔にある山小屋の離れで日田原という男が殺害された。山小屋には複数の泊まり客がいたが皆日田原と因縁があり誰が犯人でもおかしくない。客の一人、刑事の津村が中心になって聞き込みが始まるが犯行時刻がまず曖昧で皆のアリバイだけでは犯人が絞れない。真相は?泊まり客...続きを読む
  • 天啓の殺意
    読者を謀ることを目的に書かれた作品
    トリックが読者に対して施されている
    というか、これって反則じゃない?
  • 天啓の殺意
    推理小説作家が問題編を書いたあと、リレー形式での連載を提案。解答編を別の作家にという趣向だったが、問題編が実在の事件を前提としたものであることがわかり、また、関係者が次々と殺されていく。
    ヒントがちりばめられており、これだと思って読み進めるが、どんでん返しの連続。このスタイル好きですが、振り回されて...続きを読む
  • 天啓の殺意
    犯人当てリレー小説を残して消えた作家。そしてその内容の謎を探る編集者明日子。
    もしや犯人は…?と真相の直前で気づき、真相編を読んで、叙述トリックなるほどーと思わされた。途中で気になってたところもちゃんと伏線回収されてたし、面白かった!
  • 三幕の殺意
    「~の殺意」シリーズの4冊目でしたが、本作は、いろいろな人間から恨みを買っている人間への殺意をもっている人達が一同に山荘に集結し、その恨みを買っている人間が殺され、誰が犯人なのか?というのを推理する展開でしたが、犯人解明のポイント(犯人にしか知り得ない情報)や動機というのが、なかなか秀逸で、最後のオ...続きを読む
  • 天啓の殺意
    模倣の殺意に続き作者もので読んだのは2冊目となりましたが、本作はリレー小説という作者と編者者との会話からスタートし、なんとなくは感じていた本ならではの展開というか、これはリアルな展開なのか?それとも本に書かれている内容の話なのか?というところがトリックになっていて、それが分かってしまうと自然と犯人も...続きを読む
  • 天啓の殺意
    本屋で偶然見かけた本。本格ミステリ、どんでん返しものはまず犯人が当てられない私はまんまと騙され、意外性に驚いた。ただ、推理小説を読み慣れていない人や昔ながらの時系列推理小説に頭が慣れていないと良く整理できず、
    結果トリックの隠れ蓑になってしまうのかな、と。リズムが良くページをめくる手が止まらないこと...続きを読む
  • 天啓の殺意
     故・中町信氏は、多数の著作を残したものの、現在ほとんどが絶版である。一部作品が、改題の上創元推理文庫に収録されている。

     1982年に『散歩する死者』という題で刊行された本作も、そんな数少ない作品の1つ。書店で平積みされていたのを見つけて、手に取った。自分が中町氏の作品を読むのは初めてではないし...続きを読む
  • 天啓の殺意
    表紙や中表紙に読者への警告があり、なかなか挑戦的だなと思いつつ、それならトリックを暴いてやろうと意気揚々と読み始める。
    流れるような展開で犯人候補者も次々と変わり、ページを捲る手が止まらない。ちょっと古風な言い回しも味があっていい。
    結局、3/4くらい進んだところでやっと全体のトリックに気付き、犯人...続きを読む
  • 天啓の殺意
    うーん、フェアじゃないような気がするなぁ。
    「あーあのパターンじゃないのね」と読んでたらそのパターンでした、みたいな。
    もう一度読み返してみたい。それがいつになるかわからないけど。
  • 空白の殺意
    作者あとがきで、「『皇帝のかぎ煙草入れ』のような作品」と書かれていたので、共通項を探しながら読んだが、心理的なトリックが用いられていることを指しているのだろうか。「皇帝のかぎ煙草入れ」で使われている、あのトリックが形を変えて使われているのかと思ったが、そうでもなく、騙し方としては叙述系と感じた。トリ...続きを読む
  • 天啓の殺意
    やられた!こういう仕掛け小説、久しぶり!
    推理作家が編集者にもちかけたリレー小説の企画。しかし編集者に渡された原稿は、半年前に起きた事件をそのまま書いたものだった…!ってのが大筋なんだけど。小説の構成の大半を占めていたのは、実はその作家の原稿で、真実はその後明らかにされるという巧みさ!
    そして多分、...続きを読む
  • 空白の殺意
    良いじゃないか、中町 信!
    作者がイチ押しの自信作だけあって、うん、たしかに満足できた。甲子園を目指す学校同士の醜い思惑をバックボーンに、女子生徒の死、女教師の自殺、野球部監督の毒殺と立て続けに事件が起きる。
    様々なエピソードを枝葉にして物語は進むが、なかなか容疑者が特定されず、容疑者らしき人物が浮...続きを読む
  • 空白の殺意
    お気に入りのミステリ作家の一人,中町信の代表作の一つ。もともとは,1980年に「高校野球殺人事件」として発表された作品。2006年に創元推理文庫から「空白の殺意」と改題されて出版されている。
    先に,折原一などによる最近の叙述ミステリを読んでいるので,それらを読んだうえでの評価になるが,中町信の作品は...続きを読む
  • 追憶の殺意
    やはり、この本のトリックも凝りに凝ったものだった。この著者のトリックは派手さは無いが、真相を知るにつれまるで自分もストーリーの中の一人物であるかのような気持ちになるのが不思議な魅力。
    良い推理小説と出会った時に思うのはリアルタイムで楽しみたかった!と、いうこと。著者はもう他界している事が残念でならな...続きを読む