夏目琢史のレビュー一覧

  • 江戸の終活~遺言からみる庶民の日本史~
    遺書を書いた人の家庭環境まで考察しており面白かった。
    父母は戦国時代を生き、その経験を聞いた遺書の作者がどう生きただろうか。戦国に比べれば平静の世とは言え、打ちこわしや一揆という動乱の中感じたこと。
    遺書が書けるくらいに恵まれた人なので、この本の登場人物は、遺書を残した人はある程度地位が高く、金があ...続きを読む
  • 井伊直虎 女領主・山の民・悪党
    NHK大河ドラマの主人公に抜擢されながら、その名を直接確認できる公の史料がたった二点のみという、恐らくは同番組の歴史物史上最もマイナーな存在といえる井伊直虎。本書は同女の負った宿命に纏わる3つの謎を呈示し、序章で直虎の活躍した時代とその生涯を紹介しながら、終章でそれを解き明かすかたちで論が進められて...続きを読む
  • 井伊直虎 女領主・山の民・悪党
    御多分に洩れず、今年の大河ドラマの主人公ということで読む。正直どんな人なのか知らなかった。何せ、読み方も女性という事なので「なおこ」と読むのかと思っていたくらい。

    筆者は地元出身の若い歴史学者らしいが、中々スリリングな論考で楽しい読者ができた。所々で、強引な論考も見られ、筆者の歴史観が押し付けられ...続きを読む
  • 井伊直虎 女領主・山の民・悪党
    今さらながら井伊直虎のことをあまり知らないなと思い、手に取った1冊。
    前半で直虎の人生を概要し、後半で作者なりの直虎に対する見解を述べている。
    個人的見解で申し訳ない+大河ドラマの方を見ていないので恐縮なのですが、よくぞ大河に出来たなというのが率直な感想でした。これで大河??いや、もちろん作者の「山...続きを読む
  • 井伊直虎 女領主・山の民・悪党
    今更ながら2017年の大河ドラマ(といっても12月現在、もうすぐ終わってしまうけど)井伊直虎について現実世界ではどんな感じの人だったのか気になったので読んでみた。この本は1、2章立てになっていて、1章では井伊直虎の生涯、2章ではタイトルにもある山の民や悪党などを絡めた著者の持論が展開されていた。
    ...続きを読む
  • 井伊直虎 女領主・山の民・悪党
    大河ドラマにあわせて、「井伊直虎」という人物を学ぶ。筆者は地元出身の若手の研究者。

    史料をもとに直虎の生涯を追ったあと、井伊氏は「山の民」「悪党」であるとの論を展開している。大きな視点で「直虎」を、歴史の中でどう位置付けようかとする試みであり、ただの人物伝になっていないところがおもしろい。

    筆者...続きを読む
  • 井伊直虎 女領主・山の民・悪党
    個人的に井伊谷や気賀に縁があり、高殿円の「剣と紅」も以前読んだ。

    本書に書かれた次郎法師=直虎の曽祖父の井伊直平から始まりその4代後の直政までの井伊一族の盛衰は、大大名に翻弄される地方豪族としては典型的なものだろうし、直虎が大河ドラマの主人公にならなければ本書は書かれなかったかもしれない(少なくと...続きを読む