齋藤可津子のレビュー一覧
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想像以上に良かった。途中、読むのが辛くなる時もあったが、このままで終わるわけがない。この3人の女性たちがなんとか立ち上がるに違いないはず、と思って読み進めた。そのせいもあって、つい先へ先へと読み急ぐ傾向にあった。
インド、イタリア、カナダ。どの国のどの女性も今の私とは程遠い感じもするし、状況は勿論違...続きを読むPosted by ブクログ -
インド最下層カーストの女性、イタリアの人毛ウイッグ工場を経営する父のもとで働く女性、カナダでパートナー弁護士を目指すシングルマザーの女性。
この3人の不遇な境遇・理不尽な差別・突如降りかかる災難を通して、先の未来に見えるものが問われているかのような小説だった。
特にインドの最下層カーストの生活の描写...続きを読むPosted by ブクログ -
簡潔な文で映像が浮かぶ。女性を、というのがやや鼻につくけど、自己再生と周りの人を助ける、というテーマを一気に読ませるスートリー仕立てはなかなかです。Posted by ブクログ
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先日、ウクライナのゼレンスキー大統領が平和公園を訪問したことにより、『ちびまる子ちゃん』の放送が中止になりました。すると、『ちびまる子ちゃん見ないと日曜日が終わらない』『楽しみにしている子どもの気持ちも考えて!』なんて声がTwitterにあがったようでネットニュースになっていました。日本って平和だな...続きを読むPosted by ブクログ
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教師を辞め大好きだった同僚でもある彼が行きたがっていたインドへ行く
インドで溺れかけ助けてくれた少女にお礼がしたいと思い少女のもとへ行くが
少女は学校へ行ってなく、文字が書けない
さらに家の店の手伝いを朝から晩までさせられてる
女だからという理由で学校に行けない女子たちのために学校を作る
なぜ、...続きを読むPosted by ブクログ -
レティシアさんの3作目、
相変わらず、とても良かった。
レナ、ラリータ、プリーティ ー 絶望の淵を経験してきた3人の女性。恋人に先立たれ、両親と離れ離れになり、出産で母子共に命を落とした姉がいた過去。
打ちのめされながらも、力強く前進していく3人はすごい。
インドの過酷な格差社会の中で、最下位...続きを読むPosted by ブクログ -
前作「三つ編み」に続く作品。インドの不可触民・ダリットの母娘のその後が描かれていました。
元教師のフランス人女性・レナが海辺で少女・ホーリーに命を助けられたことで物語は大きく展開します。
そしてホーリーが助けを求めた相手 「レッド・ブリゲイド」と呼ばれる女性のための護衛組織。そのリーダーを務めるプ...続きを読むPosted by ブクログ -
世界の女性の生きづらさを、改めて考えさせられる本だった。いつの時代も強く闘う女性達の姿に、勇気とパワーで満たされた。受け継がれる正義感。
読み終えた後、暖かい感情が全身を駆けめぐり、しばらく涙が止まらなかった。
強い勇気をもらえる一冊。ずっと持っていたい本。Posted by ブクログ -
気になっていたコチラの作品。
女性に圧倒的不利な社会で逆境に立ち向かう3人の女性が世界を舞台に、交互に綴られています。
「インド」不可触民の母親
「カナダ」毛髪加工会社で働く女性
「カナダ」シングルマザーの女弁護士
壮絶な現実。女性蔑視や身分制度による差別は、人の尊厳どころか命をも簡単に奪ってしま...続きを読むPosted by ブクログ -
様々な状況下で追い詰められている女性たち。
それぞれが狭い世界で苦しんでいるのだが、外に目を向け、踏み出すことで扉が開かれていく。
他国に依存するのはよくないという論調が強まる中で、世界がつながっているって素晴らしいと感じられる物語だった。Posted by ブクログ -
インド、イタリア、カナダに住む3人の女性の物語を三つ編みのように交互に語っていく形で進む。
一見3者は交わらないかのように思えたけど、最後には「髪」を通じてつながっていく。
特にインドのスミタ・ラリータのようなダリット(不可触民)の生活や現状がかなり酷く目を覆いたくなる。結婚したら全ては夫のもの...続きを読むPosted by ブクログ -
『何があろうと、人生は続く。』
主人公でフランス人のレナ、レナを救い教育機会を得ることができたラリータ、現地で闘うプリーティ。
女性達の奮闘、そして残酷な現実の中でも希望を求め信じて進み続ける姿はただ感動だけではない力強いメッセージが込められている。
男性として生まれて、日本で生きている自分自身は...続きを読むPosted by ブクログ -
一貫して女性の権利問題をテーマにした作風のレティシア・コロンバニ。『三つ編み』『彼女たちの部屋』そしてこの作品と続く。三つ編に登場したインドの最下層の女性。その女性の娘が主人公と関わることから物語は始まる。
「女に勉強はいらない」はらわたが煮えくりかえる!
それは日本の医学部入試の女性差別とも地続...続きを読むPosted by ブクログ -
フランスから来た元教師と、被差別階級の女性、少女、3人の交流から南インドの村に、学校ができる。
エゴや自己満足ではないか、これが正しいのか常に選択を省みるレナ。異なる文化、立場へと関わる覚悟と、連帯の心強さがあたたかく描かれていた。
前2作と同じく、社会問題から目を背けないのに、読み心地が軽やかに...続きを読むPosted by ブクログ -
インド、イタリア、カナダ、3つの国で、年齢も立場も異なる3人の女性が、意志を貫く様子に、希望が編まれる物語。
結末の後に心配がないわけではないけど、それでも明るい未来を予感させる結びが爽快。
物語の描く、直接連帯できるだけじゃない、離れていても相手を知らなくても繋がっている可能性…本当に素敵。
解説...続きを読むPosted by ブクログ -
現在のパリで困難を抱える女性が身を寄せる女性会館の様子と、100年前のパリで会館設立に尽力する様子を交互に描く一作。
抱える困難は違っても、連帯できる。時代や立場が隔たっていても手を差し伸べる勇気は、変わらない。Posted by ブクログ -
インド、イタリア、カナダの女性たちが髪で繋がる。フェミニズム本と言えるけどお話としても面白い。気軽に読めるし勧めやすい。
各国で女性が置かれている状況がよくわかる。東京に近いのはカナダかな。キャリアを続けるために時には命を削って食らいつくしかない。インドに比べたらマシだけど、先進国の女性も大変なんだ...続きを読むPosted by ブクログ