神里達博のレビュー一覧

  • 没落する文明
    縦(時間軸)に横(位置)に広範囲に渡って展開。東日本大震災は歴史上大きな転換点となっていることが分かる。
  • 文明探偵の冒険 今は時代の節目なのか
    本屋でパラパラめくって気になって買ってみてよかった。今年読んだノンフィクションのなかで今のところ一番面白い。
    ただ、どんな内容の本かと問われると難しい。実際、このタイトルと帯で本の内容を想定すると科学と歴史についての本なんだろなぁ、というくらいだ。あと、ある程度、教養があった方が間違いなく楽しめるほ...続きを読む
  • 没落する文明
    難しいかなと思ったけど読みやすい。震災以降の日本の行く末を歴史や哲学を用いて考察している。おもしろい。
  • 没落する文明
    自然環境やエネルギーの観点から社会や文明の成立を考えることが主要テーマとなっています。内容を少し挙げると、、、

    ・日本人は地震や火山噴火といった大災害が所与の条件である場所で暮らしており、天災が時の権力や社会体制を破壊或いは卑小化してきたという側面がある(日本の中央政府は古来意外に弱い)。
    ・天災...続きを読む
  • 没落する文明
    ○日本では決定が特定の人間やグルー ブによって明示的になされないので、責任ということもなかなか問題になりません。
    ○日本には予期せぬ災害によって社会体制を切り替えるような文化的なDNA
    がある。自然災害が権力の代わりになってしまっている。日本には自然主義的アナーキズムみたいなDNAがある。...続きを読む
  • リスクの正体 不安の時代を生き抜くために
    朝日新聞で掲載されてきたコラム「月刊安心新聞」を分野ごとに並べ直して纏めた一冊。感染症、自然災害、ネット社会、食の安全などなどリスクや安全・安心に関わる様々なテーマを取り上げている。コラム集なのでどの項目も4ページで纏まっており読みやすい。安心やリスクについて考える際に非常に役に立つ本である。高校生...続きを読む
  • リスクの正体 不安の時代を生き抜くために
    朝日新聞の記事で読んだ記憶のあるものもかなりあったが、このようにまとめて読めるのも楽しめる.リスクという観点から「感染症のリスク」「自然災害と地球環境のリスク」「新技術とネットワーク世界」「市民生活の安全安心安心」「時代の節目を読む」と分類していたのは、読者としては捉えやすい構成だと感じた.”安全安...続きを読む
  • 文明探偵の冒険 今は時代の節目なのか
     時代の節目と入った何を持ってそういうのか。今まで思ったこともなかったのでこの本を読んで衝撃を受けた。一風変わったテーマを取り上げているのが今回の本。

     「今日の運勢」人気の謎では、「暦」同様、依存することによって自分で何をするか決断する負担が減る。その一方で責任を他者にゆだねることにもなると指摘...続きを読む
  • 没落する文明
    エネルギーのポテンシャルを使い果たすと文明は失速する。あたらしいテクノロジーが出てこなければブレークスルーもない。そうするとしばらくは停滞する、というか没落する。そして日本は古くから災害で攪乱されて変化を起こしてきた。となればいまは、まさにそんなときではないか。傘を発明したから天気を気にする必要が出...続きを読む
  • 没落する文明
    資本主義は成長をし続ける宿命にある。
    資本主義を加速させようとする人はそのことをよく理解している。
    そしてそれに異を唱える人をナイーヴのように評価する。

    しかし実のどころナイーヴなのは無批判に資本主義に乗っかったままの人だったりする。

    資本主義は構造的に早晩限界を迎えることを理解していないのだ。...続きを読む
  • 没落する文明
    3.11に起きた地震と大津波は、私たちの生活が自然環境という、人間の力ではどうにもならない条件のもとでかろうじて成り立っていることを再認識させた。
    国家と資本主義の構造を原理的に問い直してきた哲学者 萱野稔人と、リスクと社会の相互作用を論じてきた科学史者 神里達博が、天災、テクノロジーなどについて、...続きを読む
  • 没落する文明
    対談本なのですっと読み切れてしまうがなかなか面白い指摘が多い
    長いスパンで日本史(といっても有史より前も含むが)を見ると大災害が歴史的変換点の起点になっている、ということか。
    日本では革命の代わりに大災害が起こっている感じが近いのか。
    大災害にさらされてきた日本人はその無力感により基本的に反権力であ...続きを読む
  • 没落する文明
    地震や火山活動、台風などによって日本の統治システムが瓦解していくことは、実は珍しいことではない。江戸幕府が倒れたのも、黒船よりも安政の大地震によって既存の統治機構の信頼性が揺らいだからと言われている。

    果たして、東日本大震災後の日本社会はどうだろうか。誰も今の政府の言うことなんか信じちゃいない。そ...続きを読む
  • 没落する文明
    景気循環だとか、資本主義の限界だとか言われている今日この頃ですが、
    そんなスケールの話ではなく、
    今の化石燃料をベースとした文明の終わりを
    我々は、今まさに経験しているのだということを、
    萱野氏と神里氏が対談で確認している。

    萱野氏の超マクロな視点と
    神里氏の科学史的視点が、
    今まさに転換点である...続きを読む
  • 没落する文明
    ⒊11をモチーフに成長社会から縮小社会へ。徳川幕府の始まりも同じであるが、いろんな意味でのエネルギー転換を拡張から別の方向へ持って行くことで新たな文明を作り得る、拡大することが必ずしもよいことではないと説いてます。
  • 「専門家」とは誰か
    専門家とジャーナリズムの比較等があった。討論ではなく大学の研究者がそれぞれの専門において専門家について述べたものである。
     学生にとってはあまり役に立つものではないような気がする。
  • 「専門家」とは誰か
    隠岐さやかさん、瀬川至朗さんの論稿が面白かった。
    隠岐さんの論稿は、近代フランスにおけるprofession(法律家・聖職者・医師等の、特定領域での公的判断を行う者)とexpert(個別領域における技術的な助言を行う者)の関係性を取り上げ、expertがどのように地位を確立していったかについて文献に...続きを読む
  • リスクの正体 不安の時代を生き抜くために
    コラムという枠組みによる読みやすさと、企画趣旨としての一種の提言を落とし所にしている小気味よさはあるので、更に深く学ぶきっかけとしては。
  • リスクの正体 不安の時代を生き抜くために
    仕事上のリスクにどのように対応すればよいかというヒントになると良いかなと思って購入した本。

    豚コレラ、火山、外交、マスコミ、水源など、新型コロナ以外についても、様々なことについて考えさせられた。
  • リスクの正体 不安の時代を生き抜くために
    ●→引用

    ●「宙づりの日々」 「その日」が来る前に
    ●26年ぶりに日本に現れた豚コレラ 人類の環境開発とウイルスの出現
     振り返ってみれば、狂牛病、鳥インフルエンザ、また口蹄疫と、近年、世界中で家畜の伝染病が繰り返し問題になってきた。それは結局のところ、人類が環境開発によって自己の領域を拡大させ、...続きを読む