アマルティア・センのレビュー一覧

  • 貧困と飢饉
    貧しい国も貧しいうちは保健と教育に投資した方が良い。「(貧しい国が保健と教育に多くを支出する余裕があるのか)多くの貧しい国々――スリランカ、中国、コスタリカ、インドのケーララ州他――がまさしくそれに成功したという、実証的な事実について述べるだけではなく、裕福な国より貧しい国の方が公衆衛生・医療サービ...続きを読む
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由
    1998年にノーベル経済学賞を受賞したインド人経済学者、アマルティア・セン氏の主唱している「ケイパビリティ・アプローチ」の概略が分かる本でした。センは人間の福祉の指標としてGDPや富、効用、幸福度を用いるよりも、各人のケイパビリティに着目するべきだと主張しているわけです。まずこれは訳者自身が冒頭およ...続きを読む
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由
    > よりたくさんの選択肢を持っているということが、常に、その人がしたいことをする自由を広げることには必ずしもならない。

    「この文脈で重要な多様性はなにか」が大切。そうでないと、人間の多様性のために大きな差を生み出すことになる。ハッとする。
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由
    福祉、貧困対策などを考える上で基本的な考え方となる人のうち、割と新しい部類に入る人。
    数値化して捉えることが困難な貧困を、ケイパビリティとかいう、その人たちが望むものを得るためにアクセスすることのしやすさと定義した。
    例えば所得が低くても、田舎で自給して芋食って満足している人は貧しくないし、所得があ...続きを読む
  • 不平等の経済学
    本書はアマルティア・センによる不平等の考え方を数理的アプローチも交えて比較的厳密に論じた本である。経済学における不平等の考え方を記した上で、それを徐々に拡張して議論している。
    ひとえに不平等と言ってもさまざまなベクトルでさまざまな形態があり得るために、不平等の何が問題かを捕らえるためには多角的な分析...続きを読む
  • 不平等の経済学
    今一番有名な経済学者(というか思想家?)の一人ではないか。
    シラバスにセン教授がどーたら書いてあったから、はるばる農学部まで行ったのになんか期待はずれだった。授業が。
  • 貧困と飢饉
    飢饉を定義から問い直し、飢饉を一般的に・単純に考えられる食料不足からもたらされるものではなく、権原(自分が所有するもの、交換可能性)によってもたらされるという着眼点は斬新。権限は単なる所得や購買力ではなく、雇用制度や社会保障、相互扶助など公共政策も重要。1つの現象を定期から問い直し、その原因やメカニ...続きを読む
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由
    センのcapability approachに関して学ぶとするなら、最初の本になりうるかも。
    "福祉の経済学"に比べて、数式はほぼない。
    また、具体例が多い。
    思想がよく伝わってくる。
    なぜ?の部分が。

    生み出した富の量の合計で国の豊かさを評価すると、
    個人の差や、上位のお金持ちの富の和で打ち消さ...続きを読む
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由
    貧困は人間の選択肢がはく奪されている状態。極度の貧困により、栄養状態が悪い。雨風をしのげる家がない。予防可能な病気にかかる。早死にする。読み書きができない。部族紛争で負傷して体が不自由(身体障がい)になる。財を活用して生活の質を高める力がなければ、財を平等に分配されたとしても、それを充分に活用できな...続きを読む
  • 貧困と飢饉
    インド生まれ、1998年にノーベル経済学賞を取ったアマルティア・センの著書。
    「飢饉」が何故起きるのかと探り、食料総供給量の減少によるという従来の通説(FAD)を、原因としてそれだけでは説明できないとして退け、或る階層の人々が食料を手に入れる権原が損なわれるためである、という自説を展開する(権原アプ...続きを読む