伊藤朱里のレビュー一覧
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連作で綴られていく、それぞれの「事情」。みんな生きていれば何かしら「事情」がある。それはわかっている。だから同情してあげなきゃ、味方してあげなきゃ、納得してあげなきゃ、許してあげなきゃ、と思うけど、そんな余裕なんかどこにもなくて。あげて、あげて、お返しに、わたしは何がもらえるの?「事情」があるのはお...続きを読むPosted by ブクログ
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この登場人物は私だ、と思いながら共感して別の登場人物を羨ましいと感じながら読み進めていたけど、タイミングと環境が違えば誰しもどの登場人物にもなり得ると気付いてぞわっとした。それなら私は私でいいという気持ちになった。Posted by ブクログ
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読み終わったあといろんな感情でぐっちゃぐちゃになった。そして余韻がいつまでも続く。
すっっごい。
特に最後の祈りがほんと、どうしようもないやるせなさと絶望感を抱きながらも、祈りという行為が唯一の救いに見えて。明るい光は無くても、ただの陰鬱なお話で終わらせない。
副題の”forget, but nev...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルに惹かれて手に取ったが、各章の女性の何処かしらには共感してしまい、後ろめたいのにページを捲る手が止まらなかった。
物語の終盤において、須藤さんは働かなくても庇護される立場だから、聖人のように赦すことができたのでは、と最初少し思ってしまった。(そんな自分を嫌悪してしまう…。)
だが、作中で...続きを読むPosted by ブクログ -
すごく面白かった。
陰湿で暗くて、人生うまく行ってない人の話ばかりなんだけど、ところどころ心にグッとくる話だった。
とことん心の内側を掘り下げた感じ。
また違う作品も読んでみたい。Posted by ブクログ -
再読!県税事務所に勤める年齢も立場も異なる4人の女性たちが織りなす連作短編集
あまりにリアルすぎてヒリヒリしながら読んだ
どんな人でも何かを絶対抱えていて、私自身も経験したことのある過去の仕事のトラブルや嫌な気持ちをつらつらと思い出した
”県税事務所”という場所柄相手をしなければいけない人たちもまた...続きを読むPosted by ブクログ -
過去と他人は変えられない。
変えられるのは未来の自分だけ。
という言葉を思い出しました。
あなたのためを思って、を振りかざされても、相手はそれを望んでいないことだって大いにある。
勝手に向けた恩を相手から回収することを生き甲斐にされても困る。与えるなら、最後まで自己責任で。
でも、
他人をどうで...続きを読むPosted by ブクログ -
この本を読めて良かった!が読後すぐの感情。
『名前も呼べない』と『お気に召すまま』。
前者は固定観念をやられた。
そして後者が特に好き。
主人公(美波)の心情に共感する。
どちらの作品も表現が好きだったので、
伊藤朱里さんの他の作品を読みたい。Posted by ブクログ -
死ぬまで自問自答して、自分の中でああでもないこうでもないを言い合っていくのだろう。
自分を甘やかす声と糾弾する声、その他いろんな声と仲良く向き合っていかなきゃならない。Posted by ブクログ -
出来の良し悪しは分からないが、すごく好きな作品。杏梨の家族の話が特に心をめちゃくちゃにした。終盤の杏梨の母親やマリーの描写、それから氷の女王の言葉に泣いてしまった。最近の作品では久しぶりだと思う。ぜひ再読したい。Posted by ブクログ
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自分は染川さんや須藤さん側の、誰かに尻拭いをしてもらっている側の人間なので、読んでいて居た堪れなくなった。
分かりやすいパワハラセクハラじゃなくても、
善意でやっていることが
誰かにも負担を強いているかもしれない…
めんどくさ‼️‼️‼️‼️‼️‼️
職務
+
それぞれの立場を考えて
バランスを...続きを読むPosted by ブクログ -
この物語の終着点とキーマンに気づいたとき、肌寒く感じた。なかなか最後までたどりつくのが難しいかもしれないけど、ハッとさせられる瞬間がある。作家さん本当すごい。
パワハラやセクハラを受けた人なら、読んだときにつらくなってしまうんじゃないかと思う。私は気持ち悪くなった。ただ単に、電車に揺られて酔ってし...続きを読むPosted by ブクログ