名前も呼べない

名前も呼べない

1,430円 (税込)

7pt

恋人と過ごした不貞の日々。世間の外側で生きる、ただ一人の親友。毎週、同じ時間にかかってくる母親の電話。ちらつく父親の記憶。知らない誰かが奏でるピアノの音。──すべてが澱のように、少しずつ心に沈殿してゆく。「ねえ、私、どうしたらよかったんだろう?」第31回太宰治賞受賞作。「変わらざる喜び」改題。書き下ろし「お気に召すまま」収録。

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名前も呼べない のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    【名前も呼べない】
    「どうしてそうなの、どうしてこうじゃないの、どうしてああなの、どういうことなの。答えられなければ歩くことも許されないのよ」

    『私は単なる愛人じゃないと、多少なりとも役には立てているんだと、思いたかった。正しい場所に帰っていくための、潤滑剤として。』

    『誰のために笑ってるの、と

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    2018年04月21日

    Posted by ブクログ

    伊藤朱里さんは「クライマックスの会話シーン」がいい。この作品もそうだった。
    表題作のほかに「お気に召すまま」という書き下ろしが収録されている。こちらの作品の方が好きだった。ベッドの下に隠れるエピソードが印象的で、最後の会話シーンは力強かった。

    0
    2022年07月08日

    Posted by ブクログ

    表題作は恵那を取り巻く様々な人たちのやや異色の関係が交錯する.退職後に開かれた飲み会で宝田主任に子供が生まれたことを聞かされて驚く恵那を罵倒するメリッサ.恵那は宝田の妻亮子にピアノを習っていたが,微妙な関係になっていた.メリッサは実は男で女装して活動しているものの本職は保育士.恵那と宝田の会話,メリ

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    2016年12月04日

    Posted by ブクログ

    太宰治賞の表題作も書き下ろしの併録作も非常に上手い。むしろ上手すぎるほど、描写にも構成にも隙がない。それだけにしんどい。こんなものばかり読んでいたら女性として生きることがとてつもない苦行に思えてきそうで困惑する。

    0
    2016年01月09日

    Posted by ブクログ

    第31回太宰治賞受賞作。

    表題作は、所謂、不倫小説なのだが、読み進めていくうちに最初に戻って読み返したくなる著者のトリックにまんまと引っかかった。
    読み返してみると、著者は何も「嘘」をついていないことがわかり、ズブズブと物語にのめりこんでいってしまう。

    書き下ろしの2作目も、著者特有の女性主人公

    0
    2015年12月23日

    Posted by ブクログ

    予想外のトリック的なところもあり、オ!!っと思わせられる部分もありました。
    全滝的に重くて、暗い気持ちになりながら読んでいました。正直読んでいて愉快な本でもないし、カタルシスも何も無いのです。どんより系と勝手に名付けたくなるような小説でした。

    0
    2021年11月24日

    Posted by ブクログ

    女の、醜くてどうしようもなくて面倒で鬱陶しくてでも、パズルの凹凸みたいに噛み合えば少しだけいとしいかもしれない感情の起伏。沈んで浮上する、その訳の分からない綺麗とは言い難いエネルギー。好みは分かれそうだけれど、私は好きだったな。

    0
    2016年11月06日

    Posted by ブクログ

    「お気に召すまま」の方が良かったですかね。
    表題作の方は違和感を感じつつ読んでたら、サプライズに見事にやられました。

    「穿つ」という言葉がやたらと多用されている印象を受けました。お気に入りの単語なんでしょうか。

    0
    2016年07月16日

    Posted by ブクログ

    家庭のある相手と不倫をしていた主人公の恵那は前職の新年会でその恋人に子どもが生まれていたことを知る。最後にネタバラシがあって、おっと思ったけど、それがわかったあとだと題名はもしかしてこういうこと?ってちょっとしらけてしまった。
    文章はすらっと読めるしうまいと思う。けど会話文のセンスが残念で、メリッサ

    0
    2016年04月14日

    Posted by ブクログ

    すっかり騙されました。しかも後味の悪い方に。
    途中で違和感を覚えつつも「まあ常識的に考えてそういうことはないよな」と思い込んでいた自分への、
    これは罰か、それとも復讐か。
    「名前も呼べない」ことの意味(もしくは意図)が、今になってようやくわかった。
    名前には、意外といろんな意味が含まれているのだ。暗

    0
    2016年03月24日

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