筒井康隆のレビュー一覧

  • 家族八景(新潮文庫)
    家族ってなんだろう。主人公が心の内を読めるという能力故、人の狂気的な面が強烈に描かれていて胸焼けがしそうなくらい。
    意外と家族ってこんなもんなんかなって感じ。
  • 残像に口紅を
    うーん…。

    高尚な究極の実験的小説で、こんな取り組みがあるのかと驚愕しつつも、その難しさにのめり込み切れなかったため★をひとつ下げました。
  • 時をかける少女
    映画かもされた著名な作品なので、この一冊が「時をかける少女」かと思いきや短編のうちの一つだったなんて…

    三作ともSFと心理が掛け合わさった面白い作品だった。作者は少し強気な女の子と、少し気弱な男の子の組み合わせが好きなのかな。

    アニメ映画版、もう一度観てみよう
  • 残像に口紅を
    ストーリー性が良いというよりかは、ギミック小説としてとても面白いと感じた。
    前半は幾つかの言葉がなくなっていても違和感なく進み、後半も違和感はあるが置き換えて物を表したりと表現法がとても良かった。
  • 旅のラゴス(新潮文庫)
    fall outが流行っているが、それと同様に文明が発達しきった後の世界を緻密に描くSF作品は内省させられて面白い。
    序盤、壁抜けなどの短編が奇妙でファニーで示唆的で好きだったし、中盤のヘビーな内容になってからのコントラストもワクワクした。筒井康隆さんの端的な小説の書き方は読みやすいな。
  • カーテンコール
    各作品の内容やそこで使われている文体など、これまでの筒井作品の棚卸しのような短編集!
    筒井さんの遺言状の第一弾です!
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)
    (threads共有)

    特殊な能力を持った者が普通の人達と相容れなく駆逐されていくという、ある意味ステレオタイプなファンタジーなのだけど、筒井康隆の世界線は整ってる。

    筒井康隆を読んでいると、この作家の脳みそはデジタルなんだなと感じる事がよくある。知識がとても綺麗に整理されてる。
    ひょっとしたら...続きを読む
  • 時をかける少女
    『時をかける少女』
    映画の原作を読んでみよう第二弾
    理科実験室にいるときにひょんなことからタイムワープとテレポーテーションできるようになった少女が、なぜ自分が超能力を手に入れることになったか調べるために再び理科実験室にいくとそこには…
    映画は一個下の世代の子が主人公らしいとは聞いていたんだけど、主人...続きを読む
  • 笑うな(新潮文庫)
    笑うな、というキャッチーな題名に惹かれて手に取った作品。

    笑うななんて言われましてもひとつひとつがコントの台本かと見間違うほど面白い、滑稽で惨めに見えるキャラクターが沢山出てくるものばかりで思わず笑ってしまいそうになる話ばかりだった。
    けれど少し冷静になってみると、その滑稽で惨めなキャラクター達は...続きを読む
  • カーテンコール
    全部で25編の短編集。
    怒涛のように筒井康隆劇場爆発!の後半7編がめちゃくちゃ面白い。
    コロナ追分で言いたい放題笑 このお話大好きやわ。お話っていうより独白やんもう。すごい共感できたわ。
    冒頭から前半にかけては、さすがに筒井康隆も気持ちまで歳とったんちゃうん?おっさん臭だけがプンプンなんちゃうん?と...続きを読む
  • 旅のラゴス(新潮文庫)
    傑作としか言いようがない。

    あるときは奴隷に、あるときは王に、あるときは教授として、男は旅をする。魅力的な人間と、出会い、別れ、旅は続く。
    主人公ラゴスの完璧とも言える人間性、奇妙で、しかしどこか懐かしい世界と人々。それらが筒井康隆の美しくもポップな文体で綴られる。

    初めは独特なリズムの戸惑うか...続きを読む
  • 残像に口紅を
    難しい内容だった。
    第二部までは、本当に言葉が失われているのか疑うほど、自然な文章だと感じた。言葉が失われていく中で、登場人物たちの言葉が荒々しくなっていく過程が面白い。第三部からは音が失われているのを実感出来た。また、メタ的発言をしている場面があり、面白かった。
  • 富豪刑事
    何回読んでも面白い。
    大好き。
    最近の人には良さがよくわからないみたいだが。
    アニメから入ってつまらないって、
    あのさぁ…
  • 時をかける少女
    タイムリープの原点っぽい話だ。映像化されてる原作初めて読んだ。私が生まれる前にこんなこと考えてるって、ことが感慨深いな。
  • 残像に口紅を
    壮大な言語実験。

    音がひとつずつ消えていく...。
    「あ」が無くなれば「愛」も「あなた」もなくなる。
    そんな世界での物語。

    官能と自伝のシーンは、
    言葉遊びの達人ならではの文章でした。

    佐治勝男、
    言うまでもなく筒井康隆の「ことば力」に脱帽です。
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)
    見事に騙されました。
    最近はミステリをよく読むので、注意深く読んでいましたが、ある一行に衝撃を受けました。
    最後に、犯人からとても丁寧な解説があるので安心して読んでください(笑)
    きっと騙されます!
  • カーテンコール
    何だか、星新一のショートショートを読んでいる気分で、サクサク進む。筒井康隆を読むのは、何十年ぶりか?よくもまぁこんな作品が書けるものだ。この年齢でこの頭の柔らかさと、創作力は、脅威的。
  • モナドの領域(新潮文庫)
    創造主が人間に憑依して出現し混乱する社会をドタバタ喜劇として描いた哲学的なSF。モナドをはじめ、理解できない概念も多々あったが面白かったし、為になった。
    本当に久しぶりの筒井作品。初期の作品はかなり読みましたが、この時期の作品は敬遠していました。
  • 家族八景(新潮文庫)
    人の心理状態を細部まで描写していて面白かった。芝生は緑が一番好き。滑稽だけど、なんだかんだ愛がある感じが◎。無風地帯のオチも好き。人の行動原理や精神分析について興味があったけど、知りすぎた結果あれこれ当てはめて考えるのってしんどそうと七瀬を見ていて感じた。頭の片隅に知識として置いといて、あくまで自分...続きを読む
  • 旅のラゴス(新潮文庫)
    タイトルそのままラゴスの旅のSF小説。

    世界は文明が衰退しているが、
    人や動物の心を見、それと同調できる能力や空間転移なる瞬間移動など超能力が一般的な世界。

    前半はいい感じに不便な超能力が生活を左右していてバランスがよく面白かった。

    後半にゆくにつれラゴスの目的が明らかになりつつ、科学技術
    ...続きを読む