吉田健一のレビュー一覧

  • わが人生処方
    老年期に差し掛かった吉田健一さんの作品だが、人生の艱難辛苦や狂騒に明け暮れる世の中を観察して吉田さんらしい視点でわれわれへの導きを提示している。 よくよく味わいたい作品。
  • 汽車旅の酒
    「酒が本当に上等になると、人間は余りものを言わなくなるものである。」そうですね(^-^) 酒は静かに飲むものだと思います(^-^) 吉田健一 著「汽車旅の酒」、2015.2発行、中公文庫です。一番心を揺さぶった箇所はw「人間は仕事が出来る間が花だ、と言うが、むしろ、したい仕事をしてしまって、天気なら...続きを読む
  • 吉田健一
    小説やエッセイであれば、多少難しい内容で、知識が追い付かなくても何とか読めるものだけれど、評論となると知識がないと歯がたたない。本書に収められている二大評論のうち、「文学の楽しみ」のほうは半分くらいは何とかなったという感じだが、「ヨオロッパの世紀末」は歯が立たなかった。欧州の古典というのは全滅に近か...続きを読む
  • 東京の昔
    国語辞典、漢和辞典、英和辞典で言葉を調べながら読みました(笑)。

    浅学な私としては、読み始めのころは、少々衒学的文章ではないかと思ってしまいましたが、日本とヨーロッパの文明・文化の比較を引き出すうえで、必然的にああいう書き方になったのだと途中から思いました。

    少ない登場人物のお酒を交えての他愛無...続きを読む
  • この情報共有が利益につながる
    フレームワークとケーススタディの両方が満遍なく記載されていて構成良し。

    ただの理想論ではなく「あなたの会社も失敗したでしょ?」というところから話を進めていて実践よし。

    それでも!情報共有が上手くいく会社は、きっとみんな仕事にビジネスに真面目で真摯なんだろうなぁと思います。

    どうすれば自社群に展...続きを読む
  • ロビンソン漂流記
    児童向けに再編集されていないバージョンは初めて読んだ気がする。小学校の頃は無性に無人島に行きたかったなぁ。。。

    そもそもイギリスの中流階級だったロビンソンが船乗りになっていろんな大変な目にあって行くあたり、当時もノマド的なものへのあこがれがあったんだろうか。。。

    聖書が無茶苦茶出てきた。こんなに...続きを読む
  • この情報共有が利益につながる
    情報ではなく、人中心のナレッジシェアを掲げている。事例が多く、単にITだけでは運用がうまくいかないことが良くわかる。
    リアルコム社が、昨今のソーシャルメディア、取り分け社内SNSとして出て来ているセールスフォースのChatterなどについて、同社がどう捉え、同社の製品戦略に活かしてるのか興味あるとこ...続きを読む
  • ロビンソン漂流記
    航海途中に船が難破し、無人島に辿り着いたロビンソンが誰の力も、有効な技術も持たずに、快適な生活を求めて悪戦苦闘するストーリー。
    帝国主義に象徴される、文明国と未開地の問題やカニバリズムに対する価値観、宗教の摂理について悩む場面など、ロビンソンを通じて、当時の世界観が感じられる興味深い一冊。
  • 東京の昔
    問題が発生した。まさかの、小説、であった!
    読み終わって解説を読むまで小説だとは露ほども思わない。
    完全に随筆だと思い込む。
    ああ、これが「『私』小説」のトラップ!
    こういうの読んじゃうと、ホントどの「私」も信じらんない、私不信に陥ってしまいそうだ。
    また、このタイトルが。「東京の昔」って。完全にエ...続きを読む
  • ロビンソン漂流記
    昔自分が読んだ子供向けものより宗教色が強い話だった。

    放蕩息子が困難にあって改心し、その後自分の生活の糧に感謝するというのらまさにそうであるし、神が与える生活の必然性と幸福を繰り返し説いているのは印象的だった。

    また、人を食べる黒人やそれを奴隷とし宗教を教え彼らを討ち滅ぼすことは、英国人がアフリ...続きを読む
  • ロビンソン漂流記
    冒険譚というよりは、一人の人間が如何にしてキリスト教徒となっていくかという物語、といったほうが正しいと思います。
    「罪の文化」や「神と向かい合う」というキリスト教的な道徳精神が理解し難い我々日本人にとって、主人公ロビンソンの心の動きは分かりやすい教材になるでしょう。
  • ロビンソン漂流記
    3年前に読んだ時は、途中で飽きてしまったけど、今回再チャレンジして楽しく読めた。すごい冒険の世界。2度の遭難、救助、脱出、そして帰国・・・って、本当に波乱万丈。無人島での暮らしは、完全に自給自足だし、後悔したり、神に感謝したりの繰り返しで、想像を絶するものだった。
  • この情報共有が利益につながる
    「情報活用」は企業の課題だが、うまくやれるところは少ない。「情報」と一言で片付けるがいろんなタイプがあり、流通やストック方法も異なっている。きちんとアプローチさえすれば結果はだせると思えた。目からウロコ。
  • 酒談義
    吉田茂首相の長男の文筆家による酒にまつわるエッセイ集

    読みにくく感じる文体ではあるが、SNSで呆けた言語感覚を刺激してくれる。
    育ちの良さによるためか幅広い教養、時代背景など興味深い。
    なにかと小難しい感はあるが、
    なりより、お酒が好きなんだろうなという、
    素敵な駄目加減が素晴らしい。
  • 父のこと
    230630029

    父である吉田茂のことを家族の視点から描いている。このような親子関係もあるのだなと感じた。
  • 酒談義
    昔のボンボン、お嬢さんが書いたエッセイは楽しい。

    情報が少なかった時代だからこそ、感じたままが素直に表現されていて、切り口が面白いからこそ、今も書店で手に入る。『ヨーロッパ退屈日記』(伊丹十三著)、『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(石井好子著)あたりが代表格か。

    育ちの良さという意味では...続きを読む
  • 赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)
    収録作中9編は創元推理文庫『ポオ小説全集』で既読だが、
    訳が違うので新鮮な感動を味わう。
    吉田健一セレクトの短編集+
    ポオの覚え書き「マルジナリア」収録。

    ■ベレニイス(Berenice,1835)
     青年エギアスは従妹ベレニイスと共に育ち、
     長じて彼女を愛するようになったが、
     その美貌は病に...続きを読む
  • 赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)
    短篇作品はもちろんどれも味わい深いですが、「覚書(マルジナリア)」が、ポーの随筆・文学論・人生論的断片が集められた感じで、芥川龍之介の「侏儒の言葉」に近いノリで楽しめました。
  • 父のこと
    予想外に、(勝手にタイトルだけで借りた)政治の言葉出てきて、わー読めるかなと思ったけど、最後まで読んでよかった。泣いちゃった。なんだか。父のことだった。
  • わが人生処方
    人生の黄昏の時期にならないと理解、共感できない類のエッセイかもしれない。文庫用のオリジナル編集、とのことだが誰が編集しているのかな?