上手く言えんのだけど、「やっぱ、この食漫画、好きだなぁ」と思った巻だった、この(6)は
急激に質が上がった訳じゃない。(5)からわずかに良くなっているだけ
でも、なんか、こう、妙に良い具合で、心にストンと来た
どの回、どのシーン、どの台詞が、自分の琴線にはまったのか、いざ、感想を書こうとしたら、分か
...続きを読むらなくなってしまった。でも、良い漫画って、案外、そんなもんかもしれない
ストーリーがリアルってのは、食系の漫画で強みになる要素だよな
『食戟のソーマ』のリアクションが派手な料理勝負や、ヤンキーが食で友情を強めていく『頂き!成り上がり飯』、異星人のヒロインが食と恋の味を学んでいく『クミカのミカク』も楽しめる
ただ、現実的な親近感が湧くのは、この『いぶり暮らし』が漂わせる雰囲気だ。これは、『ワカコ酒』にも似たような薫りがある
同棲しているからこそ、恋人がぶつかる、ちょっとした壁や、社会人特有のモヤモヤ、傍目から見れば小さいけど、当人には凄い嬉しい出来事などを誇張しすぎず、燻製料理の良さを支える土台にしている点は、ほんと、凄い
料理漫画として、ほんと、読ませてくる
この『いぶり暮らし』は、ほんと、燻製に対してのイメージを変え、ハードルを下げたと思う。結構、増えたんじゃないか?この良さに触れ、燻製にチャレンジした人。うちの父親も随分と、はまってしまったよ・・・
どの回がお勧めですか、と聞かれたら、正直、全て、と答えたい。けど、この答えが漫画読みとしてアウトなのは百も承知なので、一つに絞ろう
ストーリーで選ぶなら、第44話「小腹に嬉しいスモークビーフジャーキー」だ。この『いぶり暮らし』を読んでいる漫画読みで、社会人の比率がどれくらいかは分からん。ただ、私は頼子さんの葛藤に共感できた、何となく。会社勤めしてると、学生の頃と比較して、100%満喫できなくなった気がする。どこかへ泊まりで旅行に行こう、と誘われても、つい、自分の穴埋めを他の人に押しつける事に対し、気が咎めちまう。最近、まじまじと、休むのが下手になった、と感じる、休み明けに
料理で選ぶなら、何と言っても、第46話「霜降り燻りの幸運サーロインステーキ」である。燻製は難しい、って思い込みを払拭しているけれど、こういう特別感がある燻製料理を目の当りにすると、「おぉ」と唸っちまう。人間、お日様に顔向けできる生き方をしてるってんなら、たまには贅沢したってバチは当たらん。良い事があったら、素直に喜ぶ方が心身の健康にはいいぜ
この台詞を引用に選んだのは、素直でいいな、と思ったので。本当に美味しいものって、人間から語彙力を奪い去るよ?そういうものを食べられ、「美味い」しか言えない瞬間って、ほんと、幸せがマックスな気がする