乾信一郎のレビュー一覧

  • 復讐の女神
     まず、なにより邦題も「ネメシス」でよかったのではと。日本語にしてしまうと名称としての力強さがなくなり、少し説明じみたイメージになってしまう。ネメシスの方が復讐の女神より力強さや恐ろしさを感じるのは僕だけだろうか。
     
     僕はクリスティがミステリにおける殆どの試行やトリックを編み出し使い尽くしたと考...続きを読む
  • 復讐の女神
    今まで読んだマープルシリーズは、どちらかというとマープル以外の登場人物によって調査が進められていたものが多かったので、今回のようにマープルの場面がほとんどの作品は私には珍しく、いつもと違った雰囲気を味わうことができた。
    前作『カリブ海の秘密』でも印象的だったピンクのフワフワ、あの作品の中でこの場面だ...続きを読む
  • パーカー・パイン登場
    短編ながらストーリーも魅力があり、ラストはクリスティーお得意のどんでん返し満載。どの話も面白いけど、一番好きなのは退屈な軍人の話。ほんとに結婚するの?!大丈夫??と思ったところに相手も相談者だったと読者に知らされるオチは、シンプルだけれど、だからこそはっとさせられて爽快。シリーズものにならなかったの...続きを読む
  • 復讐の女神
    マープル
    「カリブ海の秘密」の続篇。ただし、未読でも充分楽しめると思う。私はラフィール老人のキャラクターは覚えていたけれど、ストーリーはぼんやりしか覚えてないのでこの後再読してみよう。
    だいへん面白かった!自分の場合、クリスティー作品は半分ほどまでは途切れ途切れに読み進めていて、後半になると引き込ま...続きを読む
  • バートラム・ホテルにて
    マープル
    ホテルが好きなのでとても面白かった。マープルがロンドンでのお買い物で「たいそうごきげんな時間を過ごして」(p110)いるのもこちらまで楽しくなってくる。
    モデルになったホテルはブラウンズらしいが、「イギリスのお菓子とごちそう」にはブラウンズとフレミングス・ホテルを合成して描いたという説が紹...続きを読む
  • アガサ・クリスティー自伝(下)
    2021年に読んだ&読む既刊の、まずベスト1だろうなー。
    私、前世は1910〜20年代のイギリス人だったよ、きっと。『メアリー・ポピンズ』に始まり『ダウントン・アビー』も『ダロウェイ夫人』も漫画『エマ』も心をつかんで離さない。なんで今までクリスティーにハマらなかったのか。この年になるまで待っててくれ...続きを読む
  • パーカー・パイン登場
    アガサ・クリスティが生んだキャラクターの中でも、マイナーな存在かもしれないパーカー・パインが主人公の短編集。

    読んで初めて知ったんですが、パーカー・パインさんはいわゆる「探偵」ではないんですね。

    新聞に「あなたは幸せ? でないならパーカー・パイン氏に相談を」という不思議な広告を出し、事務所に訪れ...続きを読む
  • 復讐の女神
    復讐の女神。アガサクリスティー先生の著書。アガサクリスティー先生の作品はどれも本当に楽しいです。時間を忘れて独特の世界観に引き込まれてしまう。
  • 復讐の女神
    ミス・マープルシリーズの長編11作目。9作目「カリブ海の秘密」の続編にあたる。
    クリスティが最後に執筆したマープルシリーズでもある。

    【あらすじ】
     「カリブ海の秘密」で知り合った大富豪のラフィール氏が死去した。氏の遺言である事件の調査を引き受けることになったマープルだが、漠然とした情報のみが提示...続きを読む
  • 復讐の女神
    これはなかなか。
    最初は読者もミスマープルと同じく、まったく事件の予備知識がないまま旅にだされるので、読んでいてちょっと退屈、というかモヤモヤするんだけど、事件がだんだん見えてくるとそれに連れて加速度が増していきます。

    前作で知り合った金持ちの頑固じーちゃんの遺言に従って動いていくのだけど、あのい...続きを読む
  • 復讐の女神
    ラフィール氏の死亡記事を読んだ数日後にラフィール氏からの依頼がミス・マープルの元へ。事件の内容も何も分からないままにラフィール氏に指定された観光バスツアーに参加するミス・マープル。同じツアーに参加するミス・ベンサムとミス・クックが本名ではないと気がつくミス・マープル。ツアーの参加者エリザベス・テンプ...続きを読む
  • バートラム・ホテルにて
    憧れのイギリス!いつかは行ってみたい国になった理由の1つはこの本。古きよくエドワード朝時代を残すバートラムホテル。バターたっぷりのマフィンやシードケーキ、燻製にしん、キドニーパイ、ベーコン、グラウスの冷肉、ヨークハム、オックスフォード・マーマレード。どんだけうまそうな料理出てくんねん(笑)田舎の村の...続きを読む
  • チャイナ・オレンジの秘密
    殺人現場の死体の着衣、絨毯、本棚は全て逆向きに動かされ、あべこべになっていた。なぜ犯人はこんな事を?
    傑作です。
  • 北人伝説
    雪男の伝説はよくある。UMAの1つなのかもしれないが、現代人(クロマニヨンの子孫)とは別に、ネアンデルタール人の末裔がいるのかと思わせる物語。ジュラシック・パークの作者だが、けっこう「あるだろうな~」と思わせてくれる作者です。
  • アガサ・クリスティー自伝(上)
    アガサクリスティの経験、推測で生まれてくる登場人物たちの原点が、
    自伝の中にたくさんあることが分かった。

    物語の中の主人公、登場人物と、アガサクリスティの性格の似た点の背景が分かった。
    感情移入しすぎずに、たんたんと書かれた自伝は、資料としては貴重だ。
    アガサクリスティ解説を書く人には必須...続きを読む
  • アガサ・クリスティー自伝(下)
    アガサクリスティの経験、推測で生まれてくる登場人物たちの原点が、
    自伝の中にたくさんあることが分かった。

    物語の中の主人公、登場人物と、アガサクリスティの性格の似た点の背景が分かった。
    感情移入しすぎずに、たんたんと書かれた自伝は、資料としては貴重だ。
    アガサクリスティ解説を書く人には必須...続きを読む
  • 復讐の女神
    映像作品を先にみました。
    誰が主人公かも知らずにみたので、1度めは日本語モードでみましたが、チンプンカンプンでした。
    2度目に、英語で日本語字幕でみて、ああ、なるほどなるほどとわかりました。
    3度目は、英語で英語字幕で見ました。

    ミス マープルものは、イギリスの文化、風土とを知るのによい。...続きを読む
  • バートラム・ホテルにて
    イギリスの文化と風土を知ることができる ミス マープルもの。
    格式のあるホテルとはどのようなサービスをするものか。

    ホテルの泊り客と、ホテルの人間をめぐるさまざまな事件。
    ミス マープルものは、登場人物にお年寄りが多いので、若い人にはなじみにくいかもしれない。

    映像作品を見て、面白くない...続きを読む
  • パーカー・パイン登場
    犯罪ではなく、悩みを解決するパーカーパイン。
    犯罪に相当する事案もあるが、中心は人の悩み。

    本書には、ポアロは登場しないが、パーカーパインとポアロの共通点が分かる。
    人の心理を中心に、物事が起こるかどうかを推察する手法。

    お得意の中近東の話題、鉄道の話題もある。

    残念なのは、ポアロの...続きを読む
  • パーカー・パイン登場
    【library222所蔵】
    日本語ではたったこれ一作のマイナーなパーカーパインシリーズ。
    「推理」が主ではなく、人の心の機微を描いた「ミステリ」と言えるかもしれない。
    依頼人の希望をかなえるためにたくさんの仕掛けをするパーカーパインはまるであしながおじさんのよう。
    一片一片が洒脱なショートショート...続きを読む