本郷恵子のレビュー一覧

  • 蕩尽する中世
    蕩尽が、モノの経済圏を発達させ、やがてそれを追い越すようにして、カネの経済圏を沸き上がらせる。モノを伴わないカネの経済は、モノの経済と表裏をなして、より大きな蕩尽を可能にする。ヒト、モノ、カネが、大いに躍動し、そして食い荒らされた日本中世の動態を見る。
  • 全集 日本の歴史 第6巻 京・鎌倉 ふたつの王権
    院政の成立から鎌倉幕府の滅亡まで、結構な広範囲を取り扱う。通史ものでこの時代を読んだのが初めてなので、正直なところどういうところが特色なのか評価しにくいですが(取り扱う時代の範囲が特色なのかもしれませんが)、わかりやすい構成と内容だと思います。
  • 蕩尽する中世
    バタイユの著作を読みエロティシズム、蕩尽といった概念を学んだわけだが、バタイユはフランス人であるがゆえに、バタイユの考察、あるいはエロティシズム、蕩尽といった概念が日本においてどれほど有効であるのか、かなり疑問であった。そのためこの本を読むことで、日本において富がいかにして蕩尽されていたのかについて...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第10巻 徳川の国家デザイン
    装丁の美しさと、タイトルの良さに惹かれて手に取りました。
    よくよく見たら、歴史大全ものの1冊だときづいたものの、出版社の売る気満々的な雰囲気が伝わり読む事に。

    ちなみにアートディレクションは、原研哉。

    内容的には、戦国末から江戸初期(四代家綱)までの国政・地方の城下町・村・臣民などに分けて解説し...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第4巻 揺れ動く貴族社会
    政治や外交、宗教に文化と多方面から平安時代にスポットを当てており、読み応えがあります。和歌を元に当時の世情を探るという発想が面白いです。
  • 全集 日本の歴史 第3巻 律令国家と万葉びと
    奈良時代あたりを中心に当時の人々の生活文化を中心に描いている。個人的には当時の政治状況が知りたかったから、ちとミスマッチだった。
  • 全集 日本の歴史 第2巻 日本の原像
    前回が古墳時代辺りまでについてかかれてたんで大和朝廷辺りのことが書かれ手いると期待していたら、まったく別で、古代の文化や生活等について書かれていた。個々の話は面白く、稲の品種分けが1200年前にはされていたことには驚いた
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記
    旧石器から古墳時代にかけての数万年を一人の著者が述べるという野心的な歴史書。まだ文字をあまり使わない時代であるため歴史の詳しい部分を語ることができないのはもどかしいが、異物や遺跡を通して断片的ながらと応じの状況を垣間見えることができる
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    昨年から読み始めた小学館刊行の歴史もの。一年かかってようやく七巻目。今年中に読み終えることができるかどうか?がんばる。
  • 全集 日本の歴史 第14巻 「いのち」と帝国日本
    [ 内容 ]
    日清・日露戦争で序列化された人びとの「いのち」。
    帝国主義の発展と重みを失う一人ひとりの生命。

    [ 目次 ]
    はじめに 「いのち」の序列化
    第1章 「いのち」と戦争(向田邦子の祖父の体験;日清戦争―文明国への「入学試験」 ほか)
    第2章 「いのち」とデモクラシー(川岸きよの米騒動;足...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第10巻 徳川の国家デザイン
    [ 内容 ]
    戦国時代に終わりを告げた徳川の治世。
    徳川社会の成立には政権づくりの巧みな手腕があった。

    [ 目次 ]
    はじめに 徳川の日本人
    第1章 京都と天下人
    第2章 首都と城下町の建設
    第3章 村づくりの諸相
    第4章 神国日本と「国民」
    第5章 農と自然の風景
    第6章 内国のネットワーク
    ...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    歴史好きというと戦国、幕末がメインのようだが、通が好むのはだんぜん鎌倉末期である(←根拠なし)。が、読み物としておもしろいというものではないし、内容にも「おお!」と思わせるものがなかった。タイトルがけっこうドラマティックなだけに残念である。やっぱり読むものはおもしろくないと。全体に教科書みたいな感じ...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第16巻 豊かさへの渇望
    自分が生きてきた時代の歴史というのは
    案外、灯台下暗しである。
    中学校、高校の日本史でもたいがい現代史のところは
    ほとんど時間が足りなくなって、はしょられることが多い。
    同時代の価値を定義することは、なかなか難しい。

    小学館の「全集 日本の歴史 全16巻」は
    小学館創立85周年記念出版。
    新視点で...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第5巻 躍動する中世
    五味先生の中世史総括本。政治の仕組みとしての談合の役割、特に評定から寄り合いへの政治の型の変化を見ていると、昨日までの民主党内閣の成立を見ているよう。それでも、自民党のように官僚制度の外側でインナー(談合仲間程度の意味です)を形成し、党・政府分離型の意思決定をした自民党に対し、(小沢氏を除いて)内閣...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    小学館のシリーズは講談社に比べ内容が子供向けなのだろうか。新視点というより落ち穂拾いの感あり。
    それでも、寺社や日記を中心にした資料の精査は良かった。
    体系的に何かを論じる書物ではなかったが、「見えないところに光を当てる」という側面は十分に感じされた。
    体系的ではないが、時系列を追っているので、教科...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    個人的にはあまり評価は高くありません。

    講談社の該当分野の方が評価としては圧倒的に良い様に思います。
    1時間ほどであっさり読んでしまいました。さっくり通史を当たっていますが、それ以上でもそれ以下でもないというのが感想です。
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記
     著者の松木武彦さんは1961年生まれ。
     つまり、2008年現在段階でまだ47歳。
    この若さで『日本の歴史』を執筆するとは、おそれいります。
     さて、ページを開くと、まず文字が大きいですね〜(笑)。
     少し大きすぎるとも思いますが、これは編集の方針なので仕方ないです。
     内容的には結構、斬新で、歴...続きを読む
  • 文藝春秋2023年9月号

    秋篠宮家の娘たちの擁護記事

    どんな内容かと思って購入しましたが、A宮一家の娘たちがいかに大変で悲壮感たっぷりで辛い目に遭っているかという話がつらつら書かれていただけでした。残念です。皇族の方々が並々ならぬ重圧の中で役目を果たしてくださっているのは最もですが、この一家の人々と他の皇族の方々を並べて語ることは許せません。やたらと、...続きを読む