竹山道雄のレビュー一覧

  • 若きウェルテルの悩み
    本屋さんに行ったときもう少し和訳が柔らかいのがあったのでそちらがおすすめかもです…。
    私が読んだのは少し言葉遣いが旧いこちらですが、今使われてる言葉で読んだ方が心にすっと入ってくると思います。
    ウェルテル現象という言葉があるぐらい当時の若者は感化された作品なだけあって、感ずるものがあります。まださら...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    なぜもっと早く読まなかったのだろう。

    現代の日本人作家の小説を、わたしの人生が最も大変だった若き日々にいくつか読んだだけで、どうせ文学なんてほとんどが恵まれた環境に生まれたのに感性が繊細だったために苦しいやつらがその恵まれた環境を土台に、自らの苦しみをつらつらと表現しているものか、または売れるため...続きを読む
  • ビルマの竪琴
    児童文学。くもんの推薦図書ではハリーポッターと同レベルのFに並べられています。
    文体は優しく、音楽を主軸として、異国での苦境の前線を描いており、短い話で、中学生なら読み通せる子がいてもおかしくないかなぁと思わせます。

    作中には青いインコが登場しますが、その描写がいかにもリアルで感心しました。
    うち...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    圧倒的。
    青春期特有の人が持つまっすぐな心と純粋な感性にここまで肉薄し丁寧に描写した作品は数少ない。
    現代の人はすぐに詩的な物言いに触れるとポエマーだの病んでるだの言う。
    TwitterやSNSで安易に自らの心のうちを吐露してる人ももちろん大概だが、人の心のめんどくささだったりどうしようもなさを、一...続きを読む
  • ビルマの竪琴
    この物語が空想で書かれたということに驚いた。しかし著者が生きていた時代、教え子たちが実際に南方で死に、彼らを常に悼み、弔っていたのは、まさに水島上等兵さながらであり、その実感がこの物語のリアリティを高めている。
  • ビルマの竪琴
    兵も指揮官も一律に断罪する軽薄な戦後の空気にあって、国のために殉じた人々を弔うという、至極当たり前の描写をなし得た本稿から、やはり故人のために「先祖の話」を書かずにはいられなかった柳田国男と同じ温と剛を感じた。
  • 若きウェルテルの悩み
    まさに疾風怒濤という小説で、主人公が畳み掛けるように心理が変化していく様が痛いほど分かった。様々なモチーフや風景描写が随所に散りばめられ、後々の考えに影響を及ぼしたりする伏線のようになっているところも面白かった。ただ、一部二部と三部で構成が変わり、いいところもあるのだけど、没入感やテンポがなくなって...続きを読む
  • ビルマの竪琴
    これは、児童向けの童話として書かれたものですが、現代においては、むしろ大人が読むべき一冊となっているように思われます。
    それは、相当な年配者が、懐かしく読むのではなく、壮年期の闊達に日々を生きているはずの年代が読むべきだろうと思います。
    はたして、「自分たちはどこに生きているのか」「誰と生きているの...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    古語が多く、また、特に序盤は内容がとっつきにくい為、読み終えるのに少し体力が入りましたが、当時の時代背景における本書の位置付けや、主人公の独特の価値観を踏まえた上で読むと、物語の進行とともに本書の素晴らしさを痛感しました、、、。

    18世紀に書かれたとは思えない、今なお先端を走る圧倒的な普遍性は、非...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    学生時代はゲーテ先生にハマった。私が好きな恋愛小説。タッソウ?も面白かった。自然科学系の本もおもしろい
  • ビルマの竪琴
    戦争に命を奪われ、生きた証を残すことの叶わなかった人たちがいる。

    骨となり異国に戻ることのできない人たちがいる。

    レクイエムは、生きていくものたちのための救いでもある。

    発表当時は「児童向け」として書かれた作品ですが、小学校高学年でもこのままは読みづらいかもしれません。中学生におすすめ。
  • ビルマの竪琴
    南方から帰ってきた傷痍軍人で溢れ、焼け野原が残るーそんな時代にこの本は書かれた。
    当時の日本は、復興という明るい使命感に燃えるものの、戦中から一転、戦争を絶対悪と見なし、戦争に対して、また戦争に関わったものたちに対して、冷静な分析をするものがいなかった。亡き者たちを英霊などと言って語っては、戦争賛美...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    友人とゲーテの思想を学ぼうと決め、本書を手にとった。本書は、主人公のウェルテルが親友のいいなずけのロッテに恋する物語である。本書におけるウェルテルは狂人と言ってもいいほどの勢いでロッテに愛を捧げている。現代においてはストーカーと呼ばれても仕方がない程のウェルテルの行動ぶりは理解に苦しんだ。当時のドイ...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    有名な作品。読んでみると確かにすごい作品だった。前の話だけど、人の弱さ、繊細さがよく描けていると思う。色んな意味でとてもズシンと響くものがある作品だった。角川をベースに岩波と読み比べをしながら読んだ。全体的には角川のほうが読みやすいけど統一した雰囲気は岩波のほうがある。特に最後の詩の部分は岩波のほう...続きを読む
  • ビルマの竪琴
    子ども向けに書かれた小説、とのことで、やさしい言葉で書かれているが内容はとても深く難しい。若いときに一度は軍に入隊しなくてはならない当時の日本と、僧として修行しなくてはならないビルマ(ミャンマー)。どちらがすぐれているか。どちらが良いのか。どちらが豊かか。幸せとは、豊かさとは何か、深く深く
    考えさせ...続きを読む
  • ビルマの竪琴
    初めて読んだのは、中学の頃。以来、何度か読み返して、手元にあるのは2冊目。
    何度読んでも、涙が出そうになる。水島は、どうして日本へ帰らなかったのか。
  • ビルマの竪琴
    現地に行った。赤土を踏んだ。慰霊法要をした。視界がぼやけた。

    昨年11月のインド・ミャンマー行きから帰ったら必ず『ビルマの竪琴』を読むと決めていて今回映画('56年版)も鑑賞した。
    文章やワンシーンの端々に見られるビルマの景色や人々。ついこないだ行ってたもんやからイメージしやすい。'56年版は半分...続きを読む
  • ビルマの竪琴
    「文学作品」として有名なこの話。
    実は「児童文学」だったんです・・・!

    時代は日本が敗戦に向かって、一直線だったころ、ビルマの密林の中を逃げまどう1小隊がいた。
    その中にいた、竪琴を弾くのがとても上手な水島上等兵が、ある任務中に姿を消し、消息がわからなくなってしまう。
    やがて、日本は負け、...続きを読む
  • 若きウェルテルの悩み
    これを読んだのは、高校3年生の秋から冬。

    受験を前にし、ちょうど失恋したばかりのころ。
    失恋の痛手で手にした作品とも言える。
    その後も、少なからず失恋はした。

    だけど、初めて読み終えて以来、この本をまた開く気持ちになれなかった。
    何故なら、最後のくだり、ウェルテルが事におよぶシーンが痛ましく、再...続きを読む
  • ビルマの竪琴
    戦争の記憶や残像が生々しい戦後の混乱・混沌の真っ只中、子供向けの童話として世の中に出た「ビルマの竪琴」。作者は何を子供に伝えたかったのか。まず1つ目は天命、いわゆる天がその人に与えた使命についてである。人がその天命に気づいて覚悟を持って行動に移せるか否か。周囲や世相の動きに流されることなく、自分の意...続きを読む