映画監督の「是枝裕和」とノベライズ作家の「佐野晶」の共著『そして父になる』を読みました。
『三度目の殺人』に続き、「是枝裕和」と「佐野晶」の共著です。
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「6年間育てた息子は、他人の子でした――。大切に育ててきた6歳の息子。彼は、出生時に病院で取り違
...続きを読むえられた他人の子供だった」。
「是枝裕和」・監督、「福山雅治」・主演で、カンヌ映画祭・審査員賞を受賞した映画『そして父になる』。
現在、もっとも勢いのある「尾野真千子」、「真木よう子」という豪華俳優陣の競演とともに話題を呼んでいます。
本書は「是枝監督」自身による渾身のノベライズ企画です。
学歴、仕事、家庭。すべてを手に入れ、自分は人生の勝ち組だと信じて疑わない「良多」。
ある日、病院からの連絡で、6年間育てた息子は病院で取り違えられた他人の子供だったことが判明する。
血か、共に過ごした時間か。
2つの家族に突きつけられる究極の選択。
そして、妻との出会い、両親との確執、上司の嘘、かつての恋、子供との時間―。
映画の余白を埋めていく、文字で紡がれる、家族それぞれの物語。
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映画監督「是枝裕和」と俳優「福山雅治」がタッグを組んで、2013年(平成25年)に公開された映画『そして父になる(英題:Like Father, Like Son)』のノベライズ作品、、、
映画は観たことがあったのですが… 本書を読んで、映画ではわかりづらかった、登場人物の揺れ動く感情の変化が理解できましたね。
血の繋がっていない子どもと、自分の血をひく本当の子ども… うーん、簡単には選べませんよねぇ、、、
登場人物の言動に、共感したり、反感を覚えたりしながら、複雑な気持ちで読み進めましたが、ラストで「良多」が「慶多」を抱きしめて、
「そうだよな。でもな、六年間は……六年間はパパだったんだ。できそこないだけど、パパだったんだよ」
というひと言にグッときましたね… この瞬間に「良多」は本当の意味で「慶多」の父親になったんでしょうね。
家族って、何なんだろうなぁ… ってことを考えさせられる作品でした、、、
「是枝裕和」って、家族のことを描かせたら右に出る者はいないな… って印象が強まりました。