内山節のレビュー一覧

  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
    この薄い書籍にこれほどの情報量、文句なし!天晴れ!

    本書で言う狐に騙されるとは、ただそこで生きている木や花や水を何気なく美しいと思える無垢さであり、抑揚のない物語に趣を見出す感じやすさであり、与えられた秩序の中でだれもが楽しむ柔軟さだ。
    すなわち、「狐が人を騙すわけない」と言いたい諸君はそもそも前...続きを読む
  • 半市場経済 成長だけでない「共創社会」の時代
    いやぁ、半市場経済って何? って思ったけど、意外といいことが書かれていた。ほんまに、いまの時代によくあるような、いわゆる自由な働き方とか、自分でつくる商い。現代の人々は、仕事において他者との関係性を重視する傾向にあることとか、経済とか一人ひとりの日常生活が同時に成り立つ仕事だとか、考えたいことのヒン...続きを読む
  • 新・幸福論―「近現代」の次に来るもの―
    20150125 すごく大切な事が書かれていると思うが理解するのに時間がかかりそう。少し時間を置いて再読してみたい。
  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
    魅力的な論考。さらっと読めるかと思いきや、とても濃密で時間がかかってしまった。ライフワークである各地での聴き取りはもちろんのこと、数々の伝説や信仰、死生観や自然観、森林やそれを取り巻く生業・生活のあり方、そして、歴史学の流派と変遷、あるいは知性と直観(!)といった論点までを詰めきり、緻密に構築されて...続きを読む
  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
    渡邊十絲子さんオススメの一冊。
    おもしろかった。
    「歴史」をどう見るか、という新鮮な視点が興味深い。
    特に、第4,5章が白眉。
  • 哲学の冒険
    毎日中学生新聞の中学生のための哲学の連載の文庫化

    というだけあって、読みやすかった。

    おすすめだ。


    目次
    第一章 哲学の中へ
    一 未来への迷い
    二 美しく生きるために哲学をーエピクロス
    三 人は誰でも、いま生きているように未来をつくっていくー三木 清
    四 哲学は自分自身の勇気を信頼するところ...続きを読む
  • 文明の災禍
    2011年3月11日の東日本大震災。
    地震・津波による被害を自然の災禍、福島原発事故を文明の災禍とし、
    震災以降の日本の目指すべき、あるべき姿を述べた本。

    電力はじめ人間にはどうにもできない大きなシステム基盤に
    依存した日本に対して警鐘を鳴らしている。

    哲学者らしく、着眼点がとてもユニーク。
    ...続きを読む
  • 文明の災禍
    内山先生のお話を伺う機会があり、早速購入。3.11以降、腑に落ちないことが多い中、ひとつの考え方を示してくれています。多様な関係(自然との関係も含めて)を作ることが人間の本質。確かにそうですね。とても参考になりました。
  • 文明の災禍
     東日本大震災における自然の災禍と、それとともに起きた福島原発の人災という文明の災禍とが起きた後に、自然と人間、そして人と人の関係をどのように編み直して生きうるのかを、文明に対する根本的な反省にもとづいて探究しようとする論考。その議論が死者の「供養」を出発点としていることは、印象的である。死者を置き...続きを読む
  • 文明の災禍
     内山さんは哲学者という肩書き。写真とみると、農家のおじさんのような風貌。

     この本は、石原都知事の本とならんで、しつこく職場の本屋に平積みされていたので、ついに購入。

     全体の感想としては、もっともなことを言っていると思うが、その文脈がよくわからない。

     哲学者としてこれをいいたいということ...続きを読む
  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
    戦後しばらくの間、日本の田舎には「キツネにだまされる」という伝承が残っていたが、1965年ごろを境に、その手の話をぱったりと聞かなくなったという。著者自身によるこのような経験にもとづき、「知性の歴史」からは見えない「身体性の歴史」と「生命性の歴史」について思いを馳せている本。著者は、この本の企画に「...続きを読む
  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
    表題の疑問、気になって読んでみた。

    1965年を境に、日本人はキツネに騙されなくなるらしい。
    その理由は本書に任せるとして、
    ジブリの「平成狸合戦ぽんぽこ」はいつの時代の話なんだろう?と調べたら昭和40年代。
    昭和40年は1965年なのでまさにその年。
    ジブリがその境の時期を知っていたのか分からな...続きを読む
  • 哲学の冒険
    ふと思い立って、教養文庫コラボのフェア冊子を読んだ。ここ数年、入手はすれども通読せず状態で、何となく取っつきがたいイメージってだけで敬遠していたんだけど、ちゃんと読んでみると、なんとまあ、結構魅力的な作品が多いこと。そんなに難解な感じでもなく、それならってことでピックアップしたものをなるたけゲット。...続きを読む
  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
    1965年、確かに日本が本格的に経済活動に舵を切った時期に重なる。
    1964年東京オリンピック西川東海道新幹線開業、1970年大阪万博。
    私の故郷枚方も田畑に囲まれた環境から、田畑が住宅地に変わり、新しくできたバイパス道路の周辺には多くの工場ができた時期に重なる。
    田畑に囲まれた時代は毎日が自然の中...続きを読む
  • 内山節と語る未来社会のデザイン2 資本主義を乗りこえる
    資本主義の原理では自滅する運命にある。富が集中すると市場は縮小し、悪辣な経営が資本主義的な動きを拡大し、拝金主義が広がることで社会が荒廃する、ため。

    資本主義の対抗勢力が存在することで、資本主義を修正して延命した。

    同じ小売業でも、拡大を目指すスーパーやコンビニと、生業として行う個人商店の2種類...続きを読む
  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
    地元の定有堂書店で購入。
    読み始めてから期間経ったので例の如く前半の記憶は曖昧。南無。

    眉唾トンデモ本かと思ったら、
    歴史哲学本でした。

    キツネが馴染みづらいなら、
    ガンニバルはなぜ都市部では成立しないのか?
    と言い換えてもいい。

    ガンニバル一巻しか読んでないので見当違いかもしれないけどまぁそ...続きを読む
  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
    難しい内容だけど、日本人が昔から持っている価値観がどのように変わってきたのか?について丁寧に考察されている。とても読みやすい文章、展開であるところにも惚れ惚れとした。出発点が事実ではないところから、考察を深め事実が見つけ出される、という話はとても面白い。
  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
     『国語教育は文学をどう扱ってきたのか」という本で、いわゆる「キツネ読本」が定番教材として扱われている背景に、ごんぎつねの話が昔と今では違ったという話があった。その話は面白いけど、そこで、なぜ変わったのか、それは「生命性の歴史の衰退」、という話が出てきて、その部分がよく分からなかった。そして、その引...続きを読む
  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
    日本人がキツネに騙された事件が、
    なぜ、1965年以降に発生しなくなったのかを問う本。

    作者の住んでいる村を中心に書かれていたが、
    もっと全国的な事例も知りたかった。
  • 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか
    「キツネに化かされる」という視点から日本を読み解く、挑戦的なテーマ。
    やや無理がある気もするが面白かったです。