稲田豊史のレビュー一覧

  • ぼくたちの離婚
    すべてのケースに人生を感じる。男側にしかインタビューしていないという形式は正直どうかと思ったが、実際に読んでみるとかなりうまく作用している。
    どうみてもクソな男のクソな話も本人の口から語らせると重みが出てくるし、サイコパス男の一方的な言い分もそのまま載っているのでかえって空恐ろしさが出ている。男から...続きを読む
  • ぼくたちの離婚
    離婚経験者へ離婚へ至った顛末をルポルタージュしたもの。類書に例を見ないのが、対象者が全員男性で、夫側の言い分しか載せていないことである。

    離婚といえば、一般的には女性側が被害者というステレオタイプな見方が支配的だと思うが、普通に考えてみれば、男性側が被害者である場合も多々あるはずである。男尊女卑な...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
     昨年度の新書大賞第2位。
    自分も1.3倍速で観がちだけど…
    若者を中心にそんな人たちが増えた背景は
    ①映像作品の供給過多②現代人の多忙に端を発するコスパ(タイパ)志向③セリフですべてを説明する映像作品が増えたこと。
    ①の背景には映像供給メディアの多様化と増加(昔はテレビだけだった)②の背景にはSN...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    Audibleにて。
    「自分のリテラシーが低いのが浮き彫りにされるのが怖い」とのことであった。この話も低い自尊心と強すぎる自己愛に繋がる話だろう。*「傲慢と善良」「先生、どうか皆の前で褒めないでください」につながる。
     
     見ても分からない、情報を読み込めない…だがそれを「作品が悪い」と恥じることな...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    映画やテレビドラマ、アニメといった「コンテンツ」に対する現代人の向き合い方について考察した一冊。

    テレビドラマ好きの自分には、ドラマや映画を倍速視聴する発想はないなと思いながら読み始めた。しかし読むうちに、考えてみたら自分も情報を得るためにyoutubeを見るときには倍速視聴しているな、ということ...続きを読む
  • ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生
    いやー良かったですね。
    ありそうでなかった本です。ポテチ好きな自分って色々勉強になりました。
    そして開発にも関わってろ自分にはとても有意義な本でした。でもそれが文化史になってるから驚きですね。
    ぜひ皆さんにおすすめしたい本です。
    著者に大あっぱれをあげたいですね。
    ご苦労様でした。
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    映画を倍速で見る若者の状況を深掘りしたら、サブスクの登場はもとより、日本の景気低迷や個性重視の教育、LINEグループの同調圧力やSNSなど、大人の世代からは見えなかったプレッシャーの多い過酷な環境が浮き上がる。

    ちょっとした今どきな行為の裏にここまでの闇があるとは、読んでいてい少しキツかった。正直...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    ミレニアル世代、かつ映像関係者の自分。倍速視聴はしないが、「とにかく時間が無い」「人気のあるものを見たい」という感情はよく理解できる。だが、快適主義の章はなかなか理解しがたかった。映像を鑑賞する際、感情のアップダウンや驚きが楽しいのに、それがむしろストレスになるとは…!と衝撃。

    本書は倍速視聴する...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    倍速で映画を見る人がいるという違和感から来たテーマ。作品の供給過多、コスパを求める若者。作品ではなくコンテンツ、鑑賞ではなく消費、等多くのテーマが含まれる。知りたいところだけ知りたいとか、分かりやすく作らないと今の若者には難しいと判断されてしまうとか、SNSで感想を直ぐに発信出来てしまう事とかサブス...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    映画は等倍派なので、倍速で見る人を理解できなかったが、倍速で見るのは、それに伴った時代背景や、置かれている環境による起因もあるというとこを知った。
    自分の価値観と一致しない時は、そうなった背景や理由を考えることも重要なのかもしれない。。。
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    『映画を早送りで観る人たち』というタイトルに惹かれて買ってしまった本。
    Youtubeなどの動画コンテンツの倍速機能を自分も無意識に使ってしまうので、その深層心理が何なのか興味が湧き読み進めていったが、このテーマから現代社会を論じており、とても面白かった。
    大量に溢れるコンテンツの数だけ作者の思いが...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    ライターであり漫画原作も手掛ける稲田豊史さんの著。

     Z世代を中心に、「映像作品を早送りで観る」という視聴層の心理や、彼(女)らを取り巻く状況について考察する本です。

     私自身はほぼ1.5倍速や2倍速をしない人間ですが、
     この本を読み終えてみて思ったこととして、確かに傾向としてはZ世代が該当し...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    めちゃくちゃわかるところ多かったな〜
    自分自身映画を作っていて、今後も映画会社で働くわけだけど、時代に迎合した柔軟な考え方絶対必要だよな。「こうあるべき」みたいな理想論をいつまでも堅持し続けてたらそれこそ老害になっちゃうし。ただ途中で出てきたジェンコ・真木太郎の「視聴者の幼稚化が原因だ」みたいな言説...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    映画やドラマを倍速視聴するのはケシカラン!という思いがありつつも、自分もYouTubeや情報番組は倍速視聴してしまうので、この温度差が自分の中で消化しきれていなかったが1つの答えが見つかった。
    映画は作品、YouTubeはコンテンツと捉えてるのね。でもこれもあくまで主観の違いのような気もするな。
  • ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生
    19世紀、サラトガ・チップスとして誕生した「料理」が、日本で製造されるようになるのは、終戦後まもなくのこと。
    高級おつまみから、子どものおやつへと次第にポジションを変えていく。
    調理機械や機能的なパッケージの開発に留まらず、販路や配送のことにも目配りされている。
    こういった経緯も、初めて知ることが多...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    映画やアニメやニュースが倍速で消費されている現代について、なぜ倍速されるのか、倍速文化が根付くことでコンテンツ制作側はどのような対策を今後とっていく必要があるのかを体系立てて解説された本。

    電気がない生活に戻れないのと同じで、倍速視聴を止めることはできない。だから倍速する人がいる前提でクリエイター...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    倍速にしてまで見るのは楽しいのだろうか。
    それは読んでも共感は出来なかった。
    そこまでして情報を入れようとしている人は、本当に有意義なインプットになっているのだろうか。

    好きなシーンを何度も見るのは理解できる。私もやりたくなる。
    そして嫌なシーンを飛ばしたくなるのも分かる。

    けれど倍速で映画やド...続きを読む
  • 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~
    タイトルを見て「これは自分だ!」と感じ購入。動画を観る際、無意識に倍速視聴にする自分がいる。本書を読んで、その要因が内的なものだけでなく、環境による外的要因にもよるということに気づいた。

    主な外的要因
    ・サブスクシステムによる動画の価値低下
    ・倍速機能の実装
    ・スマホやタブレットの普及
    ・気軽に口...続きを読む
  • ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生
    お菓子も立派な文化であって、それを生み出した人たちは(そんなの当たり前だと言われてしまいそうだけど)すごく本気だし、命をかけてきたんだと気付かされた。戦後日本文化史としても勉強になる内容。
  • ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生
    中公新書「サラ金の歴史」を読んでから産業史って社会史であり、生活史であり、人々の欲望の歴史である、と気づかされています。この朝日新書は、それをポテトチップスで実現しています。もう序章で『「国策」が生み、「団塊ジュニア」が育て、「下流社会」が発展させた、ポテトチップス・イン・ジャパン。』と大まかなサマ...続きを読む