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日本人はなぜ、こんなにもポテチが好きなのか?〈アメリカ〉の影、〈経済大国〉の狂騒、〈格差社会〉の波……。ポテトチップスを軸に語る戦後食文化史×日本人論 /『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ─コンテンツ消費の現在形』で注目の著者、待望の新刊!
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Posted by ブクログ
私にとってポテトチップスは、無くてはならないもの。 身体に良くないと思いつつ、それでも買ってしまう。そして、一人で一袋ペロリ……今金男しゃくは、毎年買ってしまう。 なぜ、こんなにポテトチップスが好きなのか知りたくてこの本を手にしました。こんなに歴史が詰まっているなんて、思いもしなかった。 企業努力&...続きを読むamp;戦略に、感謝! そして、今日も湖池屋からポテトチップスが段ボールで届きました!味わおう!
ポテトチップスが、ラーメンやカレーなどの日本の国民食に位置づけられていることを実感した。「ポテチ」が無性に食べたくなった!
日本におけるポテトチップスが、どのような歴史を辿り日本人にどんな影響を与えたのか論じた画期的な一冊。 この表紙を見て完全に衝動買いをしてしまいましたが、子どもの頃から今に至るまでポテトチップスを好んで食べている私にとって、衝撃の内容でした。ほぼ同年代である著者の思い出は自分と重なることも多く、我が事...続きを読むのように読み進めました。 著者は、ポテトチップスが「日本社会に必要不可欠な食べ物」であるとし、「国民食」の定義「国民の食生活に必要不可欠である」と照らし合わせ、現代日本の国民食であると結論づけています。 また、なぜ日本人がこんなにもポテトチップスが好きになったのかという点について、本書では「欲望の充足装置として機能したから」という論が軸に展開されており、日本における開発の秘話、歴史などを紹介しながら、当時の世相や経済状況、日本人の気質などと合わせて論じている本書の内容に 感心するばかり。なかなか興味深い一冊となりました。 ▼それらのサービスは「安価」で提供されなければ許されない。 日本のプロダクト生産者たちは、それがたとえ信じられないほど安価なモノやサービスであっても、「消費者の嗜好を微に入り細に穿って把握し、完璧に叶える」ことに長年心血を注いできた。これぞ日本が誇るサービスの美点であり、かつての国際競争力の源泉であったのは確かだ。 一方、たった数百円のファストフードにすら最高の品質を求め、時給数百円のバイト店員にすら最高のホスピタリティを求める、悪しき「お客様は神様」気質が抜けない国民性もまた、この国の伝統だ。 ▼現在のSNSで、見た目や質感が映える料理写真ほどバズって拡散されることに通じるものがある。極論すれば「おいしいから食べる」のではない。「コミュニケーションが捗るから食べる」。40年間変わらぬ日本人気質と呼ぶべきか。 ▼百数十円ぽっちの袋の中に、日本の食品加工技術の粋が詰まっている。思えば牛丼チェーンの定食にしろ、激安だった頃のファストフードのセットメニューにしろ、つくづく筆者も含む団塊ジュニアは「圧倒的に安く、圧倒的に高い品質のサービス」に若い頃から慣れ、というよりも甘やかされて育った。 ▼ポテトチップスメーカーの先人たちが、日本人をポテトチップス好きにしたのだ。 彼らは日本人の味覚に合うフレーバーを探し、試行錯誤を重ねて開発し、人々に受け入れられる商品を生み出し続けた。日本人のポテトチップス好きは、戦後の短期間で成し遂げられた「人の作りし嗜好」である。ジャパニーズ・ポテトチップスは、日本人が極めて短期間の間に、ある意思のもと人為的に作り上げた食文化だ。 日本人は海外のものをそのまま受け入れるのではなく、自分たちの嗜好や環境にフィットさせるべく、念入りに調整と改造を重ねる。 ▼自国文化をベースにアジアも欧米も節操なく取り入れ、こねくり回しながら、最終的には自家薬籠中の物としてしまう。日本人が古から得意とするそんな手腕は、ポテトチップスというフォーマット上でもいかんなく発揮された。 <目次> 序章 2017年のポテチ会 第1章 ジャガイモを受け入れた戦後日本ー日本食化するポテチ 第2章 団塊ジュニアの胃袋を狙うー大衆化するポテチ 第3章 欲望と消費と経済成長とプラットフォーム化するポテチ 第4章 下流社会が求めた“貧者のパン”ージャンクフード化するポテチ 第5章 経済低迷とダイバーシティー国民食化するポテチ
日本人によるポテトチップスの受容史・需要史はそのまま、日本社会が豊かになり、日本人が食に対してささやかなる欲望をむき出しにしていった過程の映し鏡でもある。 私はポテチをたくさん食べる方でも無いが、 全く嫌いではなく、ちょっとヘルシー気味に過ごしたい気持ちがあるからなんとなく避けているだけで。 この...続きを読む本読みながら何回のり塩を食べたかわからない。 (九州しょうゆ一択で過ごしてきた自分を殴りたい) ポテチは欲望の充足装置であり、流通と安定供給をかなえるカルビーと戦う湖池屋の高級化戦略というブランディング対決の場であり、SNS時代の自己表現ツールである。とても面白かった!
ジャケ買いして大成功だった。 日本のポテトチップス史をまとめた壮大な著書。 ここまで多様化する日本のポテトチップスの変遷について社会背景と共にまとめられた貴重な一冊。 刺激的で魅力的な本だった。
ポテトチップスの歴史と日本人の関係について本気で書かれた一冊! 今までのポテトチップスが紹介されてて楽しく読み進められます。
ポテトチップスの歴史、そしてどのように日本人の間に広がってきたのかよくわかります。各メーカーが試行錯誤して凌ぎを削ってきました。お菓子ではありますが、国民食の一つと言ってもいいのではないでしょうか? 私もポテトチップスは大好きです。カルビーなら「バターしょうゆ」「しあわせバター」、ギザギザ「味わいし...続きを読むお味」が、湖池屋なら「プライドポテト」が好きです。 ポテトチップスが食べたくなってきました!
いやー良かったですね。 ありそうでなかった本です。ポテチ好きな自分って色々勉強になりました。 そして開発にも関わってろ自分にはとても有意義な本でした。でもそれが文化史になってるから驚きですね。 ぜひ皆さんにおすすめしたい本です。 著者に大あっぱれをあげたいですね。 ご苦労様でした。
19世紀、サラトガ・チップスとして誕生した「料理」が、日本で製造されるようになるのは、終戦後まもなくのこと。 高級おつまみから、子どものおやつへと次第にポジションを変えていく。 調理機械や機能的なパッケージの開発に留まらず、販路や配送のことにも目配りされている。 こういった経緯も、初めて知ることが多...続きを読むく面白い。 さて、現在は、輸入物から国内の定番商品、期間限定のキワモノ的なもの、そして「サードウェーブ」まで、恐ろしく多様なものとなった。 どれを選ぶかは、自己表現の一環。 ポテチが欲求の対象ならぬ、「欲望の装置」となっていく様を描き出す。 ちょっと細かいところでは、ジャガイモが西洋ではさげすまれていた背景に、おしべとめしべによって殖えない(地下茎であるタネイモで殖える)ことがあるという記述があった。 イメージが悪かったという話は他の本でも読んだことがあるが、事情がそこだったとは。 ポテチは「日本食」なの?とか、「欲望の装置」なんて大げさな、と思いつつ読んでいったが、読み終わると納得させられた。 これまでこのテーマでは書かれたことがなかったとすれば、大変な労作だろう。 新書としては文体が柔らかめで読みやすかった。 困るのは、ポテチが食べたくなることかな。
お菓子も立派な文化であって、それを生み出した人たちは(そんなの当たり前だと言われてしまいそうだけど)すごく本気だし、命をかけてきたんだと気付かされた。戦後日本文化史としても勉強になる内容。
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ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生
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稲田豊史
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