松永美穂のレビュー一覧

  • 車輪の下で
    バッドエンド、暗い話ウェルカムなので、最高なラストではあった。まぁ、夢オチ、とは言わないけど、ああいうラストはズルい感じもする。けど、わたしは、ああいう風に投げ出して解釈任せて想像させてくれるのも好きだから、良かった。
    うーん、でも、ハンスは何一つ間違っていないからこそ、彼を死なせてしまうことにより...続きを読む
  • アルプスの少女ハイジ
    短くなっているので、当然、細かい心理描写や経緯の説明が除かれている部分はあるのですが、それでも違和感なく一冊が仕上がっており驚きました。
    このシリーズは初めて読んだので、他の作品もきれいにまとめられているかは読んでみないとわかりませんが、シリーズの他の書籍にも期待したくなる良編集と思います。

    でも...続きを読む
  • 朗読者(新潮文庫)
    是非オススメしたい本です。(私の1番大好きな本)

    ◆ホロコースト時代の「ドイツ人」と「ユダヤ人」の禁断の悲劇の恋愛物語  

    【あらすじ】
    15歳のドイツ人少年のミハイルが帰宅途中嘔吐してしまい、そこに現れたユダヤ人ハンナが助けたことで、2人が出会った。最初は、お礼の挨拶をするためにお家に行くが、...続きを読む
  • アルプスの少女ハイジ
    ハイジが再びフランクフルトからアルムへやってきて生き生きと暮らせるようになったのは、望郷心がただの望郷心を超えてしまう前にお医者様や周りの人たちがそうさせてくれたからなのだと思う。さらにはハイジに、望郷心をただのまっさらな望郷心のまま抱き続けるつよさがあったからだと思う。

    私もあの丘の上に帰りたい...続きを読む
  • 才女の運命
    金のある家に生まれて父親に愛され才能にも恵まれたとしても、女、というただそれだけのことで尊厳は奪われ男の肥やしにされたり心身を潰されたりしてしまうのだ、という救いのない話。そのような女の影を無視して男どもは男を讃え続ける。厭世が増す。しかし教育機会や選挙権の歴史を考えれば女の人権の歴史はやっと始まっ...続きを読む
  • 車輪の下で
    確固たる理由を持っている場合よりも、なんとなく衝動に任せて行動してしまうケースの方が遥かに多い。

    主人公ハンスがなぜあのような最後を迎えたのか。私には明確な理由はないように見えた。精神を削られ、朦朧とした意識になっていたとはいえ、若さゆえになんとなく身を任せてしまったのだろうと。ただ、それが非常に...続きを読む
  • 文庫で読む100年の文学
    帯に書かれた「ポケットに世界文学全集を!」の通り。未読の作家、本を知るいい機会になった。それにしても未読の多さ。それもよく楽しみが増えたと思うことにする。
  • 朗読者(新潮文庫)
    親子ほど歳の離れた2人の恋愛を描き、戦争で分断された世代間の闘争(ナチスに加担したかどうか)が浮き彫りになる、、

    ハンナアーレントの「悪の陳腐さ」とは、実は当事者も苦しむものだったのだ!と思わされた

    だからこそ、人間の悪とは陳腐なのかも。
  • 文庫で読む100年の文学
    読売新聞の書評欄を毎週楽しみにしている。その中の連載コラムが一冊の本になった。海外60冊、日本40冊の計100冊。その上、執筆者が豪華。
    読んだ本の書評を読むのも楽し、未読も参考になるし、これは長い付き合いになる本。
  • 朗読者(新潮文庫)
    薦められて読んだ本ですが、本当に読んで良かったと思える1冊でした。

    「あなたならどうしましたか?」という言葉が本全体にかかってくるようで重い。
    この言葉が苦しいのは、ハンナは裁判長をせめるつもりもなく、本当に分からなかったから何でも知ってそうな人に教えてほしかっただけで... という...
    裁判長...続きを読む
  • みずうみ/三色すみれ/人形使いのポーレ
    19世紀ドイツの作家シュトルムが、青春や家族の心理を詩情豊かに描いた3篇を収録。切なさと愛しさと心強さと。

    みずうみ、この作品は新海誠の『秒速5センチメートル』を彷彿とさせる。なぜ、連絡をとらなくなったのか、なぜ、こうなってしまったのか。長い時間における心理の描写がすっぽり抜けていて、こちらが想像...続きを読む
  • 朗読者(新潮文庫)
    文盲であることの恥と苦しみはどれほどのものだろう。それを知られるくらいなら、戦犯として裁かれ服役することを選んだハンナ。
    文字を学び、本を読んだことで初めて自らの罪の重さを知った時、、、
    どうしようもなく切なく胸を打つラストでした。
  • ナチ・ドイツ最後の8日間 1945.5.1-1945.5.8
    【この世の終わりのような悲観的な気分が一方にあり、さあ、これからだ、という覚醒の雰囲気が他方に存在しているのだ】(文中より引用)

    ヒトラーが自死してからドイツの降伏に至る8日間を描いたドキュメント。戦争にひた走った独裁者を失った後の歴史的な1週間余りを、数多くの証言と共に振り返っていきます。著者は...続きを読む
  • 車輪の下で
    優等生の少年ハンスの苦悩と破滅が描かれた小説だが、本筋以外にも様々な楽しみ方ができる。私はなんだか、やたらと「オタク的」な読み方になった。

    例えば第1,2章は神学校の試験に向けた勉強と受験本番、そして受験後の解放というハンスの心情の移り変わりが秀逸。情景や周辺人物の描写も、ともすれば必要以上なほど...続きを読む
  • 朗読者(新潮文庫)
    めちゃくちゃ深い本でした。
    序盤の恋愛話からの急展開、、最後の結末!へと続くストーリーにハマり、先が気になって、一気読みしてしましました。
    再読したくなる深い本でした!!
    ぜひぜひ読んでみて下さい。
  • 朗読者(新潮文庫)
    個人的に推しているイラストレーターさんが、この作品から着想を得て漫画を描いたと言っていたのを見て、気になって軽い気持ちで手に取ってみたのだけど、
    朝の通勤電車や会社のお昼休憩や、家で寝る前のベッドの上で、何度涙を堪えながら読んだことか。

    【いつか終わりが来る】と心のどこかで気づいていても、その人...続きを読む
  • 朗読者(新潮文庫)
    年上の恋人が突然いなくなり、その後戦争犯罪の被告として裁判に登場する、という様な話なのですが。とにかく人間描写が見事。「人生においてぼくはもう充分すぎるほど、決断しなかったことを実行に移してしまい、決断したことを実行に移さなかった。」
  • 朗読者(新潮文庫)
    25年ぶりくらいの再読
    当時に比べて細かい所の
    描写に気づいたり
    理解出来たり
    読みなおしして良かった
    恋愛小説?みたいな扱いを
    受けてる時があるけど
    もっと深い物語だと思う
    一二三館書店にて購入
  • 車輪の下で
    ノーベル賞作家ヘルマン・ヘッセの代表作のひとつ。大人たちの期待と詰め込み教育に押しつぶされる少年の軌跡。

    悲痛な話だ。日本人に特に人気があるというのも、少年ハンスにはどこかしら共感するものが多いからだろう。繊細な感性と周囲の視線。友情と恋愛における齟齬。思春期における様々な問題のすべてが、何かをか...続きを読む
  • みずうみ/三色すみれ/人形使いのポーレ
    スミレには、継母とその子供と継子の椅子を表す、と言うのを「野生の思考」で読んだような(冒頭だけ読んで終わってしまったけど、たぶんいつかまた)。

    有名らしい「みずうみ」知らなかった。シュルトムすら聞いたことがなく「人形使いのポーレ」も初めて読んだ。が、「三色すみれ」って知ってるなあ。何処でいつ読んだ...続きを読む