松浦寿輝のレビュー一覧
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中村文則さんのエッセイを最近読んだので、その繋がりで読みました。
太宰治の人となりについてはほとんど何も知らないので、読む前の勝手なイメージでは「気難しく人嫌い」な人かと思っていましたが、作品を読むと「ユーモアの感覚もあって、実際に話せばあんがい話好きな人だったんじゃないか」という印象を受けました...続きを読むPosted by ブクログ -
短編小説。
中には情景がぼんやりしたまま終幕になったものもあるが、大半は程よく心地良い作品。
日本には暦のほかにこんなにも豊かな四季の表現があると温かさも得た。Posted by ブクログ -
おもしろっ。
カワウソみたいな猫みたいな人外が
ディストピア的な世界を歩くキャッチーさと
人外の意識「わたしたち」と過去と未来と偶然と必然をらせんに例えるよくわかんなさが程よいバランス。
表紙もすてき。Posted by ブクログ -
すごい熱量をページ数からも内容からも感じた。カッコいい。
あぁ、そっちへ行ってはダメだよ、と思うけど行かずにはいられないのでしょうね。最後のビリヤードのシーン、震えたわ。Posted by ブクログ -
女性作家が選んだものとはまた違う感覚の作品も多く、未読作品が多かったのでとても楽しめた。餐応夫人がすき。この作家さんはこういう作品を選ぶんだなぁ…って部分でも楽しめてなんだかお得。Posted by ブクログ
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「あやめ」の始まりかたが好きだと思う。事故で死んだ木原が立ちあがり死んだことを分かりながらずれた記憶の中を歩いていくところ。隣り合わせの記憶の世界では死者が生者のように動いている。「鰈」は「あやめ」にも出てきた土岐が死者の地下鉄に載って地獄の世界に足を踏み入れていくまでが書いてあった。これはちょっと...続きを読むPosted by ブクログ
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現実と幻想(?)のはざまを漂う男3人のそれぞれの話が、あとがきにもあるようにまるで輪のようでした。
生きていることと死んでいることは、近いというより、少し重なっているのかなという気がしました。線を引くようにくっきり分かれるものじゃなく、生きてもいるし、死んでもいるし、そんな感じがしました。Posted by ブクログ -
社会の底辺で幽明の境を彷徨う男達が落ちてゆく失墜の中に呑み込まれながらも、幸福を見出してゆく過程を描いている。虚実が定かでない幻想世界に今回もどっぷりと浸らせてもらった。花腐しや幽に比べると幾分弱いか。Posted by ブクログ
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三本の短編からなる連作小説。
主人公は多少の違いはあれ生と死の狭間の世界にいる。
「あやめ」は生と死の間に生えているとされる花で、主人公の旧友がママをするスナックの名前でもある。主人公は交通事故にあって死んだはずの男だ。
「鰈」は泥酔して記憶があいまいになりいつ買ったかわからない魚がクーラーボックス...続きを読むPosted by ブクログ -
香港、戦前、日本人中国人イギリス人、3人な男の話。
中国に取り込まれ前に行けて良かった。
確かに仕事で何回も行ったが、石垣との旅が思い出された。
日本人とイギリス女のその後など、日本人のその後がないのは致命的な欠陥、と思い直し 四つ星から下げたPosted by ブクログ -
12人の作家による秋冬の歳時記にあわせた短編集。はじめましての作家も数人。好みはそれぞれあるけれど、こんな編集でなければ出会わなかったと思う。
春夏編が先だったと知る。Posted by ブクログ -
講演会で江國香織さんがオススメしていた旅エッセイ。旅エッセイというと旅行先で起きた事件を面白おかしく綴っているものが多いイメージだけどこれは旅行先で筆者が味わったひたすら寂しい気持ちが綴ってある。読んでると「何やってるんだ…」ってなんかいたたまれない気持ちになる。読んでて台湾に行く時に飛行機のエンジ...続きを読むPosted by ブクログ
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趣味を人に合わせてコミュニケーションの手段にしてしまう、ご飯の為に適当に合わせる…つまり〇〇を見れば〇〇は興味を持てない人生を上手く生きるためのものかもしれません
自分の個性について考えさせられる作品でした。人が冷たくなるってこんな感じなんだと思いマス。Posted by ブクログ