松木武彦のレビュー一覧
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自分にとって良い本とは、読んだ後にこれまで意識しなかった世界を想起させてくれる本です。美と考古学の観点から古代の世界観をわかりやすく描き出し、近現代を生きる我々との相違を浮き彫りにしたことで、自分の中に人間像に対する新しい疑問が生まれたことが個人的な収穫です。
古代が好きな人には情報量は物足りないの...続きを読むPosted by ブクログ -
旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古墳時代それぞれにおける、人々の思想的な営みがよく理解できた。本書で扱う原始時代という時代は、文献資料がない時代ということで、古代以降の歴史と比べて当時の人々の理性的・人間的な部分を軽視してしまいがちな時代であると思う。しかし、そこには人間の理性の萌芽ともいえる「文明...続きを読むPosted by ブクログ
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本書は、1930年から1955年の25年間の歴史を、著者が聞き取りをした5人の人々の経験と照らし合わせながら考察する日本史の通史書である。
政治に目を向けがちだった戦中・戦後史に、庶民の人生を反映させることで、当時の時代背景がよく理解できた。
本を読み、史料を読み解くだけでは分からない、聞き取り...続きを読むPosted by ブクログ -
「鎖国」というカッコ付きの表現が使われるようになって久しい。江戸時代の日本は実際には国を鎖ざしてはいなかった。ではなぜ鎖国という概念で江戸時代が語られるようになったのか? 実態はどのようなものだったのか? 朝鮮通信使を利用する幕府、海外の情報収集に熱心な幕府、吉宗の輸入品国産化プロジェクト、異国人に...続きを読むPosted by ブクログ
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さくっと、考古学的エッセンスを交えながら古墳について学ぶことができる。専門的知見もふまえながら概説してくれるのでありがたい。例えば、須恵器の編年で年代特定していること(稲荷山古墳鉄剣)など今までなんとなくだった知見が更新された思いだ。また、古墳の見つけ方では、最近のGISを用いて古墳を発見した人など...続きを読むPosted by ブクログ
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美の考古学、古代人は何に魅せられてきたか ということで、従来の考古学にはないアプローチの仕方、つまり、
第1章 人類は美とどうかかわってきたか
第2章 形の美の変遷
第3章 数と図形の美
第4章 色と質感の考古学
という方法をとり、その中身を詳しく述べている。
その成果を踏まえ、
第5章 美の人類史...続きを読むPosted by ブクログ -
考古学者である著者が、ヒトの確かな足跡が発見される旧石器時代から、巨大古墳が築かれる5世紀までの4万年の日本列島の歴史を文字の記録に頼らず、物質資料のみで描いた大作。
何より新鮮だったのが、歴史科学の再生において「認知科学(ヒューマンサイエンス)」をベースにし、人の心の普遍的特質から人の行動を考古...続きを読むPosted by ブクログ -
文字による記録がほとんどない5世紀までの日本古代史について書かれた本。
文字資料がない、つまり物質資料しかない時代における社会のあり方や人々の心を読み解こうというのが、本書の趣旨となる。認知考古学という学問があるというのを初めて知った。読み物として非常に面白い。まさにこんな本を読みたかった。
た...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
遺跡や文字から読み解く古代社会の実像。
[ 目次 ]
第1章 「王」「大王」から「天皇」、「倭」から「日本」
第2章 米作国家の始まり
第3章 古代人は自然とどのように向き合っていたか
第4章 資源を活用して特産物を生み出す
第5章 海の道・川の道を見つめ直す
第6章 東アジア交流の...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
[ 目次 ]
第1章 大恐慌と満州事変
第2章 大日本帝国としての日本
第3章 総力戦の時代
第4章 アジア・太平洋のなかの日本の戦争
第5章 戦争の終わり方と東アジア
第6章 占領と戦後の出発
第7章 戦後社会をつくる
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ ...続きを読むPosted by ブクログ -
扱っている時代は5世紀から9世紀まで。
歴史的な出来事や人物を特に取り上げたわけではなく、この400年で人々がどのように変化していったのかと言う点を説明してます。
史料のみならず、発掘された考古遺物の写真もしようされ、当時を生きた人々の息遣いが聞こえてきそうな内容です。Posted by ブクログ -
[ 内容 ]
歌舞伎に旅にと庶民はいかに文化を楽しんだのか。
江戸の文化をひもとけば今の暮らしが見える。
歴史が未来を切り拓く。
[ 目次 ]
はじめに 江戸時代における庶民の生活文化
プロローグ 無事と士農工商の世
第1章 ねぐらから住まいへ
第2章 暮らしを潤す
第3章 学ぶ、知る
第4章 文...続きを読むPosted by ブクログ -
旧石器時代から古墳時代までの約4万年が対象。
当時の気候や土器、墓等の出土品から人々がどのように歩んで行ったかを検証していく。
なによりこの本が特徴的なのが、上記要素に加えて「心の科学」認知科学を用いて既成の解釈に囚われずに、新たなアプローチでこの時代を検証しているところ。
文字による記録が...続きを読むPosted by ブクログ -
飛鳥・奈良時代。
朝鮮半島から中国へと国交の重点が次第にシフトしていく時代。
日本は律令国家として地方を支配下に治め、次第に「国」として機能し始めていく。
その中で、地方の豪族が国家の一機関に変貌していく様子や、戸籍や税制、役人のはじまり等、
今回も豊富な資料をもとに解説されている。
冠位...続きを読むPosted by ブクログ -
今も歴史遺産の恩恵に与っている京都。
の始まり。
平安京。
今も都市として機能しているため、発掘作業が難しく当時の様子を伝える資料もなかなか見つけづらい。
そこで、当時の人々が詠った和歌を解読することにより、当時の様子を調べるというアプローチは中々おもしろかった。
唐文化の影響。
宗教と...続きを読むPosted by ブクログ -
現在もなお発掘され新発見が続いている日本最古の文字の遺産。
それを解読するとこによって見えてくる当時の日本。
「日本」「天皇」の称号を決める際に中国を大いに意識していたこと。
各地で発掘された行政書類から、その書き方や文字の習得の程度を分析し、律令制度が地方にどの程度浸透していたか。
等々...続きを読むPosted by ブクログ -
イエの形成、神仏の興隆、武士の台頭、地方役人の繁栄。
公家社会から武家社会へ。
政治が変えたというより、市井の人々を巻き込んだうねりが内側から社会を変えて行ったって感じなのかな。
歴史の教科書的内容は次巻でどーぞ。Posted by ブクログ -
本書の主な内容
〇前方後円墳の成立年代
・鏡や土器の型式の検討、年輪年代、放射性炭素といった複数の手続から、纏向の前方後円墳は3世紀前半には出現し、半ばごろには箸墓が完成していた(76頁)。
・一方で経済の中心については、生産技術の一つのメルクマールである鉄器を見ると、鉄センターの拠点は九州北...続きを読むPosted by ブクログ -
古墳の変遷や最近の発掘成果や学説が分かり面白い。NHK「英雄たちの選択」で松木先生の古代へのロマンを熱く語る語り口を聞いて、この本を読もうと思った。古墳から当時の人々が古墳に情熱を注いだ理由や、古墳の盛衰、古墳が作られた後どのようにみられてきたのかなど、様々な視点で古墳を知ることができた。Posted by ブクログ