松木武彦のレビュー一覧

  • 美の考古学―古代人は何に魅せられてきたか―
    人の脳の実に1/4が美を認知するための部分だと脳科学者の中野信子さんは言った。
    じゃあ人は美をどう必要としてきたのか?めっちゃタイムリーに興味があったので、とっても面白かった。社会的な情報ツールである側面やモノ時計の感覚は特に興味深かった!
  • はじめての考古学
    大学時代の恩師のお名前を本屋でお見かけして、思わず購入。
    分かりやすい文章、語りかけてくる文体に当時の講義を思い出しました。

    「はじめて」と銘打っているだけあって、まずは考古学が扱う年代や史料についての話から入り、実際に旧石器時代から古墳時代にかけての時代解説。
    そして考古学が現代人にとって、どう...続きを読む
  • はじめての考古学
    最新の考古学の成果を比較的平易な言葉で分かりやすく解説してくれる初心者にも優しい良書。邪馬台国や天皇家については意図的にぼやかしてる?のが残念。
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    日本の中世後半、鎌倉幕府の滅亡後の「建武の新政」から南北朝を経て、応仁の乱とその後、戦国時代の幕開け直前を扱った、「日本の歴史」第7巻。
    キーワードは、タイトルにもある通り「悪党」。鎌倉時代までの「悪党」の概念が、室町時代にはどのように変容したか、最初と最後でわかる仕掛けになっている。天皇と武家と寺...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第6巻 京・鎌倉 ふたつの王権
     歴史では中世が好きなので、ヨーロッパ中世に関する本はちょこちょこ読んでいたけれど、日本の中世について編年的に論じ掘り下げた本を読むのは、今回が初めて。知らないことばかりで大変勉強になりました。
     文章が堅苦しくなく、たいへん読み易かったです。各章のインターミッションに、平安貴族の男色(なんしょく)...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第8巻 戦国の活力
    応仁の乱から大坂の陣までの通史。畿内を軸にしながら、地方の動きや社会のあり方なども追っていく。この十数年で既に古くなってしまった記述もあるけれど、コンパクトにまとまっていて戦国時代を概観するのにぴったりの一冊。
  • 考古学から学ぶ古墳入門
    小学6年生のとき、社会の授業(歴史の授業)で古墳について学び、しかも、当時、自分が住んでいた市にも古墳があることを、友人のお父さんから教えてもらい、その友人と、友人のお父さんと自分の3人で、その古墳に見学に行きました。

    そのとき以来、古墳には興味を持っているのですが、この本で読んで、古墳は奥が深...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第12巻 開国への道
    本書の前半がロシア帝国との交易と領土交渉過程にあてられ、国防意識の高まりが浮かび上がる。後半は内政問題。飢饉と大塩平八郎の乱、最後に庶民剣士の隆盛と意外なところを持ってきて、幕末へと繋がる流れ。
  • 全集 日本の歴史 第1巻 列島創世記
    日本列島の旧石器時代から縄文、弥生時代までを認知考古学という新しい手法で述べた試みである。認知考古学では、当時の人々の考え方から考古資料を読み解く。例えば、縄文時代は平等ではなく競争社会だったが、それを合理化するための儀式として土偶や祭具が使用されたという。
  • 全集 日本の歴史 第3巻 律令国家と万葉びと
    飛鳥、奈良時代の400年は、日本という国家が確立し、整えられていく時代。暦や文字、年号が使われ、国による支配体制が確立していったのがこの頃。

    仏教が朝鮮半島から伝わり、東アジアとの外交かが始まったのもこの頃で、現代にも生きているあらゆる制度や仕組み、技術が生まれた。

    遠い過去の歴史を紐解き、原点...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第2巻 日本の原像
    日本の出発点である古代律令国家から王朝国家への転換までを描く。
    文字文化や稲作技術など目覚ましく普及、発展するもの。国家の形が変貌する過程で道路規模のように縮小するもの、戸籍制度のように消滅するもの。今は当たり前で当時は存在しなかったという「家」という概念。それぞれには意味があり、歴史に学ぶことは意...続きを読む
  • 美の考古学―古代人は何に魅せられてきたか―
    日本古代史を政治や経済ではなく「美」で捉え直す。博物館・歴史資料館において、展示されている実物を見ずに説明パネルを読んでいるような考古学のあり方と一線を画す。
    文化のライフサイクルとも言うべき、素朴段階(発現期)、複雑段階(機能的役割以上の社会的メディア)、端正段階(機能優先)の考え方はピラミッドを...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第2巻 日本の原像
    日本の古代史部分を新視点ということで新たな切り口で眺めてみようという試み。
    イネの伝播については、古代では品種にこだわり最大収量が確保できる工夫があった。
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    室町時代の人々の暮らしを知るために購入。実際には商業や農村が発達し、民衆も活発な時代なのだが、幕府や天皇などの動きではなく、民衆の歴史を中心に俯瞰して読める室町期の歴史書は当時ほかにあまり見当たらなかった。福山駅前にある広島県立博物館(草戸千軒ミュージアム)の実物大復元模型等と併せて読むと非常にわか...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第9巻 「鎖国」という外交
    「新視点近世史」ということで、江戸時代全般を“「鎖国」という外交”のテーマで概括する。前半部では、幕府にとっての朝鮮通信使の意味、「4つの口」による東アジア世界との貿易と外交などがわかりやすく書かれているが、後半部になると、絵画史料をもとに大衆にとって異国人のイメージはどのようなものだったのか、どの...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第7巻 走る悪党、蜂起する土民
    鎌倉幕府滅亡、南北朝動乱から応仁の乱終結までを扱う。悪党と一揆という視点を入れていますが、政治史中心で読みやすい。第8巻を先に読んでいたのですが、ようやく時代のつながりが見えてきました。セットで読むべきですね。
  • 全集 日本の歴史 第13巻 文明国をめざして
    幕末維新を庶民の観点で考察しており、学校で学ぶ歴史とは異なった側面を学ぶことができる。新鮮な切り口もあり、一読の価値あり。
    四民平等が部落差別を生んだことなど、庶民レベルに考えると却って江戸時代の方が「幸福度」が高かったのかもしれない。

    以下引用~
    ・このように、外国貿易は地域・業種・階層によって...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第9巻 「鎖国」という外交
    『全集 日本の歴史』シリーズはかなり質が高くて、歴史的な教養を深める上で非常に役に立つ。

    江戸時代は「鎖国」と言われているけれども、実際はちゃんとした外交的な理由もチャンネルもあったし、「鎖国」によって国内産業が進展していって、それが近代日本の礎になった。また、当時の日本人が考える「世界観」につい...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第8巻 戦国の活力
    戦国時代がわかる本。前半部分は勉強不足で読むの大変でした^^;
    説とかは大雑把なので「?」なところもありますが、通して知るには十分です――一点だけ→秀吉は羽柴姓と豊臣姓を分けて与えていたらしいから、無頓着ではなかったと思いますが……。
    でも面白い逸話も多く、戦国時代を調べてる私にとっては、システムの...続きを読む
  • 全集 日本の歴史 第12巻 開国への道
    おそらく、現時点で最も信頼のおける(最近の研究を元にした)歴史シリーズ。『全集 日本の歴史』も12巻になって、いよいよ江戸時代末期の対外関係と開国について書かれる……のだけれど、面白いのは後半の庶民剣士をテーマにした章だった。

    江戸時代は唯一の暴力機構である『士』が『農工商』を支配した時代、という...続きを読む