山本圭のレビュー一覧

  • 嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~
    嫉妬をギリシャの賢人や哲人時代から現代の思想家に至るまでの文言を元に分析した一冊。現代社会のポピュリズムやヘイトにも繋がる考察が面白かった。

    特にルネ・ジラールの「羨望の三角形」をベースにした「誇示は羨ましがる他者がいないとなりたたない」という話や、三木清の「嫉妬は質的なものではなくて、量的なもの...続きを読む
  • 現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで
    最近読んだ本数冊に民主主義がキーワードとして出てきたので読んでみた。
    民主主義という言葉の曖昧さ、民主主義という枠の中での目標や良いとするものの移り変わりを知れてためになった。
    デモなど選挙以外の政治参加についての見方が変わる。
    理解はしきれてないので後でもう一回読みたい。
  • 嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~
    「嫉妬」という感情を紐解いた書籍はたくさんあるけれど、この本のように政治的な面から分析しているものはめずらしいと思う。だいたいは心理学や哲学系の分野で、嫉妬が思考や行動にどのように影響するかが書かれている
    けれどもこの本は嫉妬とは何かを検討したあとで思想史において思想家が嫉妬をどのようなものと考えて...続きを読む
  • 現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで
    【民主主義というフィクションのいろいろな説】

    学者、思想家の間で唱えられるたくさんの民主主義の在り方のについて、20世紀ごろからの主要な議論が紹介されている。

    あとがきに書かれている通り、包括的ではなく、指導者、選挙、参加型民主主義、などの主要な争点について、主だった政治学者に的を当てて、議...続きを読む
  • 嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~
    嫉妬についての本は初めて読むので、嫉妬について詳しく考えを聞くことが新鮮で面白かったです。
    古代より悪しきものとして思われ続け、人々が苦しんできたものとわかって、恐ろしく掴めない嫉妬という感情が不毛でも人は持ってしまうもの、とわかり妙な親近感というかリアリティが伴って怖さが減りました。

    感想を書こ...続きを読む
  • 嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~
    私の嫉妬は私だけのもの。

    嫉妬を飼い慣らすためには、比較をやめるのではなく、むしろ徹底して比較してみてはどうか?

    -----

    なかなかおもしろかった!
  • 現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで
    シティズンシップ、とかステークホルダーとか、熟議とか言う名目で、ネイション(国民国家)を否定するような民主主義論がその筋にあふれていることを知って背筋がゾッとした。このようなネイション(国民国家)の否定と戦うためには、ポピュリズム的なモノは有効な武器になるなと再認識。

    ああ、「熟議」とか「討論が足...続きを読む
  • 現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで
    割と内容が難しかった。民主主義や政治理論・思想の基礎的な知識がないとところどころ厳しい。

    ただ興味深い点もいくつかあった。普段何気なく使っているような用語も、細かくみてみると自分が考えていた定義や意味合いも結構違っていたりする。
  • 現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで
    20世紀以降の民主主義論について、指導者民主主義、競走型エリート主義、多元主義、参加民主主義、熟議と闘技、現代思想に至るまで、その理論と言説をコンパクトに解説
  • 現代民主主義 指導者論から熟議、ポピュリズムまで
    政治学の視点から、20世紀以降の民主主義観の移り変わりがまとめられています。教育学が専攻である私にとっては、少々難解でした。政治学に関する背景知識があると、読みやすいと思います。
    また、この本から、民主主義の捉え方が多様であると気づけました。この多様な捉え方は、政治学だけではなく教育学(特に社会科教...続きを読む