嫉妬についての本は初めて読むので、嫉妬について詳しく考えを聞くことが新鮮で面白かったです。
古代より悪しきものとして思われ続け、人々が苦しんできたものとわかって、恐ろしく掴めない嫉妬という感情が不毛でも人は持ってしまうもの、とわかり妙な親近感というかリアリティが伴って怖さが減りました。
感想を書こ
...続きを読むうにも中々建設的なことが出てこないのでまだまだ理解できていないのだと思われる。
嫉妬は私感で、民主主義など政治に関係ないと思い込んでいたけれど、そうではなく社会の体制に一個人の嫉妬の感情が作用してまた社会が作られ、というように影響があるのだと知れた。
印象に残ったところ
p116
嫉妬を「あるゆる種類の個々の傑出した人物に対して、凡庸者どもが申し合わせなど抜きに暗黙裡にとり結び、いたるところで栄えている同盟の塊」
p241
社会が価値あると見なす次元が多様であれば、安易な序列化が難しくなり、彼我の比較も容易ではなくなる。それが社会における嫉妬の爆発をいくぶんか抑制することになるのだ。
『ルルドの泉で』の話題に触れたのは初めてだったので何だか嬉しかった。