穂高明のレビュー一覧

  • これからの誕生日
    穂高 明さん、初読み。宮城県出身とのことで、馴染みのある地名が出てる。
    残された者の苦しみ、周りの見守り、嫉妬、何気ない言葉の暴力。主人公千春の視点はないものの、どうして良いか悩みながらも支える人間の視点から感じ取れる。
    生き残った自分、その人にしか分からない。でも、助けになるのは周り。そこで考え、...続きを読む
  • これからの誕生日
    辛いけれどページをめくる手がとまらなかったです。

    バス事故でじぶんだけが生き残ってしまった主人公とその周りで生きている人々の視点から描かれた作品。

    それぞれの気持ちが丁寧に描かれているからこそ上手く伝わらない部分にモヤモヤしたり悔しくなったりしました。


    ゆっくり時間をかけて生きていく。

    ...続きを読む
  • 月のうた
    久々に一気に読んでしまった!
    こんなにストーリーの世界に入り込んだの自分でも驚きかも。
    母親に死なれて継母が来るという設定は、悪い流れかと思いきや、それとは全く逆で清々しい終わり方で気持ち良かった。
    短編集の中に、必ずといって月の存在が出てくるのですが、それも精神のリラックス効果というものでしょうか...続きを読む
  • 青と白と
    東北大震災をめぐり、東京に住む小説家の姉、仙台で不動産会社に勤める妹、津波で死んっだ叔母、など震災で傷ついた心や絆を取り戻していく内容だが、とても心に響く文体で、今年最後に良い本に出会えてよかった。
  • 月のうた

    昌午くんのお母さん、、、

    民子目線だと優しい叔母になるんだけど、他視点からは嫁いびりのひどりおばちゃん、、、。
    2面せいがすごい
  • むすびや
    小さな商店街にあるおむすび屋さんのお話。長男の結ちゃんは男の子だけど、ゆいという名前に劣等感を少し持っている23歳で色白の長男坊は就職活動に全敗し、実家のおむすび屋さんを手伝うのだが…
    商店街の人々、家族と一緒に仕事をするうちに、成長をしていく主人公がとっても可愛らしい。
    短編となっていて読みやすい...続きを読む
  • 夜明けのカノープス
    人を好きになると陥ってしまう孤独感の濃さに噎(む)せそうになるという表現が秀逸でした。もうとっくにそんな感情は残っていないのにね。郷里からは決して見ることのかなわないカノプはいつかは自分の目で見たいという憧れが今でもあります。
  • むすびや
    1975年生まれ、穂高明さん、初読みです。「むすびや」(2017.3)を読みました。今年23歳になる「おむすびや」の結(ゆい)が就職活動20社に全敗し、実家の商売の手伝いを。父修一の仕事に対するこだわりと厳しさ、母澄子の明るさと優しさ、そして素晴らしい友達に囲まれ、一歩一歩成長していくプロセスが心地...続きを読む
  • 月のうた
    何も考えずに本のタイトルだけで買った。
    月が出てくる物語が読みたくて。
    .
    1つの家族の4つのお話
    語り手がそれぞれ違って
    娘の民子
    母親の美智子
    美智子の親友 祥子
    父親の亮太
    .
    民子の強さが切なかったり
    さっき出てきた心無いことが
    実はそうではなかったり
    ほろりとしてしまったり。
    .
    そして嬉...続きを読む
  • 月のうた
    ふんわりと穏やかな雰囲気が物語全体を優しく包み込む。
    読んでいて何度も温かい涙を流した。
    強いメッセージはないけれど、そっと静かに心に刻まれていく。

    小学生の時に母をガンで亡くした民子、民子の継母の宏子、民子の亡き母の友人の祥子、民子の父の亮太4人の視点による連作短編。
    大人びていて冷静な民子と、...続きを読む
  • 月のうた
    文章のリズムが自分のどストライクゾーンから少し外れていて、冒頭の一頁を読み齧ったまま1年ほど積読しておりました…

    2015夏、数年に一度の蔵書棚卸(不要本の仕分)作業の際「あれ?未読だったわ」と手に取ってみたところ、とても良い本でした。(これは手元に残しておこう。)

    前置きが長くなりました。ここ...続きを読む
  • 月のうた
    美智子と祥子、陽一と民子…幼なじみ中心に"とても優しく温かい"だけに終らせない物語。複雑な悲しみに乗るしっかりしたキャラ立ては婆ばあり、伯母親子あり、亮太あり…なのだが、痛みと切なさを貫通させない、極めつけの宏子さんとその母親は特筆だな!。時の流れと月の満ち欠けの背景のコントラストの使い方も絶妙の良...続きを読む
  • かなりや
    人間が、いつの間にか、意図せずに抱えてしまっている不安や負担や重荷。
    どうすればいいのかわからなくなって、一人でそれらを抱え込んで。
    そうすることでまた重くなって。

    そういうとき誰にでも、
    救いの手を差しのべてくれたり
    喝をいれてくれる人がいるということ。

    忘れちゃうけど忘れたくないなあ
  • かなりや
    誰もが秘密を抱えている。やるせなさを感じている。
    でも、それでも格好悪くてもいいから生きていこうと思える、そんな作品。
    (かといって完全な前向きな話ではないところもしっくりくる)
    一つ一つが全くの単独の話ではないのもまた面白い。
  • 月のうた
    夜の闇に降り注ぐ、月の光のように温かな作品。母親に先立たれた民子と母親の友人の息子、陽一。同じ学校に通う二人とそれを取り巻く家族の物語。月にまつわる4つの話が視点を変えながら語られていく。子供の健気さと強さに胸を打ち、親の教えの大切さを強く感じた。とても良い本に出逢えた。感動した。オススメ♪
  • かなりや
    舞台や登場人物は共通で4人の主人公の生活、生きることが描かれた物語。ファンタジー小説だけどあまりそうと感じないもっと日常に近い4つの話だった。
    人の優しさを感じてじんわり出来て前向きになれる本。
  • 月のうた
    月に関するエピソードで繋がる物語。4編から成り、それぞれの編で話し手が変わる。
    人の感じかた考えはそれぞれで何が当たっているとかはよくわからないけど、ただ、人を思う気持ちは皆共通していると思った。
    人のことを思い、許す、それで良いって言ってくれる、あたたかい思いが溢れている話。
    優しい、読んでて安ら...続きを読む
  • 月のうた
    それぞれがいろいろな想いを抱きながら生きている。章ごとに語り手が変わるので、それがよくわかる。想いあって、受け容れて、支えあう。不器用なやさしさ、厳しいやさしさ、見守るやさしさ・・・決してドラマチックな展開はない。日常の中に隠れている出来事をそっと紡ぎだした。そんな印象。民子のしなやかな強さ、宏子の...続きを読む
  • 月のうた
    なんて温かくて優しいお話なのだろう。人は想い想われて、受け入れ合って、大切な人がいなくなってしまっても思い出をまた大切な誰かに紡ぎ続けて、そうしてこれからも生きていくのだろうなあ。親という存在についても考えさせられます。両親や祖母に会いたくなった。視点が変わる毎に別サイドから人物が見えるので、見方が...続きを読む
  • 月のうた
    第2回ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作。
    解説の池上冬樹さんも書かれてますが、大賞でも良かったのでは。
    まあ後に色々話題になった賞ですから、選定基準が曖昧なんでしょうな。
    穂高さんには良い作品をどんどん書いて欲しいです。良かったです。