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30代後半の悠は、アルバイトをしながら空き時間に原稿を書く駆け出しの作家。仙台を出て東京で一人暮らしを続けるが、ぎりぎりの 生活を送る。そんな悠の日常は、震災を境に激変した。非常時だとはしゃぐ同僚、思わぬ人からの気遣い、そして、故郷の家族の変化。 「私は、なぜこんなにもちっぽけなんだろう」 過去と未来を見つめた、悠の変化と決断は。
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Posted by ブクログ
東北大震災をめぐり、東京に住む小説家の姉、仙台で不動産会社に勤める妹、津波で死んっだ叔母、など震災で傷ついた心や絆を取り戻していく内容だが、とても心に響く文体で、今年最後に良い本に出会えてよかった。
2019.05.08~05.09 きっと、被災地の方々の本音なんだろうと思う。 遠くから「絆」だ「復興支援」だと言っても、何の役にも立たない。本当に必要なものって、なんだろう。2020オリンピックでないことは確かだな。
震災が絡む小説は読まないようにしてきた。被災地の外からの、自己満足とか押し付け感満載の「絆」とか音楽の力で元気にするみたいな胡散臭さが嫌いだし、逆に、被災した側からの「どうせわかりっこない」「所詮他人事でしょう」的な言われようにも抵抗があるから。 だからこの作品を読みながら終始モヤモヤしていた。何...続きを読むかをしようとしても、逆に何もしなくても彼らは被災してない外側にいるの私たちを冷めた目で断罪するのだと思うと、もう何もできないし、何をすることも思うことも許されないのだなと思う。 そうやって他人を切り捨てて、内にこもって、自分を責めて、そんな姿ばかり描かれても、経験していない人間の想像力は現実に遥かに及ばず、両者の距離は広がるばかり。 ということで、この作品は私には響かなかったけど、作者の柔らかく心に触れてくるような文章が好きだし心地いいので、次は震災以外の作品を読んでみたいと思います。
震災、震災後について、もちろん見聞きはしてきたけれど、こんなに嗅覚、触覚、心の襞に働きかけられたのは初めてだった。 涙が出そうになるところもたくさんあるのだが、それ以上に心を抉られるような感覚で読んだ。 『戸田悠』の書くものは心に染みるものだろう…
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