目に見えないもの

目に見えないもの

770円 (税込)

3pt

〈わが国初のノーベル賞に輝く湯川博士、生涯の記念碑的作品〉
〈1946年の初版*以来、学問に志す多くの若者達の心をとらえ続けてきた名著!〉

「中間子」を発見し素粒子物理学を大きく前進させた著者が、現代物理学の物質観を、そして同時に、今日の自然科学的なものの見方・考え方を、だれにもわかる平易な言葉で説く、不朽の科学入門。
「目に見えないものの世界」への旅立ちを伝える諸篇には、深く豊かな知性が光り、「真実」を求めてのあくなき思索が生み出した珠玉の言葉には、ひとつの確かな思想がある。

現実は痛切である。あらゆる甘さが排斥される。現実は予想できぬ豹変をする。あらゆる平衡は早晩打破せられる。現実は複雑である。あらゆる早合点は禁物である。(本書「真実」より)

*本書の原本は1946年に甲文社より刊行されました。


【本書の内容】
第一部
1.理論物理学の輪郭
1 自然哲学 2 近代物理学 3 現代物理学
2.古代の物質観と現代科学
1 古代インドの自然観 2 現代の物質観との対比 3 因果と時間の問題
3.エネルギーの源泉
1 物質の構造 2 放射線の本体 3 力とエネルギー 4 原子内のエネルギー 5 太陽のエネルギー
4.物質と精神
1 二つの通路 2 物理学的世界 3 物質から精神へ 4 科学の根源
第二部
1.半生の記
2.ガラス細工
3.少年の頃
4.二人の父
第三部
1.物理学に志して
2.科学と教養
3.真実
4.未来
5.日食
6.眼の夏休み
7.読書と著作
8.話す言葉・書く言葉
9.『現代の物理学』
10.『物質の構造』
11.『ピエル・キュリー伝』
12.目と手と心
13.目に見えないもの
14.思想の結晶

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目に見えないもの のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年08月08日

    ・『学問することの喜びがこの頃はことさら身にしみて感ぜられる.くる日もくる日も研究生活を続けていけるということは,「喜び」などというにはもったいない,本当に有り難いことである.』:同じ気持ちを持っている点では,自分もアカデミア向きの人間なのだと思った.
    ・『大学に勤めているおかげで,若い純真な人たち...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年08月14日

    二部構成。
    自伝的な部分と、研究者としての思いの詰まった部分と。
    中間子理論発見のまさにただなかに書かれたものであるだけに、新たなものを創造する時の息吹のようなものが感じられる好著だと感じた。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    こっちからも引用して記事を書きたかったのだけど、
    結局、寅ちゃんからだけになってしまいました。
    湯川教授、ごめんなさい。専門的すぎてね。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    ノーベル物理学者 湯川秀樹さんが30代〜40代に記された諸篇本。深く豊かなお人柄が文面に滲み出ている内容は物理の内容を文学として(エッセイのように)読めるすばらしい本である。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    まったく奢りが無く、まさに巨人の肩に立っただけという姿勢。若い頃に読んでいなかった事を今更悔いる。2007/10/20

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    Posted by ブクログ 2022年09月15日

    湯川秀樹のエッセーは、たいがい素晴らしい。理論物理学者であるからといって、過度に抽象的な論理や言葉の綾を使ったりせず、真っ当な人の真っ当な言葉で素直に綴られている感じを受ける。

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    Posted by ブクログ 2019年03月17日

    第1部は面白かったけど、第2部、第3部はまぁ割と平凡かな。

    観測とは選択すること、という量子力学的できごとのシンプルな表現がとても気に入った。

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    Posted by ブクログ 2015年05月22日

    初めて湯川秀樹先生の本(文章)を読んだ。

    終戦の数年前あたりに書かれたものをまとめたもの。
    学徒出陣した学生へ向けて「しばらくの伴侶となれば」などとあり、なるほどそういう時代だったかと改めて考えさせられる。

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    Posted by ブクログ 2010年09月12日

    P118 人間は未来に対して無力である。小数の人にのみ付与された洞察力、ごく稀に現れる創意とによって、初めて現在の中に未来を見、未来が創り出されるのである。・・・そういう未来への考え方をしているところに共感した。簡単に夢を見たり、将来こうなりたいと言うけど、本当は、現在にしか生きてなんだと思った。ま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年10月31日

    少し期待はずれ、内容は物理の教科書のような感じでそこに少し著者独特の見解を肉付けしたような内容。物理を人並みに勉強して来た自分からするとはいはいはい。と言った感じでした。

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