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天正十八年(一五九〇年)、北条家当主・氏直とその家臣たちは、小田原城にて連日評定を行っていた。天下のほぼ全てを手中におさめた豊臣秀吉率いる二十万の大軍勢に城は囲まれ、北条家の命運は今や風前の灯火。誰もが策を見いだせず諦めかける中、亡き北条氏康の寵臣にして小田原一のへんくつ坊主侍・板部岡江雪は動き出す。舌先一つでコロリと人を動かし、奇縁を生み出し、天下をひっくり返す! 躍動感あふれる圧巻の歴史絵巻!
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史実として語りつがれていること
そして語られてれていないこと。この作品は後者の話だが、実にたくみに語られていて迫真の勢いで展開していく。登場人物もほぼ実在の人物ばかりで私の知る限りほぼ史実通りに描かれている。そして秘密の計画の全貌が明らかになるとなほどとうなってしまった。結末を知っているだけになにゆえ計画通りに行かなくなるか、後半...続きを読むはそこに焦点が絞られ、私の予想をはるかに超えていた。ここはちょっと無理やり感はあるが、歴史小説として存分に楽しめた。小田原征伐の前後とも絡め合わせて描かれているところも興味深い。
Posted by ブクログ
非常に歴史ロマンを感じさせる小説です。 舞台は秀吉の一夜城で知られる北条氏の 小田原城攻めです。 籠城中の北条氏は一発逆転を狙って、あ る策を弄すします。 その策の立役者が、この作品の主人公で ある怪僧板部岡江雪。 結果は史実通り、策は失敗に終わり北条 氏は滅びてしまいますが、江雪んキャラ ...続きを読むも立っていて「本当にそうだったのかも」 と思わせます。 映像化にもしやすい作品でもあります。 歴史の「もしも」を考えずにはいられな い一冊です。 それにしても、現在の「鎌倉殿の十三人」 では主役である北条氏が、いわゆる「小 田原評定」の末に滅びてしまうとは、歴 史の因果を感じます。
板部岡江雪。執権北条時行の子孫とされ、後北条氏に仕え、その弁才により、豊臣秀吉、徳川家康に仕えたという。 なかなかに面白い人生と言える。北条、徳川、織田、上杉、武田と争いを続けている戦国の世で、交渉をまとめ上げてきた才能は、流石のものと言える。 わからないが、歴史の裏に隠れてしまった謀略を想像するこ...続きを読むとは、非常に面白い。実際には、これ以上の事があったに違いない。
板部岡江雪、北条家家臣。 北条家のために孤軍奮闘。 秀吉、家康に仕え北条家再興。 天下一の弁舌。 だから戦国時代は面白い。 秀吉との心理ゲームなかなか巧み。
2023.1.29完了 板部岡江雪斎を取り上げるなんて貴重だから嬉々として読み始めたが、弁活者として’冴える’って感じではない。 文字通りへりくつな感じは往々に感じた。 いっとき江雪斎が現れず、秀吉側のことを取り上げ過ぎではないかとも感じる。秀吉というか官兵衛なんだろうが・・・。 もちろん結果は知っ...続きを読むているので驚きもしないが、江雪斎の企ては面白かったといえる。実現したら歴史が変わっていたね。 江雪斎にこのイメージがなく、文官かと思っていたので新鮮ではある。
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