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大学時代までラグビーをやっていた山中伸弥は、平尾誠二にずっと憧れ続けていた。ついに叶った対面。友情を温める二人を襲ったのが、平尾誠二のガンという悲劇だった。山中が平尾の闘病に寄り添っていたという事実は、生前はほとんど知られていなかった。本書は、その二人の出会いから死別までを追う、感動のノンフィクションである。
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Posted by ブクログ
異なる分野で活躍されたお二人が、深い友情を育まれたことが伝わってきた。40歳を過ぎてからの出会い〜闘病に至るまで、本当に濃密な時間だったのだなと思う。辛い場面も多々あっただろうけれど、家族ぐるみのお付き合いまでされていて、羨ましい関係性。 お互いを尊敬できるお二人だからこその絆だと思うけれど、飾らな...続きを読むい人間性が垣間見えるところもあり、興味深く読んだ。 これからも「友情」がずっと続いていくんだろうな。
自分のモチベーションが上がる1冊だった。 人として魅力的な2人でこういう大人になりたいと思った。 2人で語り合ったことも記されていた。 アメリカと日本の違いや昨今の若者のマインドなどネガティブなことを踏まえ、 その中で結果を出すために自身がどうあるべきか、どうすれば周りが動いてくれるかを考えて2人...続きを読むとも行動をしていて、 日本のトップに立つ人の志の高さを感じた。 分野は違えどもマインドが似ているから、意気投合したのだと思う。
本書は、ミスター・ラグビーと呼ばれ、2016年に53歳で死去した平尾誠二氏と、ノーベル賞学者の山中伸弥氏の交流・友情を記したノンフィクションである。2017年に出版、2021年に文庫化された。 目次・内容は、以下である。第1章:平尾誠二という男・・・山中伸弥、第2章:闘病―山中先生がいてくれたから・...続きを読む・・平尾惠子(平尾誠二夫人)、第3章:平尾誠二×山中伸弥「僕らはこんなことを語り合ってきた」 平尾氏は、伏見工業高校で全国大会優勝、同志社大学で史上初の大学選手権3連覇、神戸製鋼で日本選手権7連覇を成し遂げ、史上最年少(19歳4ヶ月)で日本代表に選出、日本代表キャップ35、日本代表監督、及び神戸製鋼コベルコスティーラーズ総監督兼GMの経歴を持つ。 本書では、平尾氏と山中氏が2010年9月に初めて対談をし、意気投合した(二人は同学年で、山中氏は、平尾氏の活躍に憧れて、神戸大学医学部在学中に3年間ラグビーをやっていた)ときから、2015年9月に平尾氏が末期癌を告知され、山中氏のアドバイスを受けて闘病するも、2016年10月に死去するまでの6年間を、山中氏と平尾氏夫人が、それぞれの立場で振り返っているのだが、大きな驚きは(本書の中で山中氏も平尾氏夫人も繰り返し書いているが)、40代後半になって知り合った男同士が、わずか5年余りで、ここまで心を許し合い、信頼できる関係を築いていたということだろう(平尾氏は、治療方法を全て山中氏に任せ、他の治療方法を試すことは一切なく、また、山中氏は、とことん調べた上で、自分や家族が癌に罹ったとしたら取るであろう治療方法を平尾氏に奨め、常に病状をフォローしていたという)。私は二人と同年代だが、社会に出てからできた友人・知人とはそこまで深い関係になりにくいことを実感として感じるし、それ故に、二人の関係には心を打たれる。 そして、本書からは平尾氏(と山中氏)の生き方、残した言葉から様々な示唆も得られるのだが、最も印象に残ったのは、平尾氏の「世の中には理不尽なことがたくさんあるが、その理不尽が人を成長させる」という持論である。平尾氏は、上述の華麗な経歴を持つ一方で、理不尽な扱いを受けた経験が何度もあり(本書には、中高時代にあった運動部の“しばき”以外は一切書かれていないが)、その経験をポジティブに捉えることによって、自分は強くなったと考えており、それは、癌の告知を受けたときの反応に如実に表れている。平尾氏は、「自分がなぜ?」と思って当然のところで、「うーん、しゃああらへんわね(仕方ないですよ)。(癌に)なってしまったんだから」と答えたというのだ。キューブラー=ロスの著名な著作『死ぬ瞬間』によれば、人間は一般に、第1段階「否認」、2「怒り」、3「取引」、4「抑鬱」、5「受容」という5段階を経て死を受容するというが、平尾氏は、その前半の段階には陥らず、自分が癌に罹ったという理不尽さを受け入れ、全く狼狽することなく、かつ前向きに、1年間癌と闘ったのだ。(本書には書かれていない、或いは、山中氏も平尾氏夫人も知らない、平尾氏本人の葛藤はあったのだろうが。。。) 大人の二人の友情が心に響き、また、平尾氏の生き様から何かを得ることができる一冊と思う。 (2022年8月了)
若くして世を去った人は、美化されがちなものです。 まして、ものすごくカッコよかったひとは特に。 「人を叱る時の4つの心得」は、スポーツの関係者でなくても、納得できるものばかりです。 ・プレーは叱っても人格は責めない ・あとで必ずフォローする ・他人と比較しない ・長時間叱らない ノーベル賞...続きを読む受賞者と、ラグビーの申し子のような平尾さんの接点がなんなのか以前からわからずにいましたが、この本でよくわかりました。 まさに友達。まさに友情。そんな感情が、二人の間に流れていたことがよくわかります。 「男の切れ味」を読んでみたくなりました。 ふたりとも、同じ本を読んでいたのが不思議です。友達になった二人の年齢が、今の自分とほとんど同じだったことも、とても親近感がわきます。 暗証番号に奥様と出会った日を設定しておいたり、忙しくても自分の家族を大切に思っていたところなど、中年以降の男性なら、いくつも学べる部分があることでしょう。 治らない病と闘うとき、ノーベル賞をとった医師と知り合いだったら…。 あり得ないような仮定を、現実に歩んだ平尾さんの1年を、山中先生の一年を通じ、生きる意味を感じなおすことができるはずです。 失敗するくらいならchallengeしない。 challengeするのは、成功するときだけ。 なぜだか失敗を極端に怖がる、というか嫌がる人たちのすみかになったような日本で、無理な命題を追いかけて現実にした二人の友情が、とてもまぶしく感じます。
社会に出て気づいたのは気の合う友人を作るのは思いのほか難しいということ。 そん中でラグビーという繋がりはあったものの別の世界で活躍する2人が大人になってからあそこまで親しくなれたのは利害を抜きにしたシンパシー的な何かを感じたのだと思う。 作中の人柄を通じて第一線で活躍できる所以をし少しだが読み取れた...続きを読む。 特に山中先生の平尾さんへの深い優しさには胸が打たれた。 コロナ禍で人との繋がりが希薄になっているこんなご時世だからこそ、2人の友情は羨ましく思えたし、友人は大切にしようと改める機会にもなった。
やはりどんな世界でも一流の人間は、人としてのあり方が美しい。 一流のお二方の心のやり取りに、涙なしに読むことはできない。 今後も読み返すことになるだろう。 お二人の対談の中の組織論も個人的には学びがあった。 人を叱る時の4つの心得 ・プレーは叱っても人格は責めない。 ・あとで必ずフォローする。 ...続きを読む・他人と比較しない。 ・長時間叱らない。 平尾「いちばん素晴らしいチームワークは、個人が責任を果たすこと。それに尽きるんですよ。 山中「なるほど」 平尾「そういう意識がないと、本当の意味でのいいチームはできない。もっと言うと、助けられている奴がいるようじゃチームは勝てないんです。」 山中「それはそうですね。」 平尾「助けられている奴がいるってことは、助けている奴がいるわけです。その選手は、もっと自分のことに専念できたら、さらにいい仕事ができるんです。」 平尾「しばかれるとか怒られるとか、外発的なプレッシャーでやらされているチームというのも、ある程度までは上のステージに行けるかもしれないけど、絶対に一番にはなれないです。なぜなら、「ミスしたらあかんモード」に入ってしまうから。 人間って、「誰かに怒られるからミスしたらあかん」と思うと、知恵が働かなくなって、さらにハイクオリティのところにいけなくなってしまうんです。」
開始50ページ持たず、思わず涙が出そうになる。テレビでは紳士的で穏やかな印象の山中先生が、シャワーを浴びながら嗚咽するシーン。その人の事を考えて泣けるというのは、それこそ、友情なのだろう。その後、先生は友を救う為に、人脈を駆使し、出来る限りを尽くす。 民間療法にさえ、すがろうとした平尾誠二の妻。そ...続きを読むの民間療法には科学的根拠が無いと止めさせた山中先生。止めさせた行為が心無いと夫婦喧嘩をする先生の奥さん。治療法は、全て山中先生を信じるとした平尾誠二。このエピソードが一人ひとりを象徴しているようだ。 最後の約束は、守れなかった。しかし、守るために尽くした事に意味があるのだろう。 世の中は理不尽が多いが、それに打ち勝つ事で成長する。時折リーダー論を打つ平尾誠二には、それがよく分かっていたのだと思う。心が震える一冊だった。
涙無しでは読めなかったです。 平尾家の家族写真が印象に残りました。 とても幸せそうで、素敵な写真だった! 平尾さんの言葉、もっとききたかったなと 思います。すごくカッコいい。
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友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の約束」
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山中伸弥
平尾誠二・惠子
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