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プロボクサー、タクシードライバー、交番の警察官、高校教師。その夜、四人の男女は、人生の境界線上に立った。あの日のあなたと同じように。選択の瞬間、夜に潜む魔物が、そっと背中を押す。選んだのは、善? それとも悪? 人間の強さと弱さを繊細な視線でとらえ、忘れられない物語に昇華させた著者会心の書き下ろし長編。
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Posted by ブクログ
タクシードライバーの女性が出てきて、もしや「タクジョ」の彼女かと思ったら、別の女性だった。仮に同じ月を見ても、皆に違った人生があるんだなとしみじみ思った。今の私は三連休の最後の晩にビールを飲みながら、のどかにこれを書いている。幸せだ…。 小野寺さんの小説は登場人物がかぶる時があって面白い。川のシリー...続きを読むズの皆よりは、シリアス調の感じだったように思う。 タクジョの彼女の編を読み、やっばり嘘つくと後で苦しむのよねと思った。 警察官の最初の上司の刈谷さんの言葉が良かった。 「誰だって間違いを犯すことはあるよ。大事なの 、その後どうするかだ。やるべきことをやるしかない。やり続けるしかない。ちゃんとやってればどうにかなる。見てる人間はちゃんと見てるから」 誰かが誰かの言葉で励みとなる。頑張る人に幸あれ!
やはり、小野寺史宜さん、面白い!!! 人間模様が細かく書いてあるんだけど、サクサクと読める具合が凄く良い。 小野寺さんの作品を読むと、色々な職業の事が知れるからすごく面白いし、今までと違う目線で考えたりすることが出来る。 それと、話が繋がっているので、『次、どうなるんだろ〜!!!』という、ワクワク感...続きを読むもある。 タクシーの話はタクジョと繋がってる?笑笑
配偶者に手を出したらダメだよ。お巡りさん。 でも、何だかんだと積み上がって、、 わかる。 でも、その結果、もっと悪い方にしか転がっていかないんだよね。それが人生かな。
小野寺さんのこういう作風も嫌いではない。特別な主人公ではない岐路に立つ男女4人の迷いが夜の闇に現れる。試合に負けたボクサー、借金を背負った女性タクシードライバーに続き、仕事も夫婦関係もうまくいかない警察官と妻の高校国語教師ら。まるで彼らは私たちの日々の暮らしを代弁してくれているようだ。夜が来て、深夜...続きを読むの闇に紛れ、善と悪の狭間に身を置き、悩みすれ違う。自身に年齢が近かったせか、最後に登場した警官の夫婦間に交わされる会話は身につまされた。夫は交番勤務の坪田澄哉で、転勤先の上司とうまくいかずに、早番の日は家に帰らず梯子酒で憂さを晴らしていた。妻の荒木奈苗は、結婚後も勤務先の高校で独身時代から名乗っていた姓を変えずに、教師を全うしようとする真面目な女性。戸籍上は籍を入れているのに。もうしばらく待ってごらんなさい、時が経てば変わるのにと忠告したくなるのはおせっかいかしら。 それぞれの夜を過ごし、それぞれに迎えた朝を描いてある。短編は苦手だがこういった連作短編集だったら、思いを途切れさせずに読める。 人は夜を生み、夜に倦み、夜を積み、夜に摘む。 眠れない夜が続くのはとても辛い。眠れない頭は次々と妄想をこしらえ、深みに嵌まってしまいがち。夜を迎えるのが怖くなり、睡眠導入剤で早く眠りの世界に誘われ救われたいと思う時もある。 『夜とは日の入りから日の出までの間。大事なのは太陽だ。人は太陽の動きを意識して暮らす。対して、月を意識することはあまりない。夜空に月が浮かぶのを見て、出てるなと思う程度。月が午前八時にも午後一時にも出ることを知らない人もいる』 と、冒頭の一文を読み直した。 一応は理解できる。でも、月は太陽の光を反射して輝いているために、太陽と比べて淡い明るさしかない。たとえ満月でも、闇を照らしても奥深い心の中までは届かない。やはり朝がしらじらと明け太陽が昇り世界が見え始めて、あれは妄想だったのだと救われる。そんな時もある。
「ひと」「まち」などといったほのぼのした話とは違い、今作は焦燥、殺伐、混乱、自戒といった言葉が似合う作品。 人間誰しもが持つ「内面の弱さ」に向き合う必要性を感じられる。
「ひと」を読んで好きになって、立て続けに同作家の作品を読んでいる。「ひと」ほどの爽やかさはなくて、人の弱い部分が書かれている。邪悪さではない。誰にでもある弱さ。それが、また次の不幸を招く悪循環。どうしようもなくだるい感じ。このまま救われないんじゃないか、と少し不安になった。でも、希望があった。やっぱ...続きを読むりこの作家さん、好きだ。
小野寺作品初挑戦。 何の情報もなく読み進めましたところ連作短篇集、4人の人生が交錯していく人情味あふれるストーリーでした。
踏み外すのは一瞬。 その縁をギリギリで揺れる四人。 それぞれ、一生懸命、真面目に、地道に生きているのに危うくてドキドキした。 そして必ず誰かに認められてるというか、守られてる? 人は一人じゃない。
小野寺作品はいつも無垢で白い。ほのぼのと白い。この作品は黒い。どうしようもない暗さを背景にしている。夜だ。でも、やっぱり闇を闇のままで終わらせないところに小野寺作品らしさがある。
都会(東京)の片隅で暮らす普通の人々の不穏さを描く群像劇。 * * * * * なかなか思い通りにはいかない人生。そんな人生を不器用かつ精一杯生きている人たち。 ただ時々、夜の闇に紛れるようにして、よくない方に足を踏み入れそうになることがあります。 それはある意味仕方ない。...続きを読む人間はそんなに強くはないからです。 大切なのは、その後の行動をどうするかということ。そんなことを考えさせてくれる作品でした。
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