ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
「大事にしてやらなくちゃ、赤ん坊は。いくら用心したって、しすぎることはない」。公衆浴場の脱衣場ではたらく小母さんは、身なりに構わず、おまけに不愛想。けれど他の誰にも真似できない多彩な口笛で、赤ん坊には愛された――。表題作をはじめ、偏愛と孤独を友とし生きる人々を描く。一筋の歩みがもたらす奇跡と恩寵が胸を打つ、全8話。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
8作の短篇集。小川先生は短篇の名手ですね。 ここの8作はそのどれもが、自分の世界を偏愛する孤独な主人公たちだ。表題作も好きだけど、「亡き王女のための刺繍」「仮名の作家」がお気に入り。「仮名の作家」は怖いなぁ。
彫刻や博物館の展示品や声など、普段あまり注目されなそうなモチーフへの深い洞察や想像力に圧倒される。赤ちゃんや子供の描写が特に好き。 人とあまり関わらずにひっそり暮らしていても、生き物やモチーフに対する敬意で瑞々しく生きている。
小川洋子さんの短篇集。 「先回りローバ」 「亡き王女のための刺繍」 「かわいそうなこと」 「一つの歌を分け合う」 「乳歯」 「仮名の作家」 「盲腸線の秘密」 「口笛の上手な白雪姫」 「先回りローバ」 「亡き王女のための刺繍」 「盲腸線の秘密」 個人的には、この短篇が好きだった。 なにか静かな...続きを読む空気感というか、はかなげな悲しみというか、独特な世界観。 やはり小川洋子さんの短篇だと感じる。
静かで不思議、そしてなんとなく寂しさが伴う短編集。主人公たちは自分だけの秘密の世界を孤独に、でも毎日しっかりと生きている。そんな感じがしました。 特に好きな作品は、「かわいそうなこと」と「仮名の作家」。思わず泣いてしまったのは「一つの歌を分け合う」。 「かわいそうなこと」は「かわいそう」と思った...続きを読むことをノートに書き溜める男の子が主人公。彼の「かわいそう」の基準が純粋で、少し変わっていて、なんだか可笑しく、可愛らしいというのと、物語の最後に彼が「かわいそう」と思う野球少年から広がっていく思いがとても繊細で、主人公の感受性に共感しつつも、なんだか切ない気持ちになりました。 「仮名の作家」は設定がすごく面白くて、私好みでした。とある小説家のファンの女性で、すごく狂信的な人で、彼女のちょっと普通ではない応援の仕方も怖くて面白い。その小説家に直接感想を言ったり、質問できるイベントに彼女が参加してから、(2人の間には質疑応答しかないのですが)2人の間に生まれる秘密のコミュニケーションがなんだかキュンとします。 「一つの歌を分け合う」はとても美しい物語でした。息子を亡くした伯母さんと劇場で「レ・ミゼラブル」を鑑賞した主人公。ジャン・バルジャンを演じる俳優を「あの子」と呼び、哀しみのあまり亡くなった息子と混同していると心配した主人公の母は監視役として一緒に観劇するように勧めたことがきっかけでした。 本当に伯母さんは息子とバルジャンの俳優を混同していたかどうかは分かりません。混同していたし、そうでないのかもしれません。でも、バルジャンの歌う「私を死なせて、彼を帰して 家へ」という歌詞と伯母さんの流す静かな涙があまりにも美しく溶け合って、一つの劇場のシーンを作り出していて、わたしも泣いてしまいました。 他にも片隅で、自分だけの秘密の世界を一生懸命生きる人のちょっと不思議で素敵な物語があります。リラックスして読書したいときにおすすめです。 また小川洋子さんの作品にはよく赤ちゃんが(なんだか尊く完全で神聖な存在として)登場します。今初めての赤ちゃんを待っているわたしも不思議な縁を感じました。
8つの短編小説。 どれも出てくるひとが愛らしい。 悪い人はいないし、一生懸命に"こだわり"をもって生きている。 その"こだわり"をなんとなく理解できるから、不思議だ。 きっと、真の人間心理を理解している作者の手腕だと思う。 個人的には『仮名の作家』と『口笛上手...続きを読むな白雪姫』が好き。 どちらも、うまく生きれないでも懸命に心満たそうとしている姿が、共感できる。
先回りローバ、 盲腸線の秘密、が特に好きだった。 特に、秘密の作戦の話は厨二病感が強くて笑った。 今作は特別グッとくるものは無かったが、どれも期待通りの小川洋子ワールドで、心地よかった。
かわいそうなこと が特に好き。クジラが自分の全体像を見れないことなんて考えたこともなかったし、ツチブタの存在なんて知らなかった。
人間個人の、存在としての痛々しさに苦しくなりながら読む。 身の回りの出来事や、自分の意識や認知の段階ではやり過ごしていることを豊かに発酵させて、あるいはジャムを作るように煮詰めて書かれているようだ。 痛い。ほんとは生きててずっと痛い。傷が痛む ただ、それを注視していてもどうにもならないし、日々...続きを読むやらなくちゃらいけないことは積もっていくので傷に向き合っている時間はない。 ところが小川洋子の本を開くと、放置してきた傷がいかに深いか、どれほど化膿が悪化しているか、あるいは多少は癒えているか、などを思い起こさせる。 具体的な被害、加害の話ではないのに。 私はこんなに傷ついていたんだなあ、難しくとも、ひとつひとつの傷をないがしろにせず消毒して化膿止めを塗りガーゼで保護したい。
小川洋子さんの著作でこのタイトルとなると、期待しかない。 浮世離れしていて、透明感があって、切なくて胸が苦しくなるようなお話もあって…読んでいる間現実を忘れるという意味で、小川さんの本は時々強烈に読みたくなる。 8篇の短篇集。それぞれ短いからさらっと読めるのだけど、その中にワールドが出来上がってい...続きを読むるのがいつもながら流石と思う。 表題作はラストに収録されているのだけど、個人的には前半の5篇がとくに印象的だった。 すべてに共通して、失ったもの、という言葉が頭に浮かびながら読んだ。失ったものを静かに見つめたり、少し執着したり、ひそやかに悲しんだりする。そういう人びとの姿が描かれているように感じた。 小川さんの著作は細かにレビューするよりも実際読んで感じてほしいような気持ちが強いので、さらりと、に留めておきます。
私たちは制限のある空間を生きている。 でも、一人ひとり心の中にこだわりがあり、それに夢中になれることを幸せだと感じる。 その幸せが膨らみ外に飛び出そうとしているのに飛び出せない、いや、あえて封じ込めてしまう自分がいる。 誰もが持っているであろう感情を起こしてくれる短編集でした。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
口笛の上手な白雪姫
新刊情報をお知らせします。
小川洋子
フォロー機能について
「幻冬舎文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
不時着する流星たち
博士の愛した数式
試し読み
ブラフマンの埋葬
アンネ・フランクの記憶
アンネ・フランクをたずねて
生きるとは、自分の物語をつくること
いつも彼らはどこかに
犬のしっぽを撫でながら
「小川洋子」のこれもおすすめ一覧へ
▲口笛の上手な白雪姫 ページトップヘ