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足利一門大名に丸投げして創立された室町幕府では、南北朝の分断などに後押しされて一門大名の自立心が強すぎ、将軍の権力が確立できなかった。この事態を打開するために、奇策に打って出たのが足利義満である。彼は朝廷儀礼の奥義を極め、恫喝とジョークを駆使して朝廷を支配し、さらには天皇までも翻弄する。朝廷と幕府両方の頂点に立つ「室町殿」という新たな地位を生み出し、中世最大の実権を握った。しかし、常軌を逸した彼の構想は本人の死により道半ばとなり、息子たちが違う形で完成させてゆく。室町幕府の誕生から義満没後の室町殿の完成形までを見通して、足利氏最盛期の核心を描き出す。
...続きを読むPosted by ブクログ 2020年10月09日
足利義満とは「強きを助け、弱きを挫く」男という説を何度か読んだことがあったが、表現としては面白いが曖昧な印象しか残らなかった。本書はその曖昧な部分に光を通して、そのような説が生まれた背景を解き明かしてくれる。
論旨が明快で文に勢いがあるのは、著者の頭脳と行動力の産物であろう。若さみなぎるエネルギ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月08日
室町時代の最盛期を築いたと思っていた義満だが、彼の時代が不安定で幕府の未来も定かではなく、彼の任期に型をつくり、それを堅固なものにしたのが義持、義教の時代であった。特に義教と後花園の蜜月な関係は、この頃が幕府の最盛期なのでは、と思わせた。しかし、室町幕府の弱点が嘉吉の変で改めて露わにされ、その後の不...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月10日
絶大な権力を誇り、南北朝を統一させるなど辣腕を振るい、室町時代の絶頂期を築き上げた足利義満の考察ではあるが、むしろ足利政権誕生の過程から、義満の死後の政権まで加える事で、日本史上類を見ない不安定だった室町幕府の所以や、何故義満が強大な権力を持つに至ったのか、そして何故その強力な権力体制が長続きしなか...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月29日
「室町の王権」で義満の天皇位簒奪計画説を読んだときはショックを感じたが、現在はこの説はほぼ否定されている。ただ、近年、義満や室町幕府に関して興味深い著作が多く出ており、本書もその一冊である。
本書は、義満の作り上げた室町殿について、1 京都との関係、2天皇との関係、3将軍と大名との関係に焦点を当てて...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月14日
「武士の起源をときあかす」の桃崎有一郎氏の新著。内容が足利義満だけにかつての「室町の王権」から中公の「足利義満」を経てどういう話にアップデートされているか強い興味を持って読んだ。
いつもながら多量の史料収集と卓越した筆致、軽妙な?ツッコミでぐいぐい読ませてくるのには感心しかない。これまたいつもどお...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月25日
<目次>
プロローグ 規格外の男・足利義満
第1章 室町幕府を創った男の誤算~足利直義と観応の擾乱
第2章 足利義満の右大将拝賀~新時代の告知イベント
第3章 室町第<花御所>と右大将拝賀~恐怖の廷臣総動員
第4章 <力は正義>の廷臣支配~昇進と所領を与奪する力
第5章 皇位を決...続きを読む
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