影裏

影裏

601円 (税込)

3pt

第157回芥川賞受賞作。

大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。

北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、
ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。
ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。
いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、
「あの日」以後、触れることになるのだが……。

樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。

芥川賞受賞作に、単行本未収録の「廃屋の眺め」(「文學界」2017年9月号・受賞後第一作)、「陶片」(「文學界」2019年1月号)を併録。

綾野剛・松田龍平主演で映画化(大友啓史監督)、2020年初頭に公開予定。

※この電子書籍は2017月7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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影裏 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     文學界新人賞の受賞作が芥川賞を受賞ということで、公募においてのかつては定番コースだったがこの頃聞かず、久しぶりの王道だなと思って、さて、どんなものだろうか、と特に前評判を聞かずに読んでみたがなかなか良い短篇集だったと思う。
     地の文中心の密度の高い文章で紡がれているが、そう重々しさはない。もっと会

    0
    2021年07月18日

    Posted by ブクログ

    影裏 沼田真佑 著

    短編が3編。

    #読書好きな人と繋がりたい

    読み終えたあとに、終わってしまったあとの余韻が少しだけ胸騒ぎする、そして時をかけて鎮まる感じの著書でした。

    1.影裏
    東北が舞台です。地方の静かな空気感、自然の音や香りが行間から溢れてきます。

    転勤で住み慣れない男性とその職場の

    0
    2020年10月11日

    Posted by ブクログ

    私にも覚えがある。友情以上に近い好意を寄せた相手がすり抜けていく感覚。自分の知らない一面に、寂しいけど強がりたいような。苦い気持ちを思い出した。

    0
    2023年08月07日

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞作品
    生活の中にある人との繋がりが自身にとって、本当に必要なものか、なぜ続くのか考えた。他人の希薄さやそれでも求める人間の弱さ、信じきれない微妙な不安が細かい描写から浮かび上がってくる。

    0
    2022年04月10日

    Posted by ブクログ

    嫌いでは無いというのが正直な感想。
    3作品とも最後にどうなるのかわからないところも考える楽しみがある。
    LGBTやDVの内容ももっと身近に考えなければならないと感じた。
    沼田真佑さんの他の作品も読んでみたくなった。

    0
    2022年02月27日

    Posted by ブクログ

    読書開始日:2021年7月4日
    読書終了日:2021年7月4日
    所感
    これぞ純文学といった作品に思えた。
    主人公目線で、日浅、主人公のことが淡々と語られる。
    日浅の心情、主人公の心情もそれぞれそこはかとなく描かれていて、日常で相手の心情を図ろうとする力と同じ程度の力で推測しながら進めることが出来た。

    0
    2021年07月04日

    Posted by ブクログ

    岩手出身です。
    他県の人が岩手に移り住んだらこんなイメージなんだ、という感じですね。盛岡を綺麗に描写してくれて嬉しい。方言の使い方も上手。
    人の捉え方は表裏一体。だから影裏。
    映画はまだみてません。映画館通り行きたいなぁ。川徳を冷やかしてフェザンで買い物したい。一階のタリーズはまだあるのかな。

    0
    2021年06月04日

    Posted by ブクログ

    映画「影裏」は小説では書ききっていないところまで描写しているのね。ということが分かった。
    「陶片」の、「…世界は臆病者で溢れている」という一文のためだけに読んで良かったと思う。

    0
    2020年07月23日

    Posted by ブクログ

    芥川賞作品。
    盛岡の自然描写の表現が見事。
    丁寧でとても美しい。
    人間の弱さ、生き辛さが大袈裟でなく描かれている。

    他の2篇もマイノリティの心情が良く伝わってきて、面白かった。

    0
    2020年03月28日

    Posted by ブクログ

    岩手を舞台に、疎遠になった同僚に思いをはせる表題作ほか、2編を収録した短編集。

    芥川賞受賞作は初めて読む作家であることが多く、手に取るときには新たな作家に出会える期待と少しの緊張が伴って、背筋が伸びる。
    この「影裏」も同様で、ひとつ深呼吸してから読み始める。
    冒頭から、情景描写に魅了された。こんな

    0
    2020年03月24日

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