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カイエ・ソバージュ第3巻。 モース、マルクス、ラカンを超えて、21世紀の贈与論へ! 本当の豊かさとは? 資本増殖の秘密とは? 貨幣と 貨幣と魔術。愛と資本主義。 全体性の運動としての経済と精神の構造は同一である。 資本主義の彼方に出現する「未知の贈与論」を探究する。
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Posted by ブクログ
借りを返すために生まれたわけじゃない。でもそういう仕組みの社会だから、洞察して、わたしが何を本当に欲していて与えたいのか、考えながら生きていきたい。 以下要約↓ 金額が高いものは、果たして価値があるものなのか。逆も然り、安いものは価値が低いのか? もちろん、金額が高いからたくさんの人の手で作られ...続きを読むて丹念にっていう商品もあるのだろうけど、それは僅かの芸術家だけで、そういうものはタマシイが込められてる、作者によって。 ハイブランドのアクセサリーや洋服、高い車、これらはその作者の満ち満ちたエネルギーやタマシイが本当にあるのか、モノが誰かの手に入る時、作者は心から与えたいと思っているのか。 この「与えたい」という純粋な気持ちが100%あるモノって、大好きな人に誕生日プレゼントを贈るときくらいではないのか。あとは、手作り料理とか。 今や、バレンタインなども「義理チョコ」と呼ばれるわけだ。それは、「交換」であり、見返りを求めている。 労働も「賃金」によって交換されている。 交換の世界じゃなくて、贈与の世界になったらこんなにも幸福なことは無いんだろうけど、それをするのは人口がめっちゃ減らないと厳しいし、どうにもならないなあとも思ってしまうね。無念^_^
お金では買えない価値がある。これこそが、資本主義が見失ってきたものの一つだろう。友達が、「コンビニには愛は売っていない」と嘆いていた一面を思いだした。この文章には、現代の資本主義が見失ってきた、根本が表現されていると思った。人と人が繋がるためには、相手を想いやる心が大切である。しかし、現代の世界で起...続きを読むこっているのは、関係性の「物化」だ。今や親友までもが、自分のステータスの指標にまで成り下がってしまった。いわゆる、親友とは「ブランド」と同じということだ。つまり、親友という存在を持って関係していくという意志ではなく、持って喜んだという完結である。労働者が汗水垂らして生み出すのが、人への想いではなく、あくまでも商品であるという、こういうことが資本主義の問題を増やし、人を病ませていく。ここで大切なのは、給料をもらうことではなくて、給料をもらうことによって、必要とされ、人と繋がっているという充足感である。
中沢新一のカイエ・ソバージュ 第三巻。 まずは気になったところを羅列。 序章より ・経済の深層部分で「愛」と融合しあっている。 第一章より ・経済の基本であるのは「交換」「贈与」「純粋贈与」。三つは相互に結びついている。ラカンは「ボロメオの結び目」と呼んだ。 ・贈与は中間的対象。交換はモノと人...続きを読む格を分離する。 第三章より ・ラスコーなどの壁面に描かれた動物」などは「無からの有の創造」を思考したという、純粋贈与の形を感じていたのではないか。 ・洞窟の奥に描かれたパイソンの横に倒れているペニスがエレクトしている男性はシャーマンだったのではないか。いわゆる「ドラックパーティー」に使われていて二酸化炭素中毒により「死」と隣り合わせの状態を描いていたのでは。 ・洞窟壁画は芸術の始まりと捉えられてきたが、抽象思考の始まりの場所であったのではないか。 ・考古学的発掘品をみると、たとえばパイソンの角に13本の刻み目が彫りこんである。それは月の満ち欠けを表わしていてカレンダーとして使っていたのではないか。 ・豊穣の女神を表わす、山羊の角を杯とする聖杯「コルヌコピア」は無から有を創造するように現実の富を生み出す能力を表わしている。 第四章より ・贈与と交換は社会を流動させる。 ・鍛冶と音楽と貨幣は深い関連をもつ。神話では鍛冶屋は音楽家として描かれる。これは叩くとこに由来している。そして金属は貨幣に関連している。 第五章より ・労働の贈与と純粋贈与する大地が交じり合い、純生産は生まれる。人の繊細な技術によって、大地は悦楽し、増殖が起こり、剰余価値が発生する。 第六章より ・資本主義において価値の増殖は表象の「トリック」によってつくられる。 ・資本主義の価値増殖は「笑い」の生理作用と似ている。 ・幼児が母親の乳房から養分を取る悦楽の中にも贈与的なつながりがみえる。 ・マルクスは経済活動を通して贈与の原理を働かせて愛の関係を生まれることを望んでいた。 第七章より ・経済の基本、価値の増殖の関係はキリスト教の三位一体の図式と同じ。 ・クリスマスにはいろいろなタイプの精霊がでてくるため、資本の増殖と霊の増殖を一緒にお祝いできる。クリスマスこそわれわれの夢を実現しているのではないか。 ・現代は何でも経済の影響化にある。その時代で生きている私たちは「荒廃」している現代の意味を考えなければならない。 この書はタイトルがまずいい。 「愛」と「経済」と一見結びつかない二つがテーマとなっている。 しかし本書にてその二つは見事に結びつく。 中沢新一流経済学書は世の中の経済の流れを教えてくれるのではない。 経済の誕生とそこに生きている私たちの意味を提議してくれている。大変興味深く読ませていただいた。 世の中にある「モノ」に意味のないものなんてない。 すべてに意味・理由があり、それらは繋がっているのだ。
[ 内容 ] [ 目次 ] 序章 全体性の運動としての「愛」と「経済」 第1章 交換と贈与 第2章 純粋贈与する神 第3章 増殖の秘密 第4章 埋蔵金から聖杯へ 第5章 最後のコルヌコピア 第6章 マルクスの悦楽 第7章 聖霊と資本 終章 荒廃国からの脱出 [ POP ] [ おすすめ度 ...続きを読む] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
本当の豊かさとは? 資本増殖の秘密とは? 貨幣と魔術、愛と資本主義。全体性の運動としての経済と精神の構造は同一。資本主義の彼方に出現する「未知の贈与論」を探究する。
中沢新一さんのシリーズ第三段。今回は経済について。三位一体モデルと同じ構造をしている経済のシステム。そしてそれは…
シリーズもあと2作で完結。相変わらず面白かったけど、頭が悪くてなんとなくの雰囲気しかわからない。 しょせん私は文科系。 でも、「贈り物」とは奥が深〜い、というのだけは良くわかりました。
中沢新一 「 カイエソバージュ 3 」資本主義を贈与と交換の原理により説明した本。志賀直哉「小僧の神様」をテキストに モースの贈与概念に 純粋贈与を加えて 富(価値)の増殖概念を解き明かした 資本主義 *贈与型の共同体を解体した社会様式=交換の原理により贈与の原理を無力化 *資本家の貨幣増殖=...続きを読む労働者の不払剰余労働 純粋贈与 *極限の贈与が純粋贈与 *純粋贈与とは 自然 の別名 *贈り物と返礼の円環の外にある *贈与の見返りは求めない *贈与の原理が純粋贈与に触れるたびに霊力が増殖 富の変態 *コルヌコピア=無から有が創造、富を生み出す *富の源泉は自然や神など社会の外部→富の源泉が社会の内部へ=人間化 フィジオクラシー(重農主義) *貨幣そのものは富ではない=貨幣から増殖は受けない *労働の贈与と純粋贈与する大地との出会いにより 純生産は出現
1巻で定常社会、2巻で定常社会から王、すなわち国家の誕生と進んできたカイエ・ソバージュ、3巻目は、資本主義の誕生ということになる。 2巻から、話が進みすぎじゃないの、という気もするが、とりあえず読んでみる。 モースの「贈与論」を起点に、ケネー、マルクスと進んでいく流れは、人類学側から経済にア...続きを読むプローチする場合、「まあ、そうだろうな」という展開だろうか。と、偉そうなことを言うほど、その辺の本を読んだ訳ではないが、栗本慎一郎や今村 仁司を昔読んだときと同じような感じの議論である。 中沢氏は、さらにそこにラカンを援用しながら、資本主義の精神とキリスト教の三味一体説との類似性を指摘する。このへんが、この本のハイライトかな? 前の2冊が、さまざまな神話や風習の分析が沢山入っていて楽しかったのに対して、3巻目は、やや理論的な印象であった。冒頭の志賀直哉の「小僧の神様」の分析は、なかなか面白かったが。 順序的には、第4巻の「神の発明」のほうが、先にきて、そこから資本主義が誕生する言う流れでも良かったのではないか、とも思うが、そこは、「起承転結」の「転」というところで、すこしムードを変えてみようということなのかな。 あるいは、全体の真ん中なので、ここいらで理論を整理して、次なる飛躍に備えようということだろうか。 第4巻の「神の発明」に期待して、満足度は、3つとしておく。
交換と贈与について学べるよ。 今の交換社会に互酬の概念を 織り込んでいければいいね。 マオリ族のハウがいいなー。
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