もう「はい」としか言えない

もう「はい」としか言えない

1,324円 (税込)

6pt

浮気がばれて、パリへ逃げた。そこに悪夢が待っていた。
もう笑うしかない……松尾スズキ、衝撃の最新小説!

二年間の浮気が、キレイにばれた。別れたくない。二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。
妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。
無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。
性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。

半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。
「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」
胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。
飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。
これが悪夢の旅になったのである。

表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。
天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ!


〈著者プロフィール〉
一九六二年、福岡県出身。
一九八八年に「大人計画」を旗揚げする。主宰として多数の作・演出・出演を務めるほか、エッセイや小説の執筆、映画監督など、その活躍は多岐にわたる。
一九九七年、岸田國士戯曲賞受賞。二〇〇一年、ゴールデン・アロー賞演劇賞受賞。二〇〇六年、小説『クワイエットルームにようこそ』が芥川賞にノミネート。二〇〇八年、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の脚本で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。二〇一〇年、小説『老人賭博』が芥川賞にノミネート。
二〇一八年、「大人計画」は三十周年を迎えた。

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もう「はい」としか言えない のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2018年07月11日

    最初、くせのない文章に「これが芥川賞候補か」と思いつつ、「これは松尾さんの本なのか?」と思いつつ、読んだ。
    でもやっぱり、最後の最後に松尾さんの本だ、と思った。
    もう一つ収められていた「神様ノイローゼ」のほうが断然読みやすかったけど、表題作はなるほど、芥川賞候補なのだしな。
    松尾さんは生とか死を、本...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月14日

    松尾スズキ氏の作品は読みたいと思いつつ読めずにいた。
    なんとなく「だろうな」と思われたくないという変な意地が邪魔をして手を出せなかった。
    初読みなので比較もできないが、ひさしぶりに現代日本人作家の本を呼んだためだろうか、とても読みやすい。
    作品の中の空気がじっとりと伝わるような感覚になった。
    私も海...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年01月20日

    何だよっ!松尾スズキ!おもしろ過ぎる(笑) あっちこっちと話題が飛ぶけど、それでこそ!松尾スズキ!浮気の話も笑えたけど、出てくる人が又、変な人達で( ̄▽ ̄;) 後半のP177はアタシも思う事だった。松尾スズキ同様、人生は笑い♪で生きてるので凄い一人・・・仲間感を感じた。面白かった~~

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    Posted by ブクログ 2018年08月10日

    二作品が収録されている。どちらも海馬五郎が主人公。表題作の『もう「はい」としか言えない』は、浮気がバレたことから、一時間ごとに妻に写真を送るとか、毎日セックスをしなければならないとか、自由を奪われる苦痛を強いられる。そんな海馬にパリ行きの機会が訪れ、自由を味わえるようになるかと思いきや、そこには不自...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年12月04日

    フランスの実業家が設立した「ルールに縛られない自由な精神」を実践して生きていると評価する世界の5人の文化人与える「世界を代表する5人の自由人のための賞の第1回受賞者に選ばれた、不自由な状態にある『海馬』。聞いたこともなく胡散臭いが、浮気の罪から逃れるため、問題ありの通訳の青年を雇い渡仏することに・・...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年06月05日

    なんだろう。

    感想も、もはや

    もう「はい」としか言えない。


    松尾スズキさんのエッセイだと勝手に思って
    小説だと知らず読みだしたけど

    なんとも現実的で
    でもファンタジーみたいな
    つかみどころのない感じに
    脱力しました。

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    Posted by ブクログ 2019年04月22日

    浮気がバレた海馬。妻に許してもらうがいくつか条件があった。そんな中エドルアール・クレスト賞という賞の受賞を受け、厳しい条件を逃れるために、パリへ。「世界を代表する5人の自由人のための賞」という怪しげな賞。開放感と共に旅立った海馬は…やはり悪夢の旅となったのである。後半は、海馬の子供の頃のお話の『神様...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年02月04日

    僕のような冒険しない人間にとって、不条理というものは結構遠くにあるものです。不条理がどんどん増幅して巻き込まれてもみくちゃにされ、それを見たり読んだりするのは非常に楽しいし、それがいい書き手だと猶更です。どちらかというと同じ主人公「海馬五郎」の子供時代を描いた「神様ノイローゼ」の方が笑えました。神様...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年01月24日

    もう何と言っていいか分からない。 今まで読んだことのない種類のストーリー。 自分にはなかなか理解できなかったかも。 自分には、神様ノイローゼの方が分かる部分が多かった。くすってところと、あの頃はそうなんだよなぁってとこと。

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    Posted by ブクログ 2018年12月25日

    なにかを受賞したらしく、先入観をたっぷり持って読んだ。ストーリーは好き嫌いあるが文の転がし方やフレーズの使い方が上手いのは間違いない。頭に残るセンテンスがいくつも出てくるのを味わってもらいたい。

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