【感想・ネタバレ】もう「はい」としか言えないのレビュー

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Posted by ブクログ

最初、くせのない文章に「これが芥川賞候補か」と思いつつ、「これは松尾さんの本なのか?」と思いつつ、読んだ。
でもやっぱり、最後の最後に松尾さんの本だ、と思った。
もう一つ収められていた「神様ノイローゼ」のほうが断然読みやすかったけど、表題作はなるほど、芥川賞候補なのだしな。
松尾さんは生とか死を、本当はどう思っているのだろう。アートな死、なんて笑っちゃうのかもしれないけど、一生懸命な生、もきっと笑っちゃうんじゃないかと思えてならない。

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2018年07月11日

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松尾スズキ氏の作品は読みたいと思いつつ読めずにいた。
なんとなく「だろうな」と思われたくないという変な意地が邪魔をして手を出せなかった。
初読みなので比較もできないが、ひさしぶりに現代日本人作家の本を呼んだためだろうか、とても読みやすい。
作品の中の空気がじっとりと伝わるような感覚になった。
私も海外はこわくて行ったことがないし、そもそも旅行や観光を心から楽しめない。
できることなら旅行や観光が楽しいと思っている人間に読んでもらいたいと思った。

ちなみに主人公の持つ罪悪感は浮気や不倫だけではなく、誰しも持っている生きているだけで後ろめたい、という感情に近いのかと感じた。
罪悪感に対抗できるのは強烈な印象だけなのかもしれない。

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2021年05月14日

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何だよっ!松尾スズキ!おもしろ過ぎる(笑) あっちこっちと話題が飛ぶけど、それでこそ!松尾スズキ!浮気の話も笑えたけど、出てくる人が又、変な人達で( ̄▽ ̄;) 後半のP177はアタシも思う事だった。松尾スズキ同様、人生は笑い♪で生きてるので凄い一人・・・仲間感を感じた。面白かった~~

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2019年01月20日

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二作品が収録されている。どちらも海馬五郎が主人公。表題作の『もう「はい」としか言えない』は、浮気がバレたことから、一時間ごとに妻に写真を送るとか、毎日セックスをしなければならないとか、自由を奪われる苦痛を強いられる。そんな海馬にパリ行きの機会が訪れ、自由を味わえるようになるかと思いきや、そこには不自由しかなかった。

『神様ノイローゼ』は少年時代の海馬の心の中をぶちまける。そこに精神的な自由はあったのだろうか。読んでいて苦しくなるが、どちらもどこかで共感できる作品だった。

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2018年08月10日

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ネタバレ

芥川賞候補作を含む中編集。

候補作の「もう「はい」としかいえない」は冒頭の不倫の事実を妻から突き付けられるリアリティさからいきなり非現実的でシュールな海外での体験する落差が面白いです。
純文学的なテーマは死についてということなのでしょうが、母と穴についてのエピソードだけが浮いていたので、狙ったのかもしれないと思いました。
もう一つの「神様ノイローゼ」の方は肩の力を抜いて読める青春小説でした。

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2018年07月21日

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ネタバレ

「もうはいとしか言えない」/松尾スズキ

今まであまり読んだことのないジャンル。
結局主人公は精神病みたいな感じだったのかな?

前半はひたすら奥さん怖いみたいな感じで、主人公ちょっとかわいそうだなぁって思ってた。
でも読み進めていくにつれてだんだんそうじゃなくて、
主人公が、どこか普通とは違うのかなと思い始めた。
で、その原因が後半で明らかになっていくのかなあと思っていたら幼少時代からどこか狂っていた。

猟奇殺人的な生々しいグロシーンは無いけど、所々出てくる主人公のぐちゃぐちゃな感情の書き方がすごくグロかった。
思春期の人間の感情ってこういうことなんだろうな。

どっかすっきりしない感じが若干残った

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2022年02月10日

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ネタバレ

松尾スズキの舞台みたいに、いろいろ混ぜこぜの世界が繰り広げられる。舞台もそうだが、この本も、わかんないなりに読み進めるうち、ストーリーはいつの間にかつながり、終わっていく。何かを投げ掛けられたんだけど、何なんだろ…と考えさせる。
「神様ノイローゼ」は、作者の自伝?みたいでおもしろい。私にも思い当たる部分がある。みんなそうなのかな。子どもってけっこういろいろ考えているのかもね。

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2020年04月26日

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フランスの実業家が設立した「ルールに縛られない自由な精神」を実践して生きていると評価する世界の5人の文化人与える「世界を代表する5人の自由人のための賞の第1回受賞者に選ばれた、不自由な状態にある『海馬』。聞いたこともなく胡散臭いが、浮気の罪から逃れるため、問題ありの通訳の青年を雇い渡仏することに・・・。

とにかく変わり者の主人公。俳優もしていて一見それなりにステータスのある人物のようだが、極度の心配性で妄想癖があり、自意識の塊で故に人目を気にしすぎるあまり頓珍漢な行動に走ったりする。そんな男目線で進むのだから、ややこしく鬱陶しいのだが、段々とそれがクセになってくるというか。ストーリーもあってないようなものかと思っていたら、主催者の真の目的が判明しタイトルの秀逸さに気付く。
それからもう一編、同じ『海馬五郎』の少年時代を綴った『神様ノイローゼ』。なるほど、この主人公はなるべくしてなったのだと。この中でやたらと引っ張られる「少年水死体事件」。結果、爆笑は獲れたのだろうかどうかが気になるところである。

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2019年12月04日

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なんだろう。

感想も、もはや

もう「はい」としか言えない。


松尾スズキさんのエッセイだと勝手に思って
小説だと知らず読みだしたけど

なんとも現実的で
でもファンタジーみたいな
つかみどころのない感じに
脱力しました。

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2019年06月05日

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浮気がバレた海馬。妻に許してもらうがいくつか条件があった。そんな中エドルアール・クレスト賞という賞の受賞を受け、厳しい条件を逃れるために、パリへ。「世界を代表する5人の自由人のための賞」という怪しげな賞。開放感と共に旅立った海馬は…やはり悪夢の旅となったのである。後半は、海馬の子供の頃のお話の『神様ノイローゼ』。
こりゃ独特の表現の世界、シュールかなあ。人生思ったようにいかない、不思議な世界に直面して、でも面白おかしく生きてゆく。そんな世界。『神様ノイローゼ』の方が私は楽しめました、でもどちらも素晴らしくおかしさを、苦しさを、描いていました。癖がある文章かな。非凡さを感じますが。

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2019年04月22日

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僕のような冒険しない人間にとって、不条理というものは結構遠くにあるものです。不条理がどんどん増幅して巻き込まれてもみくちゃにされ、それを見たり読んだりするのは非常に楽しいし、それがいい書き手だと猶更です。どちらかというと同じ主人公「海馬五郎」の子供時代を描いた「神様ノイローゼ」の方が笑えました。神様を欺くためにフェイントをかけて生活するとか、なんとなくわかる気がするんですよね。この辺の感覚をわざわざ表現できるのがすごい。

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2019年02月04日

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もう何と言っていいか分からない。 今まで読んだことのない種類のストーリー。 自分にはなかなか理解できなかったかも。 自分には、神様ノイローゼの方が分かる部分が多かった。くすってところと、あの頃はそうなんだよなぁってとこと。

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2019年01月24日

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なにかを受賞したらしく、先入観をたっぷり持って読んだ。ストーリーは好き嫌いあるが文の転がし方やフレーズの使い方が上手いのは間違いない。頭に残るセンテンスがいくつも出てくるのを味わってもらいたい。

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2018年12月25日

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中編2編、表題作「もう『はい』としか言えない」と「神様ノイローゼ」を収める。
いずれも主人公は、著者自身を彷彿させる、俳優兼シナリオライターの海馬五郎。
この男が、自分が悪いのか世間が悪いのかはたまた人知を越えたナニモノかが悪いのか、のっぴきならない状況に追い込まれ、えええー?と立ち往生するような、ちょっとシュールなストーリー展開である。

「もう『はい』としか言えない」では、五郎は浮気をし、それが妻にばれる。まったく自業自得だが、離婚は何としても避けたい彼に、妻が厳しい条件を突き付けてくる。密会場所となった仕事場の解約はともかくとして、仕事で仕方がない時以外は1時間ごとに写メを送れ、そして毎日夜のおつとめをせよ、と。しかしまぁ弱みがあるので「はい」としか言えないわけである。窮屈な生活を送る五郎に「朗報」が舞い込む。パリの富豪が創設した賞を受賞したので、現地での授賞式に出席せよというのだ。妻の監視から逃れられると色めき立つ五郎だが、実は飛行機はニガテだし外国語もまったくできない。その上、この賞、「世界を代表する5人の自由人のための賞」なるもので、なぜ大して売れていない自分が受賞するのかも謎である。ともあれ、友達に世話してもらった通訳のネクラ美青年を伴い、現地に向かうのだが、富豪はなかなか姿を現さず、ことは意外な展開に・・・。

「神様ノイローゼ」は、五郎の子供時代の回想である。何だか理屈っぽくあれこれ考えすぎる子供。本当は1人で絵を描いたり物語を考えたりするのが好きなのだが、大人たちは周囲の子供と遊ばせようとする。子供社会の不条理なヒエラルキーでしかし、五郎は伸していくことはできない。それもこれも「神様」が決めているのだ、と少年は思い込む。何でもかんでも言い当ててしまう「サトル」の化け物の昔話のように、神様の裏をかくことはできないのか。水泳教室の昇級試験で、窮地に陥った五郎少年が取った策とは。

全般に不思議なブラックユーモアと危ういバランス感覚が漂う。
失笑しつつどこかうすら寒い。
リアルさを残しつつも、理解不能な展開に迷い込むシュールさ。その境界はなかなかスリリングである。

劇化は困難であるようにも思うのだが、何とはなしに発想が「舞台」「演劇」寄りであるように感じられる。

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2018年10月14日

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第159回芥川賞候補作。
選考委員は主人公が動けば必ず何かが起きる、「ドタバタのおもちゃ箱感」が好評だった模様。

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2018年09月11日

Posted by ブクログ

序盤がすごく良かった。
何が起きるんだろうというワクワク感が最後まで持続すれば受賞したかもしれない。

自伝小説かと錯覚するほど主人公の描写が細かく松尾さんっぽくて掴まれた。
設定がすごく面白い。

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2018年08月18日

Posted by ブクログ

初っ端から面白かった。ニヤニヤしちゃうほどに。不倫がバレた海馬五郎(老人賭博も合わせてどうぞ)が妻に3つの約束を叩きつけられる。
仕事場は解約すること。今後2年間外出先からスマホで1時間おきに背景も含めた自撮りの写メを送ること。そして2年間毎日セックスをすること、丁寧に、もちろん私とね。

半年経ち海馬はフランスの賞を受賞する。飛行機が嫌いで海外が怖い海馬だが妻とのセックスから逃げたい一心でフランスに行く…という話なんだけど、この奥さん最高だわ。

表題作以外にもう一本ありますがこちらも主人公は海馬です。いつか芥川賞受賞してほしい気もするけどこの手の作風だと難しいかな。

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2018年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現実的な話のようでシュールな話。
聖くんのキャラ好きだなー。笑
表題作は個人的に前半が好きでした。

2つ目の、神様ノイローゼも面白かった。
もー自意識捨てて笑っていこー涙

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2019年02月23日

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