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第134回芥川賞(2006年)候補作。 恋人との大喧嘩の果て、薬の過剰摂取(オーバードーズ)で精神病院の閉鎖病棟に担ぎ込まれた明日香。そこで拒食・過食・虚言・自傷など、事情を抱えた患者やナースと出会う。普通と特別、正常と異常……境界線をさ迷う明日香がたどり着いた「場所」とは一体、どこなのか? 悲しくて笑うしかない、絶望から再生への14日間を描いた本作は2007年、松尾スズキ自身の監督・脚本で映画化された(主演・内田有紀)。 解説・枡野浩一
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リハビリがてら読みました
長らく小説を読まずにポヤポヤと過ごしていて、これはいかんと思い何か良い本はないかと探していて出会いました。 非常に読みやすく、それでいて心に迫る描写が楽しい作品でした。
#ドキドキハラハラ #深い #ダーク
Posted by ブクログ
自分語りとは、なんて信用ならないのか。 思い込みや理想は事実を歪ませる。 重い内容だが、口調が軽いのですごく読みやすい。
おーもーしーろーいー!こういう本、スキ。あっち側とこっち側のギリギリの境界線。悲しくて笑うしかない現実。現実の中にある非現実。自分の中にある正常と他人から見た異常。松尾スズキにグイグイ引き込まれた。冒頭部分は大の苦手だったけど、好きな分野の本デシタ。
はじめは精神病院や精神病棟、精神病患者に対する偏見や思い込み、間違った理解を助長するような作品かなと勘違いしていたけれど、読み進めば進むほどにそれこそがこの作品に対する私の偏見や思い込み、間違った理解だと思い知らされた。自信を持ってお勧めできる素晴らしい作品。
とりあえず「クワイエットルーム?」ってところから。静かな部屋?静かにしなきゃならない部屋?音を出したものに罰則とか?みたいに、あれこれ思いを巡らせつつ、とても薄い文庫本に着手。なるほど。精神科病棟の中でも特別な一室っていう位置づけでしたか。そんな病棟の中でのドタバタ喜劇が描かれているけど、主人公は、...続きを読むたまたま発作的にODしてしまった女性。一歩離れたところで、”自分はここの連中とは違う”と向こうを張りながら、でも結局同じ穴の狢的な醜態も晒しつつ、物語は進む。短い中編ながら、登場人物はとても個性的で(舞台設定上、当たり前かも)、もっと見ていたい気持ちにさせられる。サクッと楽しめる、でも味わい深い、そんな物語でした。
日々のストレスを感じ、精神安定剤を大量摂取して閉鎖病棟に入院することになり、そこで様々な悩みを抱えた人物たちと出会うことになる。 描写がとてもリアリティがあり、のめり込んでしまった。私自身、精神を患っていた時期もあり、共感する部分も持てる。 主人公が最後に退院する時に、患者から電話番号やEメールアド...続きを読むレスを書いたものを渡されるが、最終的には捨ててしまう。それは切り離さなくてはいけない関係だから。何においても、切り離したくなくても、後の為に離さなくてはいけないものが生涯の中で出てくるのだろう。
映画見てから読んだので、映像として頭に入ってきました。文章だけだと・・けっこう読みにくい作品かもしれないです。私はでもかなり壷る描写ですね。好きです。1時間ぐらいで読めると思います。1時間で読める単純な文章ですが、とても内容が濃い!キャラが相当濃い!登場人物多いですけど、全員存在感がある。心の奥底に...続きを読むダークな願望って誰しもあると思います。で、ダークな願望は普段は押し殺してて、無理に考えないようにしていても・・何かのはずみにドーンと押し寄せてきて歯止めが効かなくなるっていうのもあるって思うと怖くなりました。主人公、明日香が私と年が近いのもあり。。私もちょっと明日香のような考えをしてた時期もあったので、過去への後悔を少し自分と重ねてしまいました。
映画を観る前に読みました。 精神科ファンタジーは数あれど、これは面白かった。 こちらの話も、現実とは全く異なる創作だが、 「生きること」「同年代の女性」の困難さと、故のおかしみがリアルだった。 これは私のことだ、と思った。絶望と再生の14日間。私も再生したい。
まさしく希望に満ちあふれた物語! 読後、むくむくと元気が湧いてきた。 向精神薬の過剰摂取で、精神病院の閉鎖病棟に閉じこめられた「わたし」の2週間。閉鎖病棟での悲惨な日常をおもしろおかしく描いているけれど、実はまじめに人間の矜持を描いた物語だ。 「正常」と「異常」の境界って、一体何処なのだろ...続きを読むう。 人はすぐ線引きしたがる生き物だ。 「勝ち組」や「負け組」だってそうだ。 きっと揺るぎない自分だけの価値を持たない人々が、メディアに流されているに過ぎないんだろうなあ。 確固としたプライドを持って生きる人間を応援してくれるような、そんな元気の出る物語なのでした。映画ももう一度見直さなくてはいけないな。
『今まで「絶望だ」と思っていた出来事のすべてが、「100均」に並んでいるような安物の絶望に思える。』 『レクター博士みたい』 『「彼女が死にかけてる時に、この人なんでマトリョーシカ握ってんの」って思われんじゃないかと思ってさあ』 『救急車に比べたらスペース・マウンテンとか、子供』 『この女は...続きを読む銀河の彼方ステンレス星から「事務口調」をひろめに来たステンレス星人だ。』 『そうですか、それ、今聞きました。ルールを提供する側は、あらかじめルールを明確に提示するのがフェアな考え方なんじゃないですかね』 『1時間以内に捨てないとこの画用紙は爆発します』
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