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日本人初のノーベル賞を受賞した湯川は「科学界の詩人」と呼ばれ、端正な文章で人々を魅了した。鋭い観察眼と人間愛光る名随筆35篇。
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Posted by ブクログ
文の組み立てや論の進め方が整然としていて読みやすい。旅行の思い出や文学の話から科学技術と平和、国家や世界の在り方まで、物理学者と儒教思想の両方の考え方を感じた。
日本人初のノーベル賞受賞者、言葉にうっとりする。難しいところもあるけれど、すごく面白い。論理の進め方が、物理をはじめとする理系だからかなぁ。仏教や文学、短歌の話もあり、とにかくエレガントな印象がある。湯川秀樹さんのような会話が出来る友だちが欲しいなぁ。読み進めながら「そうそう」と愉しい時間を過ごした...続きを読む。 わたしは、言葉がうまく紡げないときは、数式やおんがくなど、国語とは遠いものへ目を向ける。新聞だったり、絵画だったり、自然だったり。遠いようだけど、詩や短歌、文学に近付いている感じがする。湯川秀樹さん、ありがとう。もっともっと、読みたいなぁ。
湯川秀樹先生(1907~1981)、1949年、日本人初のノーベル賞受賞者です。私が生まれた年ですが、そういえば、小学校の同級生に秀樹という友達がいました。「詩と科学」(2017.2)、著者ならではでしょうか、ユニークなエッセイです。詩と科学、遠いようで近く、近いようで遠い。出発点は同じ、どちらも自...続きを読む然を見ることからはじまる。薔薇の花の美しさをたたえる気持ちと花の形状を調べようとする気持ちの間に大きな隔たりはない。しかし、薔薇の詩をつくるのと顕微鏡を見るのでは方向は違う・・・。わかりやすいようで、難しく・・・、でも、なんとなく共感を覚えました。
紀行文で述べている「ただ何となく楽しい落ち着いた気分」がよいというところに共感しきり。朝永先生にしろ、仁科先生門下(?)は実に懐が深く学問はもちろん感性も磨きぬかれている方々で尊敬と憧れの感でいっぱいです。
15歳から68歳までの随筆集。幼い時の祖父から受けた漢籍の素読、父の膨大な蔵書の環境の中で育つことで教養の下地ができる。進路選択にあたり、教師の解答以外は評価しない不自由さを嫌い数学を離れ、手先が器用でないため工学系や実験物理を避け、理論物理に進むが、当時の量子論の台頭を先駆的に感知し、独学で進めた...続きを読む。精神の自由さと物事の本質を考え抜く姿勢が本書の論考に見られる。'人間万事、塞翁が馬'という寓話があるが、これをもとに少数意見に耳を傾ける重要性に触れている点は印象深い。
端正な文章。論理的で理知的。 特に若い頃の文章は、才気がみなぎっているとはこういうことなのかな。 良質な文章という点では、読み応えがある。 でも、こちら側の入り込む余地が少なくて、ちょっとしんどいかも。
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